兄 かぞくのくに の商品レビュー
日本に住む在日朝鮮人の家族の元に、北朝鮮に住む兄が脳の腫瘍を治すためにやってくる話です。 北の行動は本当に人権を無視しています。 逃亡しないように監視が付きまとうし、家族も周りの人たちもみんな嫌な思いをしますし、手術が難しいとわかった段階で北に帰らせようとするし、メチャクチャです...
日本に住む在日朝鮮人の家族の元に、北朝鮮に住む兄が脳の腫瘍を治すためにやってくる話です。 北の行動は本当に人権を無視しています。 逃亡しないように監視が付きまとうし、家族も周りの人たちもみんな嫌な思いをしますし、手術が難しいとわかった段階で北に帰らせようとするし、メチャクチャです。 ただ、そういう国が存在していることも事実ですし、子が親を選べないように、国を選べない人たちにとって、本当の意味での自由は手に入らないのかもしれません。 自分は日本人ですが、日本という国は本当に恵まれているなと実感しました。
Posted by
やっぱり現実は、想像を超える。 日本人拉致被害者も大変だとは思うが、在日の人たちは、帰国しても日本にいても大変だということがよくわかる。 映画化もされたみたいなので、機会があったら観てみたい。 この後引き続き「朝鮮大学校」を読む気になった。
Posted by
一年ほど前に映画をCSで観て原作がある事を知り、読むに至る。 映画はどうしても時間の都合があったりで飛ばし飛ばしになるが、原作は詳細に書かれている。 ヨンヒさんの文章はとても読みやすくて、難しい内容だけれどスラスラと頭に入ってくる。そして、身内の事をここまであからさまに書いてく...
一年ほど前に映画をCSで観て原作がある事を知り、読むに至る。 映画はどうしても時間の都合があったりで飛ばし飛ばしになるが、原作は詳細に書かれている。 ヨンヒさんの文章はとても読みやすくて、難しい内容だけれどスラスラと頭に入ってくる。そして、身内の事をここまであからさまに書いてくださったヨンヒさんにも感謝したいし、これはヨンヒさんでなければ書かなかっただろう。 地上の楽園と謳われて北朝鮮の帰国事業に従事した、3人の兄。その中身を覗いてみれば、矛盾に次ぐ矛盾と己の思考を停止させることが生きることで、成分(身分)と金が物をいい、国を挙げてのプロパガンダ活動等々、市民の生活全てをがんじがらめにさせられる。一体、何人の朝鮮出身者がそれを信じて帰国し、本人とその家族に理不尽な世界を強いられたのか。。
Posted by
2015年58冊目。 ヤン・ヨンヒ監督の映画『かぞくのくに』の原作。 朝鮮総連幹部の両親を持つヨンヒの兄3人は、当時「地上の楽園」と歌われた北朝鮮への帰国事業によって日本を離れる。 それぞれの兄とのエピソードの中で、国家の思想に翻弄され崩れていく運命が描かれている。 北朝鮮の中...
2015年58冊目。 ヤン・ヨンヒ監督の映画『かぞくのくに』の原作。 朝鮮総連幹部の両親を持つヨンヒの兄3人は、当時「地上の楽園」と歌われた北朝鮮への帰国事業によって日本を離れる。 それぞれの兄とのエピソードの中で、国家の思想に翻弄され崩れていく運命が描かれている。 北朝鮮の中や厳格な父の前では本音が出せない兄達は、ヨンヒの前だけでは不条理な国に対する諦めや不満を漏らす。 ヨンヒ監督にしか書けなかった作品だと思う。
Posted by
幼い頃、3人の兄が帰国事業によって北朝鮮に渡り、国家と思想によって、引き裂かれてしまった、家族の話。 朝令暮改など当たり前で、夢や希望という言葉も、"考える事" さえも捨てなければ生きる術がない、理不尽な国に暮らす人々の実態を初めて知って愕然とした。 知る自由...
幼い頃、3人の兄が帰国事業によって北朝鮮に渡り、国家と思想によって、引き裂かれてしまった、家族の話。 朝令暮改など当たり前で、夢や希望という言葉も、"考える事" さえも捨てなければ生きる術がない、理不尽な国に暮らす人々の実態を初めて知って愕然とした。 知る自由、考える自由、行動することが自由にできる国に暮らす私はもっともっと深く考えて行動しなくては、と痛感。 途中、時系列がバラバラになっていて、ちょっと読みにくかったので★は3個にしました。
Posted by
映像作家、ヤン・ヨンヒ氏による「家族の物語」です。「帰国事業」によって渡航した三人の兄達がたどった運命の過酷さと、国家によって分断されていった家族という『普遍の物語』に思いをはせずにはいられません。 大反響を巻き起こした映画『かぞくのくに』の書籍版というべきものであると思います...
映像作家、ヤン・ヨンヒ氏による「家族の物語」です。「帰国事業」によって渡航した三人の兄達がたどった運命の過酷さと、国家によって分断されていった家族という『普遍の物語』に思いをはせずにはいられません。 大反響を巻き起こした映画『かぞくのくに』の書籍版というべきものであると思います。著者の『ファミリー・ストーリー』は極私的でありながら、国家により運命を翻弄された家族の話であり、それは普遍の物語として昇華しつつも、現在進行形で進んでいるのです。 北朝鮮への『帰国事業』が始まった際、朝鮮総連の幹部であった彼女の父親は、息子であり、筆者にとって兄である3人を『地上の楽園』に送ることになります。しかし、現地から送られた彼らのやせ衰えた写真を見てショックを受けた筆者の母親はひそかにその写真を破り捨て、彼らを支援するために奔走することになります。筆者は自分の人生を送りながらも、三人の兄達のたどった運命を物語るようになります。 長男のコノはクラシック音楽や文学をはじめとする芸術を深く愛し、繊細で純粋な精神を持つ彼が北朝鮮に渡り、持っていたクラシック音楽のレコードが『禁制品』に当たるとし、自己批判を強制された挙句精神に異常をきたし、筆者と食事をしている際にビールを飲んだことがトリガーとなって『指揮者』となってドヴォルザークの『新世界より』。交響曲第九番の第四楽章を『楽団』相手に指揮し始める場面は何度読んでも胸がつらくなりました。 次男のコナは北朝鮮に渡って美人の妻を娶るのですが、その奥さんが急に出て行き、後には子供が残されることになります。日本から定期的な『仕送り』が来る彼は『優良物件』として「お見合い」が引きもきらないのですが、そのあまりの生々しさにさらに気持ちが沈みました。二人目の奥さんであるジョンスンさんが来てこれで一件落着かと思いきや、今度は彼女が亡くなるという不幸に見舞われてしまいます。最初の妻との間に生まれたチホンとチソンに加え、ジョンスンとの間に生まれたソナ(筆者が撮ったドキュメンタリー映画『愛しきソナ』のヒロイン)の三人の子を抱え、途方にくれるコナ。しかし、彼の元にはヘギョンさんという十五、六歳下の初婚の女性がとあるきっかけで来るのでした。彼らのことは『愛しきソナ』に描かれているので詳しいことはここではあまり書きませんが、『君に送る最後の歌』をもう一度ソナたちの前で筆者が歌う日は来るのでしょうか…。 最後は圧巻の『ケンちゃん』ことコンミンの物語です。金日成総合大学の理学部を卒業したエリートである彼は貿易の仕事をするという一見『順風満帆』な人生を送っているのですが、その内面は『忠誠』を誓うためにポーカーフェイスを貫き、感情を一切押し殺したような生き方をせざるを得なかった姿が本当に切なかったです。その彼が病気の治療で日本に来日し、同窓会となっても彼らとの間に埋めがたい溝を感じながらもあるときに 『アイツら……覚えてて……くれ……たんやな』 と嗚咽を漏らす「ケンちゃん」の姿に「北朝鮮で生きる」ということの過酷さを伺う知ることができました。しかし、彼は筆者に『北朝鮮のスパイにならないか?』と遠まわしに誘いかけるシーンは本当に背筋が寒くなるほどで、本当に読んでいてつらくなるものでありました。 『国家の分断』によってバラバラにされたひとつの家族。ここに描かれているのはその『断片』です。しかし、その物語がある種の『普遍性』を持つということに 「人の歴史は、悲しみに綴られている」 という某アニメの登場人物の言葉を連想せずにはいられないのです。最後に、金正日が他界した日、僕が筆者にツイッターで『北のご家族はお元気ですか?特にソナが』と問うたところ、『北の家族たちは元気だ』という趣旨の返事をいただいたことを思い出しました。この場を借りて感謝御礼申し上げます。ありがとうございました。
Posted by
著者には北朝鮮に「帰国」した3人の兄がいて、それぞれがどうにも言いようのない人生を歩まされている。芸術家肌だった長兄は、精神を病んで亡くなってしまう。次兄は三度の結婚を経て、半分あきらめたかのように自分を抑えながら、ささやかな幸せのなかで生きている。末兄は病気で、束の間の帰国を許...
著者には北朝鮮に「帰国」した3人の兄がいて、それぞれがどうにも言いようのない人生を歩まされている。芸術家肌だった長兄は、精神を病んで亡くなってしまう。次兄は三度の結婚を経て、半分あきらめたかのように自分を抑えながら、ささやかな幸せのなかで生きている。末兄は病気で、束の間の帰国を許されるが、予定を大幅に短縮され、治療もままならないまま北朝鮮に帰る。 一家をあげて、期待しては裏切られ、憤ることもできないままあきらめる。どこか麻痺したかのように、努めて感情を動かさないように生きていくしかないような人生。これを一つの国が強いているという現実。しかも、それは意図的に行われているのだろうか。ただ、コマや機械のネジのように人の人生が翻弄されている様が何とも悲しかった。
Posted by
- 1
