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欲望の美術史 の商品レビュー

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22件のお客様レビュー

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2014/09/16

個人的には中盤以降が興味深く発見があった。はじめのほうで読むのを断念しなくて本当によかった本。人の欲望とからめた幅広い芸術作品の紹介は、教養を学ぶためのみにとどまらず、人とはなにか、なぜ人はこういった営みをなすのか、筆者の当たり前のことを深く読み込む能力には感銘を受ける。

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2014/06/15

産経新聞の夕刊に連載されていた(2011年5月~)コラムを加筆修正し、書下ろしを加えたもの、とのこと。 1つ1つの話が短いので、どこから読んでも大丈夫。ものすごい「修復」で有名になったフレスコジーザスの一件など、新しい話題もあり。

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2013/12/22

美術館はたまに行くけど、「ふーん、キレイやな~」で終了する気の毒なわたくしに、色んな切り口で美術を紹介してくれる素敵本。 風景画には国威発揚の意味が込められてるものがあったりとか(俺たちの国土!)、捨てた愛人が赤ん坊連れで殴りこんできた修羅場が一部モチーフになってるピカソのゲル...

美術館はたまに行くけど、「ふーん、キレイやな~」で終了する気の毒なわたくしに、色んな切り口で美術を紹介してくれる素敵本。 風景画には国威発揚の意味が込められてるものがあったりとか(俺たちの国土!)、捨てた愛人が赤ん坊連れで殴りこんできた修羅場が一部モチーフになってるピカソのゲルニカとか、トリビアな話題てんこ盛りで、お好きな人にはぜひオススメ。 病気の治癒を神に感謝するために奉納された"エクス・ヴォト"、早世した子供の来世での幸せを祈る"ムカサリ絵馬"など、全然知らんかったジャンルも紹介されてて、エエ勉強になりました(-_-)

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2013/12/06

『そもそも美術というものは、純粋に美を求める気持ちから作られ、鑑賞されたものばかりではない。美術作品は、モノとして社会に流通する商品であり、政治・経済のシステムに組み込まれている。 芸術家とよばれる人々は、かつては一介の職人であり、生活のために工房で毎日絵や彫刻を作り、それが売れ...

『そもそも美術というものは、純粋に美を求める気持ちから作られ、鑑賞されたものばかりではない。美術作品は、モノとして社会に流通する商品であり、政治・経済のシステムに組み込まれている。 芸術家とよばれる人々は、かつては一介の職人であり、生活のために工房で毎日絵や彫刻を作り、それが売れれば量産し、売れないものは作らなかった。あるいは王侯貴族や聖職者に仕え、注文されたものだけを作っていた。自己の芸術的な信念のために、世間と妥協しないで納得のゆく作品しか作らない孤高の芸術家というのは、十九世紀に成立したロマン主義的なイメージにすぎない。もちろん、そうした芸術家肌の者も大昔からいたであろうが、そうした者の作品はほとんど残らないのだ。』と・・・ まえがきにあり・・・ 全然美術とか詳しくないですが・・・ 妙に納得してしまったので購入・・・ 美術を生み出す原動力・・・ 源は・・・ 芸術家や、観る者の欲望である・・・ と著者は言う・・・ 欲望ったって色々ある・・・ 食欲・・・ 愛欲・・・ 性欲・・・ 金銭欲・・・ 見栄や虚勢だったり・・・ そういった欲だけでなく・・・ 信仰心や・・・ 病気治れ~って祈りの気持ちだったり・・・ 追悼とか鎮魂だとか・・・ 権力者の権力のアピールだったり・・・ よき死を迎えたいなって願いだったり・・・ や、ホント様々・・・ 作る側、求める側や観る側のこういった色んな欲望や思いこそが美術を、芸術を生み出していく・・・ そして、美術、芸術という定義もまた様々・・・ 著者は幅広く捕らえている・・・ 世界的な名作だけでなく・・・ 一般的には美術に含まないような、神社にある絵馬とか刺青とか芝居絵なんかも含んでいる・・・ これまた様々・・・ 様々な欲望や思いによって作られてきた作品を、その欲望や思いごとに観ていく・・・ この絵にはこういう欲望が下地になっているのかぁ、と思いを馳せながら観ていくと、何となくスゲーなぁと観るより断然に面白いもんですね・・・ 美術って高尚なもんばかりかと思いきや、スゲー人間臭いんだなぁと・・・ 美術シロートのワタクシにとって参考になることが多かった・・・ この本はオススメちゃんですね・・・

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2013/11/04

肩肘張らずさらりと読める美術エッセイ。読み易いが、その分どの章もうまくまとまりすぎていて結論に意外性がなく、少々物足りないと感じた。知的障碍者や未開文明人による「アール・ブリュット」や、人間の持つ破壊衝動が美術品に向けられる「イコノクラスム」に関する記述は新鮮だった。

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2013/10/21

美術展は好きで良く行くのだが、美術というと、静かな所で黙って見入る物だと思っていた。そういう意味では、この本は私の美術観をいい意味で打ち破ってくれた。確かに歴史的に見ても芸術家にも色々な人がいて、人間臭い世界があるのは分かっていても、美術館の様な荘厳な雰囲気だと、背筋を伸ばして鑑...

美術展は好きで良く行くのだが、美術というと、静かな所で黙って見入る物だと思っていた。そういう意味では、この本は私の美術観をいい意味で打ち破ってくれた。確かに歴史的に見ても芸術家にも色々な人がいて、人間臭い世界があるのは分かっていても、美術館の様な荘厳な雰囲気だと、背筋を伸ばして鑑賞しなければならないような気になる。しかし、実際の所は大半の芸術家は金や名誉のために絵を描いていたのだろうし、色々泥臭い世界があったはず。この本はそういう世界を面白く、分かりやすく書いてくれていて、肩の力が抜けるというか、美術に親近感を抱くようになる。しかし、私が最も関心を持ったのは、民間芸術の件。歴史上には表れない、滅多に美術館に展示されることのない、でも、地方でひっそりと愛され続けている芸術があることを初めて知った。どこにどのようなものがあるのかよく分からないが、身近な所から訪ねてみたいと感じた。

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2013/09/14

美術に関する楽しい話しが28.詳しい知識に裏打ちされたものばかりで、非常に楽しみながら一気に読破した.特に面白かったのは「第3話 金銭への執着」. 確かにに絵が売れなければ暮らせないのだが、往々にして”物質的な見返りなどに頓着しない”芸術家を想像するが、それを見事に論破してくれて...

美術に関する楽しい話しが28.詳しい知識に裏打ちされたものばかりで、非常に楽しみながら一気に読破した.特に面白かったのは「第3話 金銭への執着」. 確かにに絵が売れなければ暮らせないのだが、往々にして”物質的な見返りなどに頓着しない”芸術家を想像するが、それを見事に論破してくれている.

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2013/08/26

美術品を、人間のいろいろな欲にまつわるテーマで語るコラム集。 下世話な話もまぜつつ、美術といわれるところのものの裏側を真面目に読みやすくまとめたところに好感が持てました。 取り上げられている作品も、ラファエロなどのアカデミックなものから日本の絵馬や刺青、草間彌生やアウトサイダー関...

美術品を、人間のいろいろな欲にまつわるテーマで語るコラム集。 下世話な話もまぜつつ、美術といわれるところのものの裏側を真面目に読みやすくまとめたところに好感が持てました。 取り上げられている作品も、ラファエロなどのアカデミックなものから日本の絵馬や刺青、草間彌生やアウトサイダー関連など多方面に渡っていて楽しめました。 一時話題になったスペインのキリスト画修復の件もちょろっと入ってます。

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2013/08/16

人間の欲望を映す鏡として美術を捉え、美術をいろいろな観点から眺めたエッセイ集である。美術に関する話題を28話にわたって宮下節で語っている。刺青、戦争記録画、絵金などのマイナーな話題もあり、宮下ファンには楽しめる読み物である。

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2013/06/28

美術史家の宮下規久朗さんによる美術エッセー。新聞の連載をまとめたもので、一話一話がコンパクトにまとめられている。 さらさらっと気軽に読めて楽しめるが、美術を人間の欲望を映し出す鏡と捉え、美術と社会性の関係をも論じた内容は、独自の視点で刺激的。従来の美術紹介本とは一線を画す印象で、...

美術史家の宮下規久朗さんによる美術エッセー。新聞の連載をまとめたもので、一話一話がコンパクトにまとめられている。 さらさらっと気軽に読めて楽しめるが、美術を人間の欲望を映し出す鏡と捉え、美術と社会性の関係をも論じた内容は、独自の視点で刺激的。従来の美術紹介本とは一線を画す印象で、とても面白かった。 特に興味深かったのは「日本のヌード(日本のヌード受容史)」「作品と展示空間」「芸術としての刺青」「追悼と鎮魂(山形のムサカリ絵画)」「土佐・絵金の芝居絵」。 日本の民衆的芸術も、いろいろと奥が深い…と感じ入った。

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