ヒトの心はどう進化したのか の商品レビュー
「サピエンス全史」を読む前の肩慣らしのような感覚で読んだ。 人間の脳が300万年間の石器時代-狩猟採集時代に最適化されたスペックのまま、かくも複雑で大規模な社会を(問題は多いながらも)何とか運営しているのはすごいことだと改めて思う。
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ラスコーの洞窟などに書かれた壁画は、社会の教科書で見る限りは、小さな落書きかと思っていたが、実際にはヒトの身長の何倍かの高さに描かれた大きなものだった。いったい、誰が、何の目的で、どうやってそんなものを描いたのか。男女の差は、我々の祖先が狩猟採集生活を送っていた数万年から数百万年...
ラスコーの洞窟などに書かれた壁画は、社会の教科書で見る限りは、小さな落書きかと思っていたが、実際にはヒトの身長の何倍かの高さに描かれた大きなものだった。いったい、誰が、何の目的で、どうやってそんなものを描いたのか。男女の差は、我々の祖先が狩猟採集生活を送っていた数万年から数百万年の間に培われたものだった。いくらこれだけ環境が大きく変化している時代と言えども、ヒトの運動能力、つまり脳のしくみはそれほど一気に変化するものでもないのだろう。ヒトをヒトたらしめているもの、それがいわゆる「心の理論」というものだろう。相手の気持ちや、相手のおかれた立場を理解できる能力。それは、4、5歳ころから身につくものという。それ以前は、まだヒトとは呼べないのかもしれない。「心の理論」があるからこそ、ヒトは文学を楽しむこともできる。登場人物に感情移入ができる。演劇や映画も同じことだろう。この当り前と思っていることが、他の動物にはできない。人間独自の能力なのである。こうしたことをきちんと理解していくことで、ヒトはいかにヒトになったかが分かってくるのだろう。
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ヒトの心的特徴をヒト以外の生物との比較の中で的確に指摘し、その進化的背景をまとめた書籍。心的特徴といっても、運動や形態とも関係があることが多いので、生物としてのヒトの特徴とその進化をわかりやすく紹介した本だと言える。やや総花的なきらいはあるが、教科書的な意味でよくまとまっている。...
ヒトの心的特徴をヒト以外の生物との比較の中で的確に指摘し、その進化的背景をまとめた書籍。心的特徴といっても、運動や形態とも関係があることが多いので、生物としてのヒトの特徴とその進化をわかりやすく紹介した本だと言える。やや総花的なきらいはあるが、教科書的な意味でよくまとまっている。ひとつひとつの特性については記述が淡白で少し物足りないが、教科書として使うには悪くない。
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内容はほぼ自分が翻訳した書籍の要約。この分野の入門編としても、要約以上の価値は無い。むしろ、まとめ方が下手で科学的な面白さを半減させている。著者のあとがきにも有るように、原稿の方向性が定まらず、ボツになった原稿も有るようだ。要約して本を書くのはやめたらどうか。
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「生物」としての「現生人類の出現」について興味があって、手っ取り早く読めそうだったので手に取りましたが、思っていたのとは違い、すでに「サル」から分かれた私たち「ヒト」が、どのように「進化」してきたのかを「心の進化」という側面から分かりやすく解説した本でした。(タイトルの通りです。...
「生物」としての「現生人類の出現」について興味があって、手っ取り早く読めそうだったので手に取りましたが、思っていたのとは違い、すでに「サル」から分かれた私たち「ヒト」が、どのように「進化」してきたのかを「心の進化」という側面から分かりやすく解説した本でした。(タイトルの通りです。私の勘違い) でも読んでよかった。頭の悪い私でも理解しやすく、食いつきやすく、おもしろい。 世界各地、民族が違ってもなぜか共通する子どもたちの遊び。 なぜ、人間は他の生物とちがい、一人前になるのに時間がかかるのか? (歩くだけでも約1年かかる!) なぜごく幼い頃の記憶がないのか(あいまいなのか)? そんな数々の疑問にも目からウロコの解説。 「あー、なるほどなー…!!」でいっぱいでした。 個人的には「イヌ」の進化についての部分に感動。 やっぱり犬は特別だったんだな。 道理で「しゃべる」と思った!
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高校生や大学1〜2年生のような初学者が読むのにちょうど良い。文献リストがしっかりあって、いくらでも進んでいけそう!便利! だけど、私には少し物足りない。もう一歩進んだところまで、知りたかった。著者の興味関心や考えが知りたかった。
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≪目次≫ はじめに 第1章 ヒトをヒトたらしめているもの―ヒトの6大特徴 第2章 狩猟採集生活が生んだもの―家畜、スポーツと分業 第3章 ヒトの間で生きる―ことば、心の理論とヒトの社会 ≪内容≫ 今までにない視点の本かもしれない。第1章にあるように、ヒトとは何か、から始ま...
≪目次≫ はじめに 第1章 ヒトをヒトたらしめているもの―ヒトの6大特徴 第2章 狩猟採集生活が生んだもの―家畜、スポーツと分業 第3章 ヒトの間で生きる―ことば、心の理論とヒトの社会 ≪内容≫ 今までにない視点の本かもしれない。第1章にあるように、ヒトとは何か、から始まって、狩猟採集生活の中でヒトが生みだしたものを述べ、ヒトの心(心も他の動物にないもの)を説いていく。 著者は心理学者だが、海外の文献の翻訳が多いそうで、何か海外の科学読み物を読んだ感じである(意外と緻密で、初見の話が多い)。こうした他の領域をまたいで書いた読み物は本当に面白い。
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