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殺人者の娘たち の商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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2021/02/12
  • ネタバレ

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興味深く、一気に読んだ。姉のルルはドリューと出逢えて、仕事にも誇りがあって、娘を愛していることも分かって、救いがあった気がするけど、妹のメリーはどうだったんだろう。殺人者の父親から逃れることができなくて、でもそれは、愛情からなのか、義務感からなのか、恐怖からなのか、私にはよくわからなかった。際限なくメリーに求め続けて、メリーに親の顔をするお父さんへの嫌悪感がある。後悔しているのか。自分が悪かったと本当に思っているのか。それに振り回された2人はどうなるのか。ルルにもだけど、メリーにとにかく、もっと救いがあって欲しいと思う。

Posted byブクログ

2013/10/27

殺人者の娘になってしまった姉妹の30余年のものがたり。罪の周辺にいる人々が如何に傷ついてしまうかが上手く描かれています。甘ったるい終わり方をしないだけに、リアルな感動があります。

Posted byブクログ

2013/09/27
  • ネタバレ

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どんな物語なのか、殆ど予備知識の無い状態で読んだ。 タイトルで大方の説明は済んでいるとは言える。 感動の大作、読後感は爽やか、との帯やレビューを見かけたが 確かに読後感は悪くはないが、格別爽やかにも感動的にも 自分は感じられなかった。 というのも、全体的にドキュメンタリーに近く 確かにその点では筆者の経験が生きているとも言えるのだが 淡々と事実のみを受け止めていく感じで話が流れていく。 一体どうなるのか、先がわからない不安はたまらなくあったが それ以外に感情移入できた登場人物がいなかった。 比較的、どちらかと言えばルルに親近感を抱いて読み進めていたが そうしてみるとメリーがうざったく感じてしまうし 結婚をして娘もいるのに妹とほぼ同居というのはかなり辛い。 自分がルルだったら、あの局面においても 事実を話して欲しくはなかったし、 別にあとで、子供を助ける為の方便だったとか 自分と姉は血が繋がっていないのだとか、いくらでも 子供に事実を隠しとおす方法はあったと思う。 最終的にメリーが父と同居することにした気持ちもあまり理解できず 何も解決になっていない気がして、爽快にも感じなかった。 こうした事実があった、そしてまだここにあるのだと感じるのみだった。 自分の人生で手一杯ということなのかもしれない。

Posted byブクログ

2013/09/17
  • ネタバレ

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この本で一番ゾッとするのは、殺人者である父親の、娘に対する語り口だ。 母親を殺し、娘たちの人生を難しいものにしてしまったにもかかわらず、 なんとも軽い。娘に対し、「シュガーポップ」とか呼んじゃうのだ。 いくら真面目で模範囚だとしても、娘たちを愛していると言っても、人間として信頼できない。 殺してしまった妻に対して、どう感じているのかがよくわからない。 自分が都合のいいように考えることしかできないのか? 最後には下の娘と同居できるようになるが、彼女の行く末が心配。 とはいえ、最後には、そんな駄目な父親をありのままに受け止め、前向きに生きようとする娘たちがいる。 読後感は悪くないです。

Posted byブクログ

2013/09/12

刑期に服することで、刑期を終えることで、すべての罪を償ったかのように考える人間が少なくないし、それが普通だと聞いていたが、それがどれほど間違ったことか改めて感じた。被害者遺族であり加害者遺族でもある姉妹の、長い長い苦しみ。苦しみから必死に逃げる生き方がよいのか、受け入れる生き方が...

刑期に服することで、刑期を終えることで、すべての罪を償ったかのように考える人間が少なくないし、それが普通だと聞いていたが、それがどれほど間違ったことか改めて感じた。被害者遺族であり加害者遺族でもある姉妹の、長い長い苦しみ。苦しみから必死に逃げる生き方がよいのか、受け入れる生き方がよいのか、どっちだろう。

Posted byブクログ

2013/09/09

 父親が母親を殺した。  父は収監され、姉と妹は苦渋をなめることになる。  「殺人者の娘」となった二人の成長の物語といえば簡単なのだけど、肉親であるからこそ収監されている父が捨てられない娘に対して、娘を殺した男の子供だからと彼女たちを捨てる母親の親族。  彼女たちはそんな風に大...

 父親が母親を殺した。  父は収監され、姉と妹は苦渋をなめることになる。  「殺人者の娘」となった二人の成長の物語といえば簡単なのだけど、肉親であるからこそ収監されている父が捨てられない娘に対して、娘を殺した男の子供だからと彼女たちを捨てる母親の親族。  彼女たちはそんな風に大人のエゴに振り回される。  それでも、なんとか人生を切り開こうとうしていく姿がいぢらしい。  にしても、彼女たちが長じていけばいくほど、父親と母親の精神の未熟さが見えてくるのが怖い。  きっと、何も事件がなくてあの両親のもとで育っていたら、彼女たちは同じように未熟な大人になっていたのかもしれない。  それでも、これは不幸な話なのだ。    親がいても、いなくても、彼女たちは満たされない不安定さからは逃げられなかったのだろう。    とはいえ、読後はさわやかなのである。  うん、何があろうと夜は明けるし、雨も上がると、なんか信じられる作品だった。

Posted byブクログ

2013/08/15
  • ネタバレ

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チェック項目7箇所。「覚えておおき、約束は神聖なものだ。神様が聞いているからね。約束を破ると、神様にわかるんだ。だけど大丈夫、おまえは約束を守る子だからね」。「あなたが心配なのよ、ルル。あなたが持っているものを失うのはもったいないわよ」「私が持っているものって?」「可能性ですよ」。「これから言うのが、私たちの経歴よ。両親は、車の事故で亡くなったの。そういうこと。北のほうで衝突したの。キャッツキル山地に行く途中にね。その後、ミミ・ルビーと一緒に暮らしていたけど、亡くなった。ダフィに入ったのは、他に親類がいなかったからよ」。「打ち明けることは、私たちにとって最も危険な行為なの。私はふたり分の目配りをしているのよ。いつか私たちは子どもを産むでしょ。子どもには、恐ろしい殺人犯のおじいちゃんは不要なのよ」。「そもそも最初から、私がパパの面倒をみるしかなかったのよ。姉さんが好きなことをしている間に、私がパパの家族になってあげていたのよ。おばあちゃんに、姉さんとは違って毎週のように刑務所に引きずられていったのよ。まったく! 姉さんは特別だった。すごく頭がよくて自信に満ちていて、だれの言いなりにもならなかった」。祖父が刑務所にいることを……「どうして今まで話してくれなかったの?」「あなたたちを守りたかったからよ」「なにから守の?」「おじいちゃんから?」「違うわ。だって、刑務所にいるんだもの」「じゃあなんなの?」「知ってほしくなかったのよ、おじいちゃんが悪い人だなんて」。パパには限界がある、決して成長しない男、私にできるのは、パパを嫌いすぎず、愛しすぎない術を学ぶことだけ、私は等身大の父を受け入れなければならない。

Posted byブクログ

2013/08/11

 いやぁ。久しぶりに面白かった。  面白いといっていいのか分からない。いやむしろいやな話であった。  自分の後悔を思い出させるような。  暗雲の中をろうそくだけを頼りに一人で歩くような話。  ひとことだけ言いたい。  もしこれを読むなら登場人物紹介は読まないことだ……。

Posted byブクログ