黙示文学の世界 の商品レビュー
終末を語る黙示がなぜ重要視されるのか、その理由の一端が理解できたように思う。苦難は約束されたものであり、いずれその苦難が報われる時が来る。そのためには義人でなければならず、教えを守らなければならない。今の苦難が終わるという希望を示すものであり、また指導者の立場から見れば教えを再...
終末を語る黙示がなぜ重要視されるのか、その理由の一端が理解できたように思う。苦難は約束されたものであり、いずれその苦難が報われる時が来る。そのためには義人でなければならず、教えを守らなければならない。今の苦難が終わるという希望を示すものであり、また指導者の立場から見れば教えを再認識させる役割もある。 文学としてみると著者の歴史観や思い、教えに対する態度、更には読者の読み方も見えてくるところが興味深い。天界では何が行われていることを淡々と示す著者もいれば、具体的な祈りの方法を示す著者もいる。天国の様子の紹介から地獄の様子を示すことに変わっていくのは読者の希望に沿ったものである。教えを説くことを目的としているものの、ある種のエンターテインメントでもあったことがうかがえる。
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