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親鸞 激動篇(上) の商品レビュー

3.7

28件のお客様レビュー

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2017/03/28

本巻では、越後に流刑となった親鸞の姿を、ドラマティックに描いています。 著者は、外道院金剛という法力の持ち主を登場させて、専修念仏を説く親鸞の姿が対比的に描かれています。エンターテインメント性の強い作風なのはもとより承知していたのでいっこうに気になりませんでしたが、鎌倉時代の信...

本巻では、越後に流刑となった親鸞の姿を、ドラマティックに描いています。 著者は、外道院金剛という法力の持ち主を登場させて、専修念仏を説く親鸞の姿が対比的に描かれています。エンターテインメント性の強い作風なのはもとより承知していたのでいっこうに気になりませんでしたが、鎌倉時代の信仰を近代的なヒューマニズムに切り縮めてしまうことには、多少の違和感を覚えてしまいます。 とはいえ、親鸞が7日間に渡るぶっ続けの雨乞いをおこない、そうした彼の信仰の姿勢が庶民の心を打ったという展開は、エンターテインメント性を重視する小説家としての努力も理解できるので、どのように評価すればよいのか迷うところです。蓮如が主人公であれば、こうした多少とも「あざとい」ストーリー展開でもまったく平気だったのでしょうが、親鸞には、その思想のみならずその人物にも、私たちのヒューマニズムに基づく理解を峻絶するような何かがあるような気がするので、こうした分かりやすい親鸞像には不満を感じてしまうことも否定できないように思います。

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2016/05/29

越後に到着してから雨乞法要が終了するまで。越後出身の恵信尼が親鸞の唯一の妻女という設定。外道院や長治、鉄杖など魅力的な登場人物が出てくるがかなり駆け足気味で激動というよりも激流、あれよあれよというまに流されてしまっていて、親鸞なにやっとんねん、と突っ込みたくなる。地方に根付いた原...

越後に到着してから雨乞法要が終了するまで。越後出身の恵信尼が親鸞の唯一の妻女という設定。外道院や長治、鉄杖など魅力的な登場人物が出てくるがかなり駆け足気味で激動というよりも激流、あれよあれよというまに流されてしまっていて、親鸞なにやっとんねん、と突っ込みたくなる。地方に根付いた原始信仰の中に新しい宗教がはいっていく難しさを感じさせてくれてとても興味深い。

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2016/05/05

親鸞続編。そうそう、受刑して北陸送りになったところなのでした。新たな宗教家が出てきて、心から迎合することは出来ないながらも、その世界観を通じて新たな境地へ、って流れ。政治との絡みとか、祈祷とかを通じ、俗世間との距離感みたいなものが浮き彫りになってきている印象。直属の弟子とか、養子...

親鸞続編。そうそう、受刑して北陸送りになったところなのでした。新たな宗教家が出てきて、心から迎合することは出来ないながらも、その世界観を通じて新たな境地へ、って流れ。政治との絡みとか、祈祷とかを通じ、俗世間との距離感みたいなものが浮き彫りになってきている印象。直属の弟子とか、養子とか、親鸞ファミリー的なものも次第に形成されつつあって、このあたりの人脈とか、上記の経験とかが浄土真宗へと繋がっていくのでしょうか。

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2016/01/19

エンタメ性というかファンタジー?性が強い… 『親鸞』はよかったし、実際にあった逸話みたいなのを期待してたので、期待ハズレ。下巻は読まなくていいかな〜

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2015/06/07

友達から借りた本 初親鸞で初五木寛之作品。 ずっと気になっててようやく読めた。思ってたより読みやすく面白かった。どこまでが史実でどこまでが小説なんだろう。結構エンタメ小説っぽかった。あ、だから読みやすいのか。

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2013/11/14

先に著者が上梓した「親鸞」は親鸞の生い立ちが分かって勉強になった。本激動篇は親鸞の生き方考え方を知ることを期待したが、上巻を読んだ限りではまだ良く分からない。また小説の物語としては少し面白みに欠ける。下巻の結末に期待したい。

Posted byブクログ

2013/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

念仏に求められるものが、地方に流されたことで違ったものになった。 人は生きるためには殺生せずにはいられない悪人であるという前提で、底辺に暮らす人々がその業を背負う仏であるという解釈は、悲惨な境遇の人を、本人の、前世の、先祖のせいにしがちな人民にとって、どこか救いのある考えに思えた。自らを生き仏としたあたり、権力を欲した外道院の限界であるように思う。 念仏は仏にご利益を依頼するものではない。しかし、「世のならい」という法然の教えと、目の前で違うことを人々に納得させるため、親鸞は雨乞いを決意する。一番の動機が「捨身」であることに気づき、念仏にふける親鸞は、これまでとはまた考え方が滲んでいて、やはり修行者であると気づかされる。 念仏の意味が民衆に伝わったかはわからないが、結果だけを見て民衆が激怒しなかったあたり、小さな問いかけは成功したと思う。 『雨を乞うための念仏ではない。仏の姿を観るためでもない。わが身の極楽浄土を願う念仏でもない。自然に体の奥からあふれでてくる念仏である。』

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2013/10/25

京都から流罪となり越後で暮らす親鸞。流罪といっても妻の恵信もいるし、念仏に対しての悩みは尽きないけれど、それほど過酷な生活ぶりじゃない割と普通なのが意外。成り行きで助けた百姓の娘が神懸りになったり、親鸞の雨乞いが成功したりと、相変わらずエンタメ要素が抱負でリアルっぽくないというか...

京都から流罪となり越後で暮らす親鸞。流罪といっても妻の恵信もいるし、念仏に対しての悩みは尽きないけれど、それほど過酷な生活ぶりじゃない割と普通なのが意外。成り行きで助けた百姓の娘が神懸りになったり、親鸞の雨乞いが成功したりと、相変わらずエンタメ要素が抱負でリアルっぽくないというか、重みがないというか、読みやすいけど(笑)。

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2013/08/28

前章を読ませた力に比べ、やや萎れたような印象。 新聞連載故仕方ないのかもしれないが、同じ解説の繰り返しが多すぎるのも疲労感を助長したか。 これはタメだと信じ、次章(完結章かな?)では大きく弾けることを期待する。

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2013/08/16

2013.08.14 上巻読了 翌15日 下巻読了 いよいよ親鸞が親鸞になるという過渡期を描いた3部作の第2弾。 一部同様大変面白かったが、エンタメ的な事件度でいえば一部に軍配。 二部はほぼラストの唯円が出てきたところが個人的ツボ。 3部も楽しみだ。 唯一気になったのは、1部...

2013.08.14 上巻読了 翌15日 下巻読了 いよいよ親鸞が親鸞になるという過渡期を描いた3部作の第2弾。 一部同様大変面白かったが、エンタメ的な事件度でいえば一部に軍配。 二部はほぼラストの唯円が出てきたところが個人的ツボ。 3部も楽しみだ。 唯一気になったのは、1部の登場人物が再登場しすぎな点か。本当にそうだったのかもしれないが、なんとも。

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