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小説フランス革命(11) の商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

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2013/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いよいよ粛清の嵐が吹き荒れるシリーズ11巻目。 続々語り部たちが退場していく寂しさとロベスピエールの孤独さがうまく描かれている。 あのダントンの最後の名言も一般的解釈とまったく意味が異なるのも作者の登場人物への愛の賜物でしょうか。 また、ロベスピエールの人間性を今になって前面に押し出すエピソードはちょっと後出しっぽいですが、最近ではロベスピエールの語りがなかったため、なんとなく納得しました。 これで、後の語り部はロベスピエールとサン・ジュストだけになりましたが、最終巻はどのように描かれるのでしょうか。 なんとなくルイ16世の語りだけで描いた自分の一押しの5巻のようにロベスピエールだけで語ってほしいです。

Posted byブクログ

2013/09/07

サン・ジュストの横暴ぶりが目に付く。史実はどうなのかは知らないけれど、ロベスピエールを神格化しているかのような感じ。庶民派がどんどん粛清されていくさまは正直キツイが、それも最後の革命の終結に向けた序章か。ロベスピエールこそが革命と言うダントンの言葉が深い。

Posted byブクログ

2013/08/15

語り手が次々と退場~エベールとその仲間が増長している。デムーランはこれを抑えるために,コンドリエ街の古株で攻撃に出ると,デシューヌ親爺の売れ行きも鈍った。公安委員会を牛耳るロベスピエールは友達だが,その取り巻きのサン・ジュストは若造にしか思えず,苦々しい。ジャコバンクラブ追放が決...

語り手が次々と退場~エベールとその仲間が増長している。デムーランはこれを抑えるために,コンドリエ街の古株で攻撃に出ると,デシューヌ親爺の売れ行きも鈍った。公安委員会を牛耳るロベスピエールは友達だが,その取り巻きのサン・ジュストは若造にしか思えず,苦々しい。ジャコバンクラブ追放が決議されても,ロベスピエールが取りなして取り消された。公安委員会がエベール派訴追を国民公会に提案して,ホッとするものの,ダントンは左が排除されたら,寛大派と称している我々も排除されるに違いないと言う。エベールは旗色が悪いと食糧問題で市民を動員しようとするが,人は集まらず,蜂起は失敗する。エベールも直感に危ういと告げられていたが,元女優に言い寄って成就の暁にはと決意するが,もう再起はあり得ない。革命裁判所でも抗弁も糞ったれ口調も出なかった。エベール派の粛正から,ダントンはロベスピエールと会談を持ったが,デュプレシ邸を訪れたデムーランは拒否される。デムーランがダントンに詰め寄ると,ダントンは引退してシャンパーニュに引き払うと言うが,デムーランにとっては,仲間を見捨てるダントンのやりかたに納得はできず,詰ってしまう。処刑から10日後,ダントン派は国民公会での告発なしで逮捕される。リュクサンブール監獄に集まった仲間を前に,ダントンはロベスピエールを救う戦いを始めるというのだ。裁判でもダントンは審理を中断しても,告発への反論,弁明を行い,訴追検事も判事も斥けるが,サン・ジュストは公判秩序維持の新法を成立させ,ダントンの口を封じる。有罪とする,死刑とする証拠がないことで躊躇する陪審員の前にロベスピエールが現れ,決断を哀願する。デムーランの妻は金を配ってサンキュロットを法廷に動員するが,それが脱獄を企てている元将軍らの蜂起の証拠とされ,デムーランも妻のリシュルも窮地に追い込まれる。リシュルを前にロベスピエールはカミューユと別れ,自分と結婚すべきだと愛を告白するが,リシュルは革命と結婚する気はないと断固拒否する。デムーランは妻も逮捕され,息子は孤児になると悲観するが,ダントンはロベスピエールの家の前で,お前も連れて行くと大声を出した。処刑人がルイ16世以来,二度目に掲げたのはダントンの首だった~ああ・・・あと一冊で完結だ。仮の題は革命の終焉。それしかないだろう。最初からの語り部だったデムーランが死んでしまって,途中から加わった汚い口調のエベールも処刑され,今やサン・ジュストとロベスピエールだ。彼らも消える運命。最後の語り手になるのは誰だろう。佐藤さんの偉いところは,人物の心情設定を細かくやっている処だと本当に感心する

Posted byブクログ

2013/06/29

2013年86冊目 革命はロビスピエールに革命たることを求め、それは他の誰にもできないことであった。ゆえに彼は孤独になった。

Posted byブクログ