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すばらしい新世界 の商品レビュー

3.9

99件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2026/03/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ディストピア小説に挑戦中で、これはジョージ・オーウェル『1984年』の次、2冊目に選んだもの。 『1984年』よりも古いのに、西暦2540年を描いているから?今の社会と比べる感覚で読めるのが良かった。コミカルでおもしろくて不気味! 家族、老い、苦痛、忍耐がない世界。「母親」が卑猥な意味になる世界(なぜなら人は母体ではなく瓶で作られるから。妊娠と出産は卑猥でグロテスクなものとされる) 「条件づけ」や「睡眠学習」によって管理下で育つ人々は、恋愛や特定の人への執着はせずフリーセックスを楽しむ。新しい清潔なものだけを好む。出自や身分に不満を抱かない。死を重大なことと捉えない。達成感や感動を機械的に獲得できるよう、娯楽のシステムが整備されている。 現代的な、特に都心部の、気楽さと心地よさが極端に振れると実現しそうな世界にぞわぞわしながら読み終えました。

Posted byブクログ

2026/01/26

 ジョージ・オーウェルの「1984年」と同じくらいの怖い世界での話でした。自然出産が禁じられて人工子宮により「人間を製造する」という表現だけで怖くなりました。さらに、胚の段階で知能別に5段階に階級を分けて、「ソーマ」という快楽物質を飲むことで不安から解放されると言われています。 ...

 ジョージ・オーウェルの「1984年」と同じくらいの怖い世界での話でした。自然出産が禁じられて人工子宮により「人間を製造する」という表現だけで怖くなりました。さらに、胚の段階で知能別に5段階に階級を分けて、「ソーマ」という快楽物質を飲むことで不安から解放されると言われています。     「幸福が管理されると、人間の尊厳を失うんだよ」と作者はこのディストピア世界の危険性を伝えたかったのかもしれません。  面白い小説でしたが、自分はこのような世界では生きられないと思っています。

Posted byブクログ

2026/01/13

あんまり面白くなかった。何十年も前の人が頑張って想像した未来世界、という印象。瓶詰めの人間とか、タクシー代わりのヘリコプターとか、そういう小道具の一つ一つが絶妙に芋臭い感じ。同じSFというだけで並べて比べるのは酷かもしれないけれど、もっと後の時代に書かれた『ニューロマンサー』とか...

あんまり面白くなかった。何十年も前の人が頑張って想像した未来世界、という印象。瓶詰めの人間とか、タクシー代わりのヘリコプターとか、そういう小道具の一つ一つが絶妙に芋臭い感じ。同じSFというだけで並べて比べるのは酷かもしれないけれど、もっと後の時代に書かれた『ニューロマンサー』とかのSFに比べて、ディテールやアイテムのスマートさが全然洗練されていない。時代が時代なのでしょうがないですね。 ハクスレーと言えば「知覚の扉」のフレーズの人だと認識してた。ウィリアムブレイクとやらが記した〈知覚の扉が清められた時…〉というのを、ジムモリソンが引用してバンドの名前にしていたけど、ハクスレーも同様のフレーズを引いて、幻覚剤による知覚の拡大とやらを称賛したんだったよな……というのを前提知識として持っていた。 そちらの著作は個人の内的世界について掘り下げる評論文のはずで、そのハクスレーがディストピアものという、社会に目を向けた小説を書いてたというのは初めて知ったので読み始めたものです。 野蛮人ジョンが会話の大半をシェイクスピアの引用で構成してるとこだけちょっと面白い、笑える。記憶力が抜群すぎるだろ。

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2025/12/29

紹介文のとおりディストピアを描いたSF。 人類の全ての負の部分を無くした世界(全人類が幸せな状態の世界)を描いており、物語全体としては大きく動くものではないが、なんともいえない読了感が魅力的に感じた。 読了後しばらくは頭に残ると共に、所謂普通の世界を再認識させられるところがあるの...

紹介文のとおりディストピアを描いたSF。 人類の全ての負の部分を無くした世界(全人類が幸せな状態の世界)を描いており、物語全体としては大きく動くものではないが、なんともいえない読了感が魅力的に感じた。 読了後しばらくは頭に残ると共に、所謂普通の世界を再認識させられるところがあるのもおもしろいと思った。

Posted byブクログ

2025/12/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前半では社会のあり方やそこに生きる人の価値観を描き、後半ではその社会を外部から観察した際の違和感を野蛮人ジョンの視点から分かりやすく描いている。 苦悩や障害を超えることで得られる達成感が重要である、というジョンの主張のもとにディストピア社会を批判しているが、自分は社会に馴染めるタイプだろうなあと思いながら読んだ。苦労せず短絡的な快楽を得たいという思想と、何かを乗り越える過程にこそ意味があるという思想は優劣のつくものではなく、この作品でいうところの条件づけ次第で好むものが変わるという話なんだろう。 1984年は寡頭政治のトップが権力を握り続けること(権力は権力のために存在し続ける)を目的に社会を維持するのに対し、素晴らしい新世界では安定性とそのための民の幸福を目的として社会維持を行っているという差が大きなポイントだと思う。1984年を読んだ時と比べ興奮が小さかったのは、登場人物を通して感じられる社会の絶望感がそこまで強くなかったからだと思う。この社会では適合できなければ島に送られ同じ特性を持つ人間と暮らすこともできるし、そもそも社会の中にあって幸福度が高く抑圧されていない(一部の人間を除いて)。そういう意味で、ディストピア小説に求めるものを現代風な言葉で言うなら、キャラクターの曇らせなのかもしれない。感じたいのは絶望的な社会の完全性とそれによって与えられる絶望で、それを感じるためには抗うキャラクターが必要だから。曇らせというワードで考えてみると、ディストピア小説を書くのに必ずしもシリアスな空気は必要なく、分かりやすい社会の描写とそれに相対するキャラクターがいればいいという話だし。雰囲気はポップだけど中身はガチガチのディストピア小説とかあるのかもしれないし読んでみたいな〜。

Posted byブクログ

2025/11/25

すべてが「良い」とされ、誰もが「幸福」である状態を維持するために社会全体が作り込まれた世界の異常さを描いた小説。人々は階級ごとに分けられ、生まれた瞬間からその階級を幸福だと感じるよう教育される。家族という概念は下品なものとされ、人は人工的に生み出される。どの階級になるかも操作され...

すべてが「良い」とされ、誰もが「幸福」である状態を維持するために社会全体が作り込まれた世界の異常さを描いた小説。人々は階級ごとに分けられ、生まれた瞬間からその階級を幸福だと感じるよう教育される。家族という概念は下品なものとされ、人は人工的に生み出される。どの階級になるかも操作され、人口比率は厳密に保たれる。死はあっても老いはなく、性行為は恥じらいなく行う習慣とされる。悩みがあれば「ソーマ」という錠剤を飲めばよく、それで精神は安定する。だから表面的には誰も悩まず、社会は安定している。 悩みや不安が排除された世界では、宗教や神話、芸術は必要ないものと扱われる。科学も統制の範囲から外れないよう制限される。新しいものが善とされるのも同じ理由で、消費を進めることが社会の安定につながると考えられているからだ。 物語の中盤で「新世界」の外から来た「野蛮人」が登場する。彼が世界統制官にこの社会の異常さを訴える場面が印象に残った。 「快適さなんて欲しくないです。欲しいのは神です。詩です。本物の危険です。自由です。美徳です。そして罪悪です」「要するにきみは」とムスタファ・モンド(世界統制官)は言う。「不幸になる権利を要求しているわけだ」 このやり取りを読んだとき、『世界99』の一節を思い出した。「かわいそうなことは、素晴らしいですよね。僕、たぶん、将来、それって娯楽になると思うんです。」 書かれた時代は全く異なるが、全体主義的な幸福の形や階級制度など、両作品には通じるところが多いと感じた。

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2025/10/12

常識や価値観にギャップがある者同士の関わりを俯瞰して見ると、ここまで狂気的に映るのだなと思った。その上で、バーナードやレーニナたちの住む世界は全てが非常に効率化されている一方、心のつながりがかなり希薄になっているのが興味深かった。読者である僕たちの住む世界もどんどん効率化されてい...

常識や価値観にギャップがある者同士の関わりを俯瞰して見ると、ここまで狂気的に映るのだなと思った。その上で、バーナードやレーニナたちの住む世界は全てが非常に効率化されている一方、心のつながりがかなり希薄になっているのが興味深かった。読者である僕たちの住む世界もどんどん効率化されていっていて、その行く末を見ているかのようだった。どちらが正しいのか僕にはわからないけれど、心のつながりを無くした世界は少し寂しい気もする。

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2025/08/18

え、これ100年近く前の小説って ちょっと待ってよ 人間が大量生産される未来 そこは幸せしかないユートピア 不満も孤独も執着も病気もない 死の恐怖も消されてる 睡眠学習による洗脳で 老いや不潔を嫌悪 不調は早めの薬で治し ゴルフなどのスポーツ最高 余暇には映画や旅行を楽しむ ...

え、これ100年近く前の小説って ちょっと待ってよ 人間が大量生産される未来 そこは幸せしかないユートピア 不満も孤独も執着も病気もない 死の恐怖も消されてる 睡眠学習による洗脳で 老いや不潔を嫌悪 不調は早めの薬で治し ゴルフなどのスポーツ最高 余暇には映画や旅行を楽しむ おいおい いま私がいる世界は すでにユートピアではないか しかも不満はないです 今を楽しむのは良い事だと思います モラルに縛られ 欲に潔癖なジョンを生きづらそうな 変な人と思ってしまいます すでに 条件付けされている 新世界に住むわたし

Posted byブクログ

2025/08/18

再読。ユートピアとディストピアの違いは何かを考えさせられる。時代はフォードが大量生産を始めた頃を始めとするフォード紀の後の世界。その世界では瓶で子供が生殖され、人間同士が生殖行為によって子供を作るなど野蛮な原始人のような行為とみなされている。 さらに洗脳教育および階級付け、ソー...

再読。ユートピアとディストピアの違いは何かを考えさせられる。時代はフォードが大量生産を始めた頃を始めとするフォード紀の後の世界。その世界では瓶で子供が生殖され、人間同士が生殖行為によって子供を作るなど野蛮な原始人のような行為とみなされている。 さらに洗脳教育および階級付け、ソーマといった快楽を得る薬物の存在。かなり前の小説であるものの、ユートピアを実現するための手段を、用意周到に練って考えられていることに驚く。 上記の技術自体、倫理的な観点を考えなければ実現可能であると想定されるし、倫理など世論でいくらでも変わる。例えば、少子化がこのまま進み続けて子供を人間が持つことへの意味がなくなってきたら、本小説のように瓶詰めで人工生殖が普通になるかもしれない。 それの何が悪いのか?と言われた時、悪いとは言い切れないところに面白さがある。SFの良いところは、こうした既存の善悪を取っ払い、空想の世界を考えるところにあるなと改めて感じた。

Posted byブクログ

2025/08/21

グーテンベルク版をKindle Unlimitedで読んでみる。古典的なSF小説。ユートピア小説であるが、やっぱり興味が続かなくて、解説だけ読んで積ん読状態に。

Posted byブクログ