1,800円以上の注文で送料無料

高野聖 の商品レビュー

4

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/12/27

美しい文章と精緻なストーリー、独特な世界観と人間観、後の文豪たちが鏡花を崇拝する理由がわかりました。文語体で読むのは骨が折れましたが、それをする価値がありました。

Posted byブクログ

2024/12/16

幻想的で艷やかな文体で綴られる短編集。漢字が多くて難しく感じたが、それでも耐えて読んでみると作中の風景がありありと目に浮かんでいた。『夜行巡査』がお気に入りかも。

Posted byブクログ

2024/10/29

親が小説の面白さをを理解した作品としておすすめされたので読んだ。 眉かくしの霊を読んだ後の気持ちを、40年前の親も味わったんだなと重なりを感じて不思議な気持ちになった。

Posted byブクログ

2024/09/14

どの小説も、情景描写が繊細で読んでいてとても惹かれるものがありました。特に後半二つの高野聖と眉隠しの霊は、とても読みごたえがありました。 私の故郷の地名も登場していたので、想像しながら読み進めることもできてとても楽しかったです!

Posted byブクログ

2024/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『義血侠血』『夜行巡査』『外科室』『高野聖』『眉かくしの霊』。義血侠血、夜行巡査あたりが観念小説? 義血侠血はあんなに尽くしたのにな…という思いになっちゃった。夜行巡査の融通が利かない四角四面なところより、老人の執着にびっくりしちゃった…。外科室は他の短編集で読んだけど、一度見ただけの相手をそこまで…?怪談話でも鏡花は高尚で八雲は身近というイメージ。

Posted byブクログ

2023/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自己の信念を貫く人物を描く「義血侠血」「夜行巡査」「外科室」、幻想的な「高野聖」「眉かくしの霊」の計5編を収録。 泉鏡花の文章は、言葉づかいこそ難しいが、講談のようなリズム感が気持ちいい。 どれも面白かったが、強盗に所持金を奪われて窮した滝の白糸が、豪邸に押し入り夫人を殺害する場面の凄惨さが特に印象的だった。(「義血侠血」)

Posted byブクログ

2023/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・義血侠血 ・夜行巡査 ・外科室 ・高野聖 ・眉かくしの霊 泉鏡花の代表的な作品が収録されていますが、どれも初読みです。 泉鏡花といえば耽美的な作品(「高野聖」「眉かくしの霊」が有名ですが、どちらかというと私は思いがけない純情がほとばしる「義血侠血」や「外科室」が好みでした。 永井荷風が好きそう。 「外科室」は読んだことがなくてもどんな作品か、ということは知っていました。 手術の麻酔で朦朧としたまま秘密を口走ることを恐れて、麻酔を拒否する貴族の女性。 この設定で想像していたのは、医師や看護師の白衣や、手術台の上に灯されている無影灯、血の気の失せた青白い患者の顔など、白く冷たい光景。 そして、秘密の漏洩を怖れる貴族のプライド。 ところが、熱いんですよ、彼女の心情が。 夫がいようと子どもがいようと止めることのできない思いにずっと蓋をしてきたのでしょう。 そして最後まで蓋をすることを決めていたのでしょう。 そのきっかけが、そんな些細なところにあったなんて。 ストーリーを知っていても、読まないかぎりは作品を知ったことにはならない。 あらすじで知る名作なんて、くそくらえ、だ。 そして、この本を読むまで全く知らなかった「義血侠血」が良かった。とても。 父の死で学校を諦めざるを得なかった、法学士志望の乗合馬車の御者の青年。 美貌と気っ風のよさで人気の女芸人(お笑いではない)。 ひょんなことから知り合ったふたり。 彼女は彼に夢を託す。 平凡な幸せという夢を。 そのため、彼の学生生活を援助し、彼の母親の面倒を見る。 ところがそんな生活もあと一年、という時に事件が起こる。 そうなつもりはまったくなかったのに、坂道を転がり落ちるように罪を重ねてしまう彼女。 とはいえ証拠のないことで、しらを切りとおす。 そんな時、彼女が支援してきた彼が、彼女の目の前に現れる。 ああ、何でこんなことになってしまったんだろう。 自分のできる範囲で、精一杯生きてきたのに。 彼と彼女は出逢わないほうが良かったのだろうか。 いや、不幸ではないが幸せでもない人生より、一瞬でも幸せだった方が良かったのだろう。 彼女は彼に感謝しながら本当のことを告げたのではないだろうか。 川上音二郎が「滝の白糸」として舞台化。

Posted byブクログ

2020/09/10

明治に書かれた作品だけあって、ふりがなが付いていても読むのはなかなか難解。でも、それ以上にストーリーの面白さと、テンポの良さが勝っていて、気づいたらあっという間に読んでいた。 どの話にも、艶めかしく妖しげな女性と、ちょっと不器用な男が出てきて、絡みもつれる情緒のやり取りが良い。...

明治に書かれた作品だけあって、ふりがなが付いていても読むのはなかなか難解。でも、それ以上にストーリーの面白さと、テンポの良さが勝っていて、気づいたらあっという間に読んでいた。 どの話にも、艶めかしく妖しげな女性と、ちょっと不器用な男が出てきて、絡みもつれる情緒のやり取りが良い。 人間の脆さ、危うさが摩訶不思議なストーリーに組み込まれた鏡花ワールドには、独特の読了感がある。

Posted byブクログ

2020/07/23

すぐ死のうとする。 この時代は命に対する感覚が違ったのだろうな。 表題作の高野聖より、冒頭の義血俠血でやられちゃった。 そんなんアリ?という感覚。

Posted byブクログ

2019/08/22

鏡花の文は普段読みなれているものとは少し違うので、とにかく最初は戸惑った。だが少し読み進めるとこのリズムがとても心地よく、無駄のない美しい文章が紡ぎだす情景に虜になった。「義血侠血」の叫び出したいほどのやるせなさ、「外科室」のラスト一行を理解してじわじわと噛み締める余韻。「高野聖...

鏡花の文は普段読みなれているものとは少し違うので、とにかく最初は戸惑った。だが少し読み進めるとこのリズムがとても心地よく、無駄のない美しい文章が紡ぎだす情景に虜になった。「義血侠血」の叫び出したいほどのやるせなさ、「外科室」のラスト一行を理解してじわじわと噛み締める余韻。「高野聖」「眉かくしの霊」この世とこの世ならざるものとの境界が艶やかな女性とともに表現される薄ら寒さ。耽美的美しさは内容だけでなくこの文章からも匂い立つのだろう。気づくと三度目の再読をしていた。鏡花の世界から戻れなくなったかと思った。

Posted byブクログ