白いしるし の商品レビュー
自分で理解していてもズブズブとのめり込んでしまう危険な恋。 個性的な登場人物も相まって共感は難しいが、恋に全力投球できる主人公に少し羨ましさのようなものも感じた。
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なすすべもなく恋に呑みこまれていくような夏目に、読みながらこちらも引きずり込まれる思いがする。 発する言葉や仕草のひとつひとつが、佇まいが、すべてが美しくて愛おしい相手・・・踏み込むべきじゃないと頭のどこかでサイレンが鳴っていても、どうしようもない。そんな恋を自分もしているかのよ...
なすすべもなく恋に呑みこまれていくような夏目に、読みながらこちらも引きずり込まれる思いがする。 発する言葉や仕草のひとつひとつが、佇まいが、すべてが美しくて愛おしい相手・・・踏み込むべきじゃないと頭のどこかでサイレンが鳴っていても、どうしようもない。そんな恋を自分もしているかのような。 「彼への愛情は増すばかりで、際限がなかったが、その底なしの先が怖かった。これほど深く感情を揺さぶられた相手には、いつか同等の憎しみが待っているような気がした」 夏目が深入りしてこなかった友人・瀬田にも、外からみれば一発で危ういと分かる感情がある。危うい恋を通り過ぎてきたばかりの夏目はそれを糾弾することも、否定することもできない。そのことが、かれらの中では、最上のやさしさのように思われる。 ただ「そうなんや」と相づちを返すだけのような、薄さと優しさが表裏一体となった関係・・・激情の奔流の後におかれたこの夏目と瀬田のパートは、本当は誰もが欲しているポケットのようなものかもしれないなと思った。
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久しぶりに西加奈子さんの作品を読みました。 西加奈子さんの作品は、とっても読みやすいのになぜか体力を使うので、なかなか読めていませんでした。 まだまだ積読が6冊くらいある。 それなのに、急に今日思い立って読み始め、5時間かからず読み切ってしまった。 この本は、言葉で感想を表す...
久しぶりに西加奈子さんの作品を読みました。 西加奈子さんの作品は、とっても読みやすいのになぜか体力を使うので、なかなか読めていませんでした。 まだまだ積読が6冊くらいある。 それなのに、急に今日思い立って読み始め、5時間かからず読み切ってしまった。 この本は、言葉で感想を表すことが難しい。 正直気持ち悪いなとかこうはなりたくないと思いつつも、でもそういう恋愛にむちゅうになるのってちょうたのしかったよね、みたいな。 私はもうそういうの、全部逃げて閉まっているだけなのかもなあと思ったり。 うんうん。面白かった。 西さんの書き方に憧れて小説を書いていた時期がありました。 また、書きたいなあ、って不思議と思いました。
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夏目の、終わりがみえている関係でも本能に負けて禁忌をおかしてしまう部分や、意中の相手を連想するもの・ことに執着している様子が、人らしく面白いと思った。
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恋愛小説、というものを、久しぶりに読んでる。 他に何を読んだことがあるのか、ほとんど浮かんでこない。夏目漱石の『こころ』が浮かんで、ちょっとびっくりした。中学生以来、読んでないのに。 私にとって、恋愛小説、というのは、その言葉からはもっとワクワクドキドキさせてくれる甘いお菓子...
恋愛小説、というものを、久しぶりに読んでる。 他に何を読んだことがあるのか、ほとんど浮かんでこない。夏目漱石の『こころ』が浮かんで、ちょっとびっくりした。中学生以来、読んでないのに。 私にとって、恋愛小説、というのは、その言葉からはもっとワクワクドキドキさせてくれる甘いお菓子のようなものを連想しがちなのだけど、実際はなかなか読み手を抉ってくるなと思う。 臆病で自分だけが可愛くて、ただただ外の風を防御して内にこもっていた幼い頃の恋愛を思い出した。あの時はあの時で必死だったけど、果たしてあれは「人を好き」と言える代物だったのかと思ったり。相手が見えていたのだろうか。 自分の中の何かと反応して、昔を思い出したりしながら、読んでいます。
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人それぞれ恋の方法は違うけれど、どれもその人にとっては大切な恋。失恋が怖くて遠ざけていても好きになってしまう…夏目の気持ちがわかる気がします。恋は辛く悲しい事もあるけど、夏目のように全力で頑張ろうと思える人に出会えた事は、幸せな事だなって思います。
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まっさらな心は恋をすることで色味を帯びていく。 決して美しい色ではないかもしれないし、消すことの出来ない色もある。 夏目の心は自身の絵と同じように今までの恋愛によって沢山の色で埋められてたんだと思う。 それが間島の白によって全て塗り替えられた時、夏目はきっと興奮を抑えきれないと同...
まっさらな心は恋をすることで色味を帯びていく。 決して美しい色ではないかもしれないし、消すことの出来ない色もある。 夏目の心は自身の絵と同じように今までの恋愛によって沢山の色で埋められてたんだと思う。 それが間島の白によって全て塗り替えられた時、夏目はきっと興奮を抑えきれないと同時に不安で不安でたまらなかったんじゃないかな。 全身で傷ついて泣いて喚いても、人間は誰かに惹かれることをやめられない。 忘れることなんて絶対に出来ない。 それでもまた全身でぶつかって前に進んでくしかないんだなって物語中の夏目達の姿を見て思った。
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パケ買いしたんだけどよかった 何が良かったかうまく言語化できないけど、自分の感情に素直に生きている主人公にとても惹かれた
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鼻を折られた塚本美登利とたんこぶの夏目が二人きりで話し合う病室。 そこにこの物語の全てがある。 一途さ。男には書けない
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西加奈子さんの小説、2冊目 (1冊目は「夜が明ける」) 「夜が明ける」に比べて、小説としてあまりにも未熟で、描写不足が多発している。 短いので最後まで読んでしまったけど… 人物のキャラ設定がふわふわしていて感情が理解しにくい。例えば主人公、泣きすぎだし、まあそれは良いとして、泣...
西加奈子さんの小説、2冊目 (1冊目は「夜が明ける」) 「夜が明ける」に比べて、小説としてあまりにも未熟で、描写不足が多発している。 短いので最後まで読んでしまったけど… 人物のキャラ設定がふわふわしていて感情が理解しにくい。例えば主人公、泣きすぎだし、まあそれは良いとして、泣いた理由がわからなすぎ。 ただ自分自身も同じような経験をしてきたので、それは懐かく思い出したり。 恋愛にがっつりぶつかってしまう(交通事故のように、避けられないのよね〜、とほほ)感じとか 異様にモテてる異性となんか全然男女の仲にならずに仲良くしているとか そんな異性の全然知らなかったことを突然知ることになるとか 年齢差のある同性と恋愛トーク中に妙な仲間意識が生まれるとか それにしても前作に続いて 若い主人公が夏の暑い中アパートに引きこもる、 という描写があるけど、これはなにか意味があるのかな?
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