アルファベット・パズラーズ の商品レビュー
全体にバカミス的だがそこまでではないか/「Pの妄想」はアリバイ崩し系/「Fの告発」はFシステムという入退室管理システムを逆手に取ったトリック。謎部分は推理できました/「Cの遺言」ダイイング・メッセージものは必ず不自然になるのでDMはなかったものとして読むことにしています/「Yの誘...
全体にバカミス的だがそこまでではないか/「Pの妄想」はアリバイ崩し系/「Fの告発」はFシステムという入退室管理システムを逆手に取ったトリック。謎部分は推理できました/「Cの遺言」ダイイング・メッセージものは必ず不自然になるのでDMはなかったものとして読むことにしています/「Yの誘拐」誘拐ものは好きではないです。真犯人候補は三人考えていましたがそのうちの一人だったということなのでしょう。 ■簡単な単語集 【AHM】Apartment House of Mineharaの略。四階建てマンション。一つの階に2DKが三戸入っており、最上階はすべてオーナーの峰原の住居。 【大槻】警部。後藤の上司。「軍鶏」というあだ名を持つ。 【後藤慎司】警視庁捜査一課第四強行班捜査第九係刑事。部屋は一階。 【シド&ナンシー】奈良井明世が翻訳しているアメリカの女性作家が書いているミステリのシリーズ。女性私立探偵のナンシーは事故で愛犬のシドと頻繁に人格が入れ替わるようになってしまい、絶望するが、それを活かして犬にしかできない捜査をするようになる。 【杉田】検視官。死亡推定時間をきわめて正確に特定する特技を持つ。 【竹野理絵】中央医科大学付属病院の精神科医。にこにことおっとりしている黒髪ロングの美女。部屋は二階。僕が著者ならこの人を最後の事件の犯人No.2候補にすると思うが? 最も犯人であってほしくない人物として。 【奈良井明世】翻訳家。部屋は三階。「シド&ナンシー」シリーズを訳している。昔のヨーロッパ映画に出てくる不良少年みたいな感じらしい。 【峰原卓】マンションのオーナー。元民事弁護士。百八十センチを超える長身で知的で低いよく響く声。趣味は犯罪研究。彼が淹れる紅茶もコーヒーも美味い。僕が著者ならこの人を最後の事件の犯人No.1候補にすると思うが? ドルリー・レーンのオマージュとして。 【森川】大槻警部の片腕。最近孫が生まれた。
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短編本格ミステリーの名手である大山誠一郎の連作短編集。『Pの妄想』、『Fの告発』、『Cの遺言』の短編3本と『Yの誘拐』の中編1本が収録されている。『Fの告発』のみ、いまいちと思える出来であるが、それ以外はロジック、トリックともに良質な本格ミステリーといえる。 また、『アルファベット・パズラーズ』というタイトル通り、各短編・中編ともに切れ味鋭いロジックを堪能することができる。『Pの妄想』において「家が傾いていた」という事実や『Cの遺言』の「愛煙家の被害者が煙草を吸わなかった理由」など、ある事柄・事象からトリックや犯人が導き出される論理展開が見事。 『Pの妄想』における住宅の欠陥を利用した「物理的トリック」と被害者が被毒妄想であったと思い込ませることで生まれる「心理的トリック」の二段構え。『Cの遺言』の奇想満点の自然現象トリック。『Yの誘拐』の価値観が反転する悪魔的な真相。などなど、ロジック以外の「ハウダニット」や「ホワイダニット」でも光る部分が多く、あらゆる意味で隙のない短編集。
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マンション、AHMの大家とその住人が事件を解決していく連作短編集。 ユーモラスで王道な雰囲気の前3遍も面白いんだけど、最後の「Yの誘拐」がすごく良かった。 誘拐された男の子の父親が書いた手記が続く前編、その手記を元にAHMのメンバーが捜査と推理に乗り出す後編という構成。この手記がそれまでのどこかフラットでほのぼのした筆致とうって変わって、誘拐された息子を思う父親の焦りや悲しみがぐっと引き立つような運びになる。この方の作品はいつもトリックや設定が面白いけど、シリアスな雰囲気を描き出すのもとても上手なんだな〜。 エピローグと二段構えのラストにも驚いたし、明かされた真実には虚しくなった(あの銀行員は怪しいと思ってたけどさ……)(でも正直YukichiのYより、ヨシオだと思ってた説のが納得できた) 推理は強引、ちょっとそれは無くない?って展開もある。でも楽しめる作品でした。
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久しぶりにパズル的謎解きを目撃する楽しみに時を忘れる。短編だからゴリゴリの長編ファンというわけでもない僕には、とっつきやすくてありがたかった。
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パズラー小説への苦手意識は強いものの、洒落た装丁とゲームクリエイター・小島秀夫氏のコメントに惹かれて手に取ってみた。各章、前段でコツコツ積み上げた謎のディテールを一気に覆すトリッキーな真相で、その意外性から一周回って楽しめたし、最終章におけるブラックな物語の畳み方も嫌いではない。...
パズラー小説への苦手意識は強いものの、洒落た装丁とゲームクリエイター・小島秀夫氏のコメントに惹かれて手に取ってみた。各章、前段でコツコツ積み上げた謎のディテールを一気に覆すトリッキーな真相で、その意外性から一周回って楽しめたし、最終章におけるブラックな物語の畳み方も嫌いではない。あまりの飛躍に唖然とする探偵役の推理も【確信犯】であるなら、本書においてそこに言及するのはお門違いと言ったところか。しかし、この類の謎解き最優先で人間ドラマや整合性は二の次、三の次という作品はやはりどうにも自分の肌に合わないな…。
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タイトル通りパズラー4編を収録した短編集。パズルに重心を置き、それ以外をばっさり捨象しているため、かえってパズル部分にも無理が生じてしまった感が。犯人当ては期待せず、ロジックを愛でるつもりで読むのが丁度かもです。
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連作短編としてとても読みやすいし、登場人物が同じという点は個人的には好きなスタイル。本作の4人も個性がわかりやすい。 特に面白かったのは「Yの誘拐」。構成もそうですが、予想しない結末に驚いてしまいました。 大山誠一郎さんの作品は個人的に好みにジャストなので、このまま次は『密室蒐集家』を読みます。
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トリックは、よく考えられているけれど、設定とともに無理やり感ありあり。物語も面白くない。何だろう、この空虚感は?作りました感横溢で、小説としての真実味がないのかなあ。例えば、刑事の言動に現実感がない。よく調べないで、刑事ならこんなもんだろうと描写してるんだよなあ。
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登場人物の気取った会話とか精神科医のキャラクターとかが苦手だったけど、どの話もよく出来ていて面白かった。特に最後の話の真相は興味深い。
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安楽椅子探偵ものの連作短編集。 解説にもあったが、割と稀少な、スタンダードなパズラー。 派手さはないが、ロジック重視で丁寧な感じはよかった。 そしてなにより、連作短編のオチとなる最終話が面白かった。探偵が椅子を離れる流れは、安楽椅子探偵ものの発展パターンとしてはありがちだが楽しめ...
安楽椅子探偵ものの連作短編集。 解説にもあったが、割と稀少な、スタンダードなパズラー。 派手さはないが、ロジック重視で丁寧な感じはよかった。 そしてなにより、連作短編のオチとなる最終話が面白かった。探偵が椅子を離れる流れは、安楽椅子探偵ものの発展パターンとしてはありがちだが楽しめ、そこにキレイな大技が絡んで秀作なっていたと思う。 著者作はチェックしたくなった。 4
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