非社交的社交性 の商品レビュー
「働くことがイヤな人のための本」が面白かったので手にとった。 前半が中島氏の半生を振り返るような内容、後半が氏の私塾に訪れる若者と交流する中で生まれた違和感などについて書かれている。 興味深い記述はあったが、全体としてのテーマがイマイチ分からなかった。 興味深かった切り口 善意...
「働くことがイヤな人のための本」が面白かったので手にとった。 前半が中島氏の半生を振り返るような内容、後半が氏の私塾に訪れる若者と交流する中で生まれた違和感などについて書かれている。 興味深い記述はあったが、全体としてのテーマがイマイチ分からなかった。 興味深かった切り口 善意という暴力。善意を演じていることが自然になりすぎると、真実を口にできなくなる。バンクーバー五輪開会式の居心地悪さ 帰属意識と差別意識 個室があるから大学では働き続けられた。 「文字通り」にしかやらない人
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P80 自由意志 「現実には、ただそのつどさまざまな行為Hが生じているだけである。だた、Hが災いだとみなされる瞬間、ここに報復の図式が被せられ、Hを引き起こした者はHを思い留まることもできたはずだという図式が描かれる。自由意志とは、人間の強迫観念から生まれた壮大なフィクションなの...
P80 自由意志 「現実には、ただそのつどさまざまな行為Hが生じているだけである。だた、Hが災いだとみなされる瞬間、ここに報復の図式が被せられ、Hを引き起こした者はHを思い留まることもできたはずだという図式が描かれる。自由意志とは、人間の強迫観念から生まれた壮大なフィクションなのである。 」
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・哲学者のエッセー集。本書は、カントの研究者が半生を振り返る前半、自身が主催する哲学塾を通じて若者と触れ合う中で出会った数々の「生きにくい」若者の特徴を紹介する後半で構成されている。 ・正直、物凄く為になるとか面白いという訳ではなかった(なので★3つの評価にした)けれども、若者の...
・哲学者のエッセー集。本書は、カントの研究者が半生を振り返る前半、自身が主催する哲学塾を通じて若者と触れ合う中で出会った数々の「生きにくい」若者の特徴を紹介する後半で構成されている。 ・正直、物凄く為になるとか面白いという訳ではなかった(なので★3つの評価にした)けれども、若者の生きにくさについて真摯に(これはいい意味でも悪い意味でもそうで、同じレベルで喧嘩しているという言い方もできるかもしれない)向き合う著者の姿勢に、やや大人気ないと思う反面、分かったようなことを言って誤魔化したりしない几帳面さを感じた。 ・人間関係の悩みは一生続くものだし、誰しも直面する課題。人間関係が上手くいかない「生きにくさ」の解決策として哲学に希望を託して若者が集まるようだけど、著者は「哲学は生きにくさをわかることはできても解決はできない」と言っている。そして、その対処法、社会の掟は叱られ怒られ嫌われて「体験知」を積み重ねるうちに何となくわかっていく、というものらしい。そんな人間関係に悩む人には『嫌われる勇気』を是非薦めたい。
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「確かに人を傷つけることは悪である。だがわれわれは、残念なことに、いかなる場合も誰一人として傷つけずに生きることはできないのだ。とすれば、「心の弱い人」はいかに人から傷つけられても、それを跳ね返して生けていけるだけの「強さ」を身につけるように自己鍛練すべきであろう。」 「「善意...
「確かに人を傷つけることは悪である。だがわれわれは、残念なことに、いかなる場合も誰一人として傷つけずに生きることはできないのだ。とすれば、「心の弱い人」はいかに人から傷つけられても、それを跳ね返して生けていけるだけの「強さ」を身につけるように自己鍛練すべきであろう。」 「「善意だらけ」の状態を演技と知っているうちはいいのだ。だが、善意の演技はいつの間にか当人を酔わせ、真実を見えなくさせる。そして、真実を語る人を排斥することになるのである。」 「じつは、すべての誇りは傲慢や軽蔑と紙一重なのである。あらゆる言葉は、語る人の個人的意味付与とは独立に、その社会における「普通の」意味(価値)を帯びてしまうのだから。」 「日本社会における大原則を言っておく。部下は上司の命令を受けたとき、それを自分がより有利になるように解釈してはいけないんだ。むしろ、いつも自分がより不利になるように解釈しなければならない。」 久々に読んだ中島義道さんの本。 あの、『常識なぞあえて外れろ』がモットーのように思える中島さんが、世間に溢れる『常識外れ』の若者に辟易して、非社交的な若者にも最低限そこだけは持っていてほしい社交性を説いた本。 何か権威たるものを持ち合わせていないものが、“その”振る舞いをすると、ただの不適合者にしか見えない悲しい日本。 ただ、日本の未来や彼らの未来など案じても意味がない。なぜなら、未来などないからである。
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社会人目前ということで、“大人になるということ”というサブタイトルに惹かれて読了。 しかし、「大人になるということ」に対する答えは冒頭の7ページ”はじめに”の部分で書かれてしまっている。 後は著者の経験やそこに哲学を織り込んだり、はたまた生徒とのトンデモな問答が描かれていたりす...
社会人目前ということで、“大人になるということ”というサブタイトルに惹かれて読了。 しかし、「大人になるということ」に対する答えは冒頭の7ページ”はじめに”の部分で書かれてしまっている。 後は著者の経験やそこに哲学を織り込んだり、はたまた生徒とのトンデモな問答が描かれていたりする。 冒頭で、既に著者の思う「よい大人」や「大人になるとは」といったことが書かれているのに本書は最初の7ページで終わらないのだろうか? それはおそらく、著者の考えや、古人の哲学のエッセンス、先生の生徒の姿を描くことで、大人になるとはどういうことか?考えて欲しいということもあったのではないか(哲学の本なので考えることは大事でしょ?)。 特に自分はそれを後半の生徒たちとのやりとりに強く感じた。 また、その部分での著者の生徒とのやりとりは、著者は半隠遁などとは言っているが面倒見のいい、昔気質的な人なのかなと感じた。本書前半で感じた印象とはまた逆だった。 自分が感じたのは、 自立し他者に依存せず柔軟(したたか)に、人生全てを自分の責任をもって引き受ける。それが大人になるということ。と言っているように思います。
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前半と後半との整合性が・・・・ 後半に出てくる人々は発達障害とかの問題とは無関係なのかな。 まあ、こういう人たちがいるということはわかった。
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「生きにくさ」に苦しみながらも真剣に生きていく ことで「生きにくさ」に磨きがかかり、やがてすばら しい光を放つであろう。と著者は締めくくっている。
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読む目的 中島さんの人となり、思想の元を知るため。 一言でいうならどんな内容? 中島さんの生い立ちや考えてきたこと、講義の体験談などを交えながら、大人になることについて語られている。 詳細 第1部 ご自身の生い立ちをもとに、人との関わり方、哲学への姿勢などが描かれる 第2部...
読む目的 中島さんの人となり、思想の元を知るため。 一言でいうならどんな内容? 中島さんの生い立ちや考えてきたこと、講義の体験談などを交えながら、大人になることについて語られている。 詳細 第1部 ご自身の生い立ちをもとに、人との関わり方、哲学への姿勢などが描かれる 第2部 講義にきていた人への対応などを交えながら、若者論、生き方論について、中島さんの持論が展開される。 心に留った点 引用 一抹の不安とともに、いままさに人生に船出しようとしているきみは、すばらしい可能性を秘めている。それは、きみは希望を捨てずに努力をすれば何でもできるという無責任な激励ではなく、きみがどう生きて行くかはすべて君の手中にあるということだ。 この意味で、サルトルとともに言えば、誰でも否応なく自由なのだ。 きみは自分の本質をそう決定し、それが人生を来ていると解釈した時点で、その責任はきみにある。 何が1人の人間の行為やあり方を決定するかは、じつのところまったくわからない。だから、どんな人でもどんな瞬間でも、「いままで」を完全に断ち切って新しいことを選べるのだ。 私が選んだのだと自分に言い聞かせる姿勢は、特別えらくもならないかもしれないし、金持ちにならないかもしれないけれど、強く柔軟で深みのある大人、すなわちよい大人になるように思う。
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同じ著者が書いた本の中では、最も明るい展開であった(過去を清算し、割り切った感じがする)。「あとがきに代えて」だけでも読む価値があり、思い当たる人に勧めたくなった。
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たまたま本棚に平積みしていたので、手にとった本。この分野の本をあまり読んでいなかったこともあり、興味深く読んだ。特に現在の若者像。生きにくさを感じて、社会に適応できない学生たちが、魅力的に描かれている。 タイトルの「非社交的社交性」という言葉は、カントの言葉のようだが、私自身も...
たまたま本棚に平積みしていたので、手にとった本。この分野の本をあまり読んでいなかったこともあり、興味深く読んだ。特に現在の若者像。生きにくさを感じて、社会に適応できない学生たちが、魅力的に描かれている。 タイトルの「非社交的社交性」という言葉は、カントの言葉のようだが、私自身ももう少し一般常識程度の哲学を知っておかねばいけないなと改めて考えさせられた一冊。
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