牛乳とタマゴの科学 の商品レビュー
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カゼインを詳しく知ることができて勉強になった。卵のタンパク質の記述が少ないのは残念。話し言葉で書かれていて「!」も出てくるからあまり固くなく読みやすい文章。新書でコンパクト、内容が濃い。
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筋トレするようになってから、冷蔵庫には牛乳とタマゴが常時ある。牛乳やタマゴはスーパーで安価に買うことができ、日常的に消費している。そんな身近なものになったのは、人間の知恵と努力と、欲望によるものだ。さらっと書かれていた「欲望」というのがポイントであり、著者の思想が込められているよ...
筋トレするようになってから、冷蔵庫には牛乳とタマゴが常時ある。牛乳やタマゴはスーパーで安価に買うことができ、日常的に消費している。そんな身近なものになったのは、人間の知恵と努力と、欲望によるものだ。さらっと書かれていた「欲望」というのがポイントであり、著者の思想が込められているように感じる。 本書では、人間と牛・ニワトリとの関わりを狩猟採集の時代にまで遡って説明している。食肉を得るためには狩猟をすればいい。でも、牛乳やタマゴを安定的に得ようとしたら簡単ではない。本来、牛乳は母牛が子牛を育てるためのものだし、タマゴはヒナが育つための栄養だ。野生の牛や鳥は、都合良く毎日牛乳やタマゴを生産してはくれない。牛乳は子育ての時期しか生産されないし、タマゴは母鶏が抱卵を始めれば新たには産まない。それに母親は子育てを邪魔するものに抵抗する。人間は動物の習性を理解し、家畜化し、多くの牛乳やタマゴを生産するよう品種改良してきた。乳牛やニワトリの生育環境を整備・管理し、極限まで効率的なサイクルを生み出すことで、今の豊かな食糧事情がある。そんなことが本書では説明される。 ・ブルーバックスという科学の本なので、牛乳やタマゴの持つ食材としての特性や栄養に関することが扱われていると考えていた。でも、実際読むと印象が違う。むしろ人類が牛乳やタマゴを安定的に得られるようになるまでの歴史が面白かった。 ・「家畜たちは幸せなのか?」みたいな記述がわずかにある。この本では倫理は直接には扱われない。でも、仄めかされている。「家畜と人類」みたいな本も読んでみたいなと思った。 ・『牛は改良の結果、草で酪農できない乳牛になった。』、『鶏は改良の結果、就巣本能を無くし、子育てを忘れたタマゴ生産機械になった。』こういう、少し刺激的な表現に著者の思想が込められているように感じた。同じ著者の別の本を読めば、具体的な主張がわかるかもしれない。 ・牛乳とタマゴというキーワードから、人類と牛・鶏との関わり、家畜化や品種改良、それらの背景にあった歴史、戦後の食糧難、BSEや鳥インフルエンザ・・・。様々なものへ広がっていく。読む前の印象と全く違い、面白かった。
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飼っている鶏の卵を産む率が悪くなったので、基本確認んのために購入。 ついでに毎日飲んでいる牛乳のこともわかって好都合かと思ったが、栄養的な知識については本当に基本を確認って感じだった。しかし、牛と鶏がこのような生産動物になるまでの過程などはなかなか面白かった。進化論はロマンしかな...
飼っている鶏の卵を産む率が悪くなったので、基本確認んのために購入。 ついでに毎日飲んでいる牛乳のこともわかって好都合かと思ったが、栄養的な知識については本当に基本を確認って感じだった。しかし、牛と鶏がこのような生産動物になるまでの過程などはなかなか面白かった。進化論はロマンしかない。
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「証明が不可能であることを証明する」ことは数学者にとっても難題です。この難題を、二人の天才はどのように解決したのでしょうか?
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白い卵と赤い卵って栄養価に差はないのね… 卵は毎日採ってたけどこれからは牛乳も採るよう心がけたい!
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身近な食品、牛乳とタマゴ。しかしどちらも効率性の犠牲となった歴史を持つ。牛乳とタマゴは安く安全になったが、弱く不健康になった。
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すごーくおもしろかった。高校生物程度の知識があるとなお面白いのかも。タマゴや牛乳の、時代的背景から、栄養面、誕生までのメカニズム、家畜開発からその問題点まで、あらゆる側面からの話があって、しかもわかりやすい。気になったことを、気になったタイミングで解説してくれる。雑学だけでなく、タマゴの見分け方とか使い分けとか、実用的な話もあって、実践したくなる。色付きのタマゴはわけもなく高級で栄養価が高いとわたしも思い込んでいたけど、そうじゃないんだなとか。タマゴや牛乳のありがたみも実感できました。 ただ独特な文のつなぎかたをするので、読み始めは少しびっくりする。あとしばしば唐突にテンションが上がるのでおもしろい。『~なのだ!』みたいな。
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毎日当然のように口にしている食品の奥深さを改めて認識して、多くの驚きをもって読ませていただいた。 そもそも当然そうなのだが、家畜は元来家畜ではなかったという新鮮な発見があった。 導入は想像と違う内容で、一旦迷いも生じたが、読み進めるにつれてどんどん面白くなって、楽しめた。
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面白い本だったな。ブルーバックスということで、「科学」ないし「生物学」系の話ばかりと思っていたんだけど、社会的、歴史的な話も盛りだくさん。それでいて科学・生物学的話が軽くなってしまうこともない。歴史的側面にしか興味のない人も、あるいは生物学的側面にしか興味のない人も、きっと思わぬ...
面白い本だったな。ブルーバックスということで、「科学」ないし「生物学」系の話ばかりと思っていたんだけど、社会的、歴史的な話も盛りだくさん。それでいて科学・生物学的話が軽くなってしまうこともない。歴史的側面にしか興味のない人も、あるいは生物学的側面にしか興味のない人も、きっと思わぬ面白さに出会えるんじゃないかと思う。 社会学的部分については少々裏付けの少なさがきになったけれど、それはまあ自分で調べる楽しみを与えてもらったと解釈しておこう。 たまに個性的な構造の文があってとまどうところもあるんだけど、全体的には読みやすい好著。楽しい読書体験だった。
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