小説フランス革命(11) の商品レビュー
フランス革命も終盤に入り、ロベスピエールが実権を握って恐怖政治を行い、かつての仲間であったはずのダントンやカミーユ・デムーランらを次々と処刑してゆく時代が描かれる。
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ロベスピエールがリュシルのこと好きだったからって本当?史実or物語? サン・ジュスト嫌い。 ダントンは大きい、強い。 寂しくなりました。
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ダントンとデムーランが死んだ、ロベスピエールの心も死んでしまった。ミラボー、ルイ16世、ロラン夫人が死んだときも、何とも言えない気持ちになったけど、ダントンの死では嗚咽が止まらなかった。最初に登場したときは(第3巻)、なーんか押し出しが強くて暑苦しい人って印象で好みではなかったし...
ダントンとデムーランが死んだ、ロベスピエールの心も死んでしまった。ミラボー、ルイ16世、ロラン夫人が死んだときも、何とも言えない気持ちになったけど、ダントンの死では嗚咽が止まらなかった。最初に登場したときは(第3巻)、なーんか押し出しが強くて暑苦しい人って印象で好みではなかったし、今だって大好きな人物というわけではないけど、人間としてどんどん引きつけられていった。 ダントンはシルバー船長のようであり、ダントンは田中角栄のようだと思う。平易な言葉で真理を語り、それは決して理想や正義ではないかもしれないけれど、多くの人が納得できるものだった。ダントンは反省や後悔が出来る人だった。「あれは失敗だったから次はこうしよう」という人でなければ進歩できない。一度の失敗でつまづいてしまったり、そもそも失敗を認めようとしない人は進歩できない。ダントンは折り合いということも知っていた。折り合うことは確かに、鋭さをにぶらせるけれど、多様な人々が存在する世の中を治めるというのはそういうことだ。みんなが少しずつ我慢をして、少しずつ得をするしかないのだ。 とはいえダントンはそれでは革命が歪んでしまうこともわかってた。ここまでこられたのはロベスピエールが革命の根本精神を決して決して曲げずにいたからという。そして革命そのものになることをロベスピエールに押しつけてしまったと後悔する。普通の人がただ自分の幸せを考えればいいところ、革命そのものであるロベスピエールはそういう個人的な幸せよりも人民の幸せを優先しなくてはならない立場になってしまった。ダントンたちは彼を犠牲にしたのだと。そこまでわかっていながらロベスピエールを助けたかったという、それは友達だから(言ったのはデムーラン)。もうここで号泣です。 この巻ではサン=ジュストもデムーランもダントンもみんなの思惑がはっきり見えて、その攻防に息を呑む。そしてロベスピエール。これまでずっと霧に隠れていたようだったロベスピエールの姿がようやくはっきり見えた、気がした。ただリュシュルがずっと好きだったってのはどうかなぁ。。。私はそこ、必要ないような気がするけど。なくても十分、感動できたんではないかと思うけど。 全巻通しておそらく最高の出来の第11巻。1793年12月のトゥーロン奪還から1794年4月14日、リュシュルの処刑翌日まで。いよいよあと1冊。
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「徳の政治」という題名から、素晴らしい世の中になったのか? と期待してよんでいたら・・・ エベールもデムーランも、そしてダントンまでも断頭台の露と消えてしまった。 ダントンの断頭台に向かう時の言葉が印象的。 フランス革命当時は、不幸で不満が鬱積していた。だから、蜂起が起きたけど、「今が幸せだから、それを失いたくないから、誰も立ち上がりやしないのさ」 革命のためという名目の為にあらゆる人を断頭台へ送ってしまう、ロベスピエールの最後を考えると暗くなる。
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ロベス・ピエールやダントンといったフランス革命たちのお話。序盤は各政党(色々な政党が本当にある)が自分たちの主義主張をしていたが、最終的に公安局の取りまとめたるロベス・ピエールが各政党を捕まえて断頭台で処刑する。断頭台が出てきてひとりひとりの首を切断する刑があることに戦慄した。1...
ロベス・ピエールやダントンといったフランス革命たちのお話。序盤は各政党(色々な政党が本当にある)が自分たちの主義主張をしていたが、最終的に公安局の取りまとめたるロベス・ピエールが各政党を捕まえて断頭台で処刑する。断頭台が出てきてひとりひとりの首を切断する刑があることに戦慄した。1780から90年代のフランスはそういう時代だったんだと心に感じた。今の僕からから考えると断頭台なんてありえない。革命に命を賭けて生きる男たちの話なんだけど、読んでいて単純にこんな時代に生まれず、今に生を受けて本当に良かったと思った。
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フランス革命の大河小説完結まで、いよいよあと2冊。革命の生き残り5人衆、ロベスピエール、デムーラン、ダントン、エベール、サン・ジュストらの5者1様の考えがぶつかりあって、大きなうねりを作り出す。最終巻へ向けての怒濤の展開。5人はいずれも「徳」の政治を実行しているはずなのに、相容れ...
フランス革命の大河小説完結まで、いよいよあと2冊。革命の生き残り5人衆、ロベスピエール、デムーラン、ダントン、エベール、サン・ジュストらの5者1様の考えがぶつかりあって、大きなうねりを作り出す。最終巻へ向けての怒濤の展開。5人はいずれも「徳」の政治を実行しているはずなのに、相容れないのが悲しい。 結局、革命が果たされたというのは後世の視点からであって、革命の中の当事者にとっては、どこまでもゴールのないレースを走らされているようなものだったんだろう。すでに国王やミラボー、マラーはリタイアし、エベール、ダンカン、デムーランも道半ばで倒れた。結果、最後まで走り切った者が到達した地点がゴールのはずだが、フランス革命ではそうじゃない。 その鍵を握るのが、本巻の冒頭で一瞬だけ登場するナポレオン。やはり最終巻はこの人の登場でエンディング?
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ビジネスに効く最強の読書で推奨された本。少々はずれかと感じた 革命の経緯と人間性の掘り下げが物足りなかった 革命を起こしたのも、自分が幸せになるためで、皆が幸せになるためじゃなかった。ああ、人間なんて、こんなものだ。 誰だって、自分と自分の家族のことしか考えないのだ
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ダントンもデムーランも断頭台の露と消え、残されたロベスピエールの命数とともに動乱の革命にも終わりが近づく。満ち足りたというほどでも無いが王政末期の失うものの無いドン底よりは落ち着いてきた民衆は革命よりも安定を求めだし、革命をもたらした闘志たちを次々と見捨てていく。 エロイカからパ...
ダントンもデムーランも断頭台の露と消え、残されたロベスピエールの命数とともに動乱の革命にも終わりが近づく。満ち足りたというほどでも無いが王政末期の失うものの無いドン底よりは落ち着いてきた民衆は革命よりも安定を求めだし、革命をもたらした闘志たちを次々と見捨てていく。 エロイカからパリ燃ゆ、そしてlesミゼラブルへとフランスの激動は結局のとこ終わらないのだが、まぁそれは別の話。
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ロベスピエールの独裁体制が確立し、反対派は次々に処刑されていく、フランス革命のクライマックスに突入してきました。今まではロベスピエールが圧倒的な力を持つ独裁者だと思ってましたが、本書では周りの人間に押されて仕方なくという感じで、独裁体制を敷いてしまった潔癖症の小心者という描き方を...
ロベスピエールの独裁体制が確立し、反対派は次々に処刑されていく、フランス革命のクライマックスに突入してきました。今まではロベスピエールが圧倒的な力を持つ独裁者だと思ってましたが、本書では周りの人間に押されて仕方なくという感じで、独裁体制を敷いてしまった潔癖症の小心者という描き方をされています。実際のところは判りませんが、革命の持つ熱に踊らされてしまって、本人が思いもよらないような事態にまで突き進んでいってしまうってのもありそうだなあ、などと色々考えさせられました。
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「革命」を終わらせないために、政敵を切り、仲間を切り、さらには友人を切り、自らの人間らしさも切り捨てていくロベスピエール。もともと臆病で、生真面目な性格の彼が、悩みながらも自らの拠り所として「革命」にすがりつき、極端に走っていく姿は生々しく悲劇的です。 11巻となる本書は、これ...
「革命」を終わらせないために、政敵を切り、仲間を切り、さらには友人を切り、自らの人間らしさも切り捨てていくロベスピエール。もともと臆病で、生真面目な性格の彼が、悩みながらも自らの拠り所として「革命」にすがりつき、極端に走っていく姿は生々しく悲劇的です。 11巻となる本書は、これまでの場面や人物も振り返りながら、とことんまで突き進んでしまう「革命」の姿を描きます。会話中心の文体で描かれる登場人物の姿は圧倒的な迫力。本シリーズの一つのクライマックスにふさわしい。
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