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撃てない警官 の商品レビュー

3.5

21件のお客様レビュー

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2021/07/31

警視庁警備部の係長、三十代にして警部とうエリートコースに乗っていた主人公の柴崎令司が、不祥事を理由に綾瀬署に左遷させられる。捜査部門の経験が殆どないままいきなり所轄の総務部門にて奮闘する連作短編集。柴崎令司シリーズの一作目。 出世欲があり本庁への返り咲きを狙う柴崎のキャラは、正直...

警視庁警備部の係長、三十代にして警部とうエリートコースに乗っていた主人公の柴崎令司が、不祥事を理由に綾瀬署に左遷させられる。捜査部門の経験が殆どないままいきなり所轄の総務部門にて奮闘する連作短編集。柴崎令司シリーズの一作目。 出世欲があり本庁への返り咲きを狙う柴崎のキャラは、正直共感しにくいしあまり魅力的ではない。だが、上司である捜査畑出身の助川副署長の元で、捜査のコツや面白さに気づいていく成長物語の様相がなかなか面白い。連作短編という形式のなので、柴崎は様々な事件に関わることで経験を積んでいく流れである。 本作の一編である『随監』は日本推理作家協会賞短編部門受賞作。

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2020/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

警察小説でも、大事件は起きない。総務部門でキャリア官僚警察官を目指していた主人公が、上司のケツぬぐいで現場に立たされる、その現場で起こる日常事件を舞台にした、短編集。時系列かつ一つ一つの短編につながりがあるので、通しで読むと長編小説になっている。 横山秀夫や今野敏、笹本稜平、佐々木譲ら、警察小説の書き手は多々いるが安東能明作品は所読。この1冊自体は傑出した大傑作とは言えないが、手堅くまとめてきて読ませる予感、シリーズを通して読んでみたいと思える。今後に期待したい!

Posted byブクログ

2019/02/27

短編集だけど、同じ主人公・背景ということで、なんか1時間の警察ドラマを見ている様。 結構重厚な書きっぷりなので、是非長編を読んでみたいな、というのが最初の感想。 警官の世界の「実は・・・」が結構散りばめられており、知らない者からすると面白かったりする。抜き打ち監査なんてや...

短編集だけど、同じ主人公・背景ということで、なんか1時間の警察ドラマを見ている様。 結構重厚な書きっぷりなので、是非長編を読んでみたいな、というのが最初の感想。 警官の世界の「実は・・・」が結構散りばめられており、知らない者からすると面白かったりする。抜き打ち監査なんてやってるんやね。 主人公はある事件をきっかけに、スケープゴートにされ地方に飛ばされてしまうのだが、自分を飛ばした上司に対して虎視眈々と復讐を狙いながら、色々な事件を解決していく話。 全体的にモヤモヤとしてスッキリとしない話が多いけど、それだけに現実味があるのかな。巨大組織に属すことの悲哀みたいなのが、うまく書かれていると思う。 妥協・痛み分け・諦めに溢れた話が題名にも上手くリンクしている。なかなか秀逸なタイトルやね。 ただ最後の話くらいは、もう少し白黒を付けて欲しかったな。 え、そう終わるの!? と思ってしまった。 続編があるのかな?

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2018/09/21

警視庁総務部から所轄の警務係に左遷された柴崎。事務方の彼が現場に直面し、「何故自分が」と内心悔しい思いをしながらも細かく捜査をしていくのは持って生まれた真面目さなのでしょうか。

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2018/08/17

警視庁総務部に勤めるエリート警官の柴崎は、部下の拳銃自殺という不祥事の詰め腹を切らされ左遷される。虎視眈々と復権を狙う彼だが、所轄での経験を経て徐々に「警察官」へと変貌していく…。警察の内幕を描きながら事件の謎解きも楽しめる。横山秀夫を彷彿させる良本。今まであまり縁のなかった作者...

警視庁総務部に勤めるエリート警官の柴崎は、部下の拳銃自殺という不祥事の詰め腹を切らされ左遷される。虎視眈々と復権を狙う彼だが、所轄での経験を経て徐々に「警察官」へと変貌していく…。警察の内幕を描きながら事件の謎解きも楽しめる。横山秀夫を彷彿させる良本。今まであまり縁のなかった作者さんだが何冊か読んでみたい。

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2018/05/31

総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた...

総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。

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2018/05/15

よくある警察小説だろうと思って大して期待せず読んだけどすごくよかった。後から知ったが著者は鬼子母神を書いた人らしく、なるほどねーと納得。無骨だけど丁寧な描写で静かな怖さに趣のあるあの小説の人かー納得ーと。 本作は何がいいって主人公がクソ野郎で保身のことや自分の地位を損ねた男を貶め...

よくある警察小説だろうと思って大して期待せず読んだけどすごくよかった。後から知ったが著者は鬼子母神を書いた人らしく、なるほどねーと納得。無骨だけど丁寧な描写で静かな怖さに趣のあるあの小説の人かー納得ーと。 本作は何がいいって主人公がクソ野郎で保身のことや自分の地位を損ねた男を貶めることしか考えていないのがいい。そして、著者の筆致は誰のこともえこひいきせず、公平に人間の汚さやどうしようもなさを描いている。そして、そんな人間がときに素晴らしいことを成し遂げるという希望があることも、大樹の幹みたいにごつごつとした文体で、さりげなく匂わせる。さりげないのがよい。誰も内心で正義を実現しようなんて思っていないのがよい。正義はあくまで結果として偶々実現されるにすぎないのだ。クール!他の作品も読みたくなった。ミステリの短編集で久々のヒット。しょうもないやつばっか読まされた自分に短編の神が微笑んだ。

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2017/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評価は3. 内容(BOOKデーターベース) 総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。日本推理作家協会賞受賞作「随監」収録、あなたの胸を揺さぶる警察小説集。

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2017/10/04

警視庁総務部のエリート、柴崎は、不祥事の責任を負い、所轄の綾瀬署に異動させられる。 綾瀬署での様々な事件の中で、果たして、本庁に異動できるのか。 警察官を主役にした短編ミステリー集。

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2017/06/19

初読の作家さん。外向きではなく警察内部の話。派手な事件や殺人がないのにかなり面白く読めた。柴崎さん、どこかのシリーズのあの方の様に、管理職に収まっているより断然現場で活躍するタイプとお見受けいたします!個人的には助川さんのファンになりました。シリーズものらしいので、次も読まなくち...

初読の作家さん。外向きではなく警察内部の話。派手な事件や殺人がないのにかなり面白く読めた。柴崎さん、どこかのシリーズのあの方の様に、管理職に収まっているより断然現場で活躍するタイプとお見受けいたします!個人的には助川さんのファンになりました。シリーズものらしいので、次も読まなくちゃ。

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