夏の水の半魚人 の商品レビュー
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夏の水の半魚人 前田氏が演劇系の人だと言うことはこの本を読むまで知りませんでした。 平成2年夏。場所は五反田から御殿山、品川近辺。竹蔵は大井町から北品川を通って一時期品川の会社に通っていたので、景色が目に浮かんで懐かしかったです。 主人公の魚彦はちょっとませた普通の小学校5年生。 足の悪い友人の今田、ふつうのふつうの友人達、クラスの女子達。そこから浮いている海子という転校生。少し精神を病んでいるお母さん。 小学生の作文のような文体をとりながら、細やかな魚彦の心理描写や微妙な子供間の力関係が描かれています。子供を主人公にしていながら大人目線で描かれていて”子供はそんなふうに考えないよ!”という小説が多い中、とても瑞々しく子供達の様子が描かれています。 惜しむらくは、海子や魔法などの謎がうまく嵌ってこないのが残念でした。 それにしても今の子供はたいへんだなあ。。。 竹蔵
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よく行ってた画廊?で個展してはった池田実穂さんが表紙絵を描いてはって、そこのオーナーさん?が私にってプレゼントしてくれはった本。 すああーーって読みました。結構好き。でも好きじゃない人も結構いそう。特に男の人とか。 これは小学生(高学年)のお話やったけど、これの高校生くらいバージ...
よく行ってた画廊?で個展してはった池田実穂さんが表紙絵を描いてはって、そこのオーナーさん?が私にってプレゼントしてくれはった本。 すああーーって読みました。結構好き。でも好きじゃない人も結構いそう。特に男の人とか。 これは小学生(高学年)のお話やったけど、これの高校生くらいバージョンみたいな小説があったら読みたいな。
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小学生時代の事を回想しようと思ってもなかなかイメージが湧かなかったり言葉に出来ない感情が多かったりするけど、小学5年生の目線で淡々と語られていて、謂れのないイラつきとか「今日足が速くなったと思った」とかメタンガスを見続ける感じとか、あーこんなんだったと懐しむ事が出来た。 ガムを...
小学生時代の事を回想しようと思ってもなかなかイメージが湧かなかったり言葉に出来ない感情が多かったりするけど、小学5年生の目線で淡々と語られていて、謂れのないイラつきとか「今日足が速くなったと思った」とかメタンガスを見続ける感じとか、あーこんなんだったと懐しむ事が出来た。 ガムを最初に食べてしまいなかなか他のお菓子に手をつけられないでいる。というアホ描写、というかアホな画が町田康っぽいなと思ったらあとがきが町田康でびっくりした。
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品川区五反田に住む小学五年生の魚彦。友達と誕生会を開いたりお祭りに行ったりドロケイをしたり、現代的だけど懐かしい。塾に行ったり外国人の少年がいたり少子化で人数が減っていったり、都会的だけど、懐かしい。虚構か現実かわからないような、キラキラとグチャグチャが混ざったような、小学生の感...
品川区五反田に住む小学五年生の魚彦。友達と誕生会を開いたりお祭りに行ったりドロケイをしたり、現代的だけど懐かしい。塾に行ったり外国人の少年がいたり少子化で人数が減っていったり、都会的だけど、懐かしい。虚構か現実かわからないような、キラキラとグチャグチャが混ざったような、小学生の感覚を切り取っている。
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子どもの頃、世の中はよく分からないものばかりだった。 でもそのよく分からなさを楽しめた。 よく分からない遊びをやった。よく分からないものをカッコよがった。よく分からない気分に浸ったりした。 無邪気だったから。 大人になる前の、よく分からない僕らの夏。
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おかしみのある表現が随所にあるので笑ってしまう。自分の小学生のころのことはもう思い出せないけど、今言葉で表現しようとしたら、こういう気持ちもあったかなぁと思う。 筆者の飾り気のなくて背伸びもしない感じが好みだ。前田司郎さんは演劇でも映画でもこういう肩の力を抜いて自由に泳いでる感...
おかしみのある表現が随所にあるので笑ってしまう。自分の小学生のころのことはもう思い出せないけど、今言葉で表現しようとしたら、こういう気持ちもあったかなぁと思う。 筆者の飾り気のなくて背伸びもしない感じが好みだ。前田司郎さんは演劇でも映画でもこういう肩の力を抜いて自由に泳いでる感じがある。それだけど「自由にやってます」というような主張もあまり感じない。そういうところがいいなと思う。
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小学5年生の夏の、魚彦と海子の短い冒険。この小学生らは、現在の小学生ではない。私の二学年上だろうか。年代ははっきり書かれていないけど、ちびまる子ちゃんがアニメ化された年のお話。あざとくない懐かしさが満載で、言葉にできない部分をそのまま言葉にしない節度が好ましい。海を漏らすって表現...
小学5年生の夏の、魚彦と海子の短い冒険。この小学生らは、現在の小学生ではない。私の二学年上だろうか。年代ははっきり書かれていないけど、ちびまる子ちゃんがアニメ化された年のお話。あざとくない懐かしさが満載で、言葉にできない部分をそのまま言葉にしない節度が好ましい。海を漏らすって表現いいなぁ。
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なんと紹介していいのか分からない不思議な話だった。YAっぽい雰囲気もあるけど、大人が子供の頃の鮮烈な記憶を、ガラスケースにぎゅっと閉じ込めた感じの、やっぱり大人のお話。 お母さんが変。初恋の相手は養殖ハマチ。それにちなんで名づけられた息子「魚彦」が主人公。子供に初恋の相手の名前つけるってのもだいぶどうかしてると思うが、こちらは初恋の相手がそもそも人間じゃないっていうか哺乳類ですらないですからね。 すぐおしっこをもらす転校生・海子とか、魔法使いに会ったという車椅子の友人・今田とか、海彦の周りも少し変わっている感じだけど、そういえば小学生のとき魔女の修行してる子とかいたなあ。 子供のもつ妙に冷静な分析力とか、残酷さとか、何故なのかよくわからないけど突然キレる危うさが垣間見えて、自分たちもそうだったのかなあ、と思い返してみたけど、どう考えてもわたしが子供のときは、もっと能天気で何も考えてなかった。なんなら、時折鼻水もたらしてた。
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前田司郎はなんかいい作家ですよ、ほんとに。天才だし、つまらない大人度ゼロ%な人。この世のどんな小学校5年生よりも純度の高い小学校5年生なんだと思う。文章のすごさ、視点のすごさ。あのころ特有のダサい気持ちとかをなんでここまで徹底してリアルに書けるのか。恋愛でも性でもない異性の見方も...
前田司郎はなんかいい作家ですよ、ほんとに。天才だし、つまらない大人度ゼロ%な人。この世のどんな小学校5年生よりも純度の高い小学校5年生なんだと思う。文章のすごさ、視点のすごさ。あのころ特有のダサい気持ちとかをなんでここまで徹底してリアルに書けるのか。恋愛でも性でもない異性の見方もいい。全体を通してすごく、生きてる、心が立ち上がってくる。すごく繊細で上品な小説だと思う。 10〜13歳くらいってすごい面白い季節だと思う。何考えてるのか、実際に話きいてみたいって思うけどいざ話すと、なんか自分が、気持ち悪い大人のしゃべりになってしまうよ。打ち解けて話せたらすごい楽しいだろうな!
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冒頭の主人公の母の話部分では、瀬尾まいこさんみたいな感じと思ったけど、全然違った。 たんたんとしているようで、そうでもなく 小学校5年、子供でもなく大人でもなく少年でもなく すっごい子供だったり大人のような冷めた感じだったり なんとなく「生きている」と感じた。。
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