貧乏お嬢さま、メイドになる の商品レビュー

リースボウエン【著】,古川奈々子【訳】

2013/12/19

ちょっと昔のイギリスを舞台にしたお話で、主人公が貴族のお姫様ってだけでミーハー心が刺激されるのですが、それに殺人事件がからんできます。登場人物も個性豊かで、貴族の会話も面白い（フィクションですが）。ムカつく相手にも機知に富んだ皮肉を返せるジョージーのおかげで全体的にテンポがいいお話になっています。

2013/12/13

注：ロマンスではないかも
メイドだけど実は王族ってなんて美味しい設定かしらと思ったけど、その設定はあまり活かされず、残念。20世紀ともなるとイギリス貴族も随分没落して大変なのね。

2013/11/18

(No.13-53)　ミステリです。

内容紹介を、表紙裏から転載します。
『２０世紀初頭のスコットランド。英国王族でありながら、公爵令嬢ジョージーの暮らしは貴族とは名ばかりの貧乏生活。凍えそうな古城でこのまま一生を終えるのかしら？ところがある日、最悪の縁談を耳にしてしまったジョージーは、思わずロンドンへ逃げ出すことに。
そこで生活のためにはじめた仕事は、なんとメイド！王族にあるまじき行動がおうひさまの耳に入らないことを祈りつつ、なれない掃除に悪戦苦闘する毎日。でもメイドから見た貴族の生活は意外に面白いかも！？
そう思い始めた矢先、仕事帰りの彼女を待ち受けていたのは浴槽に浮かぶ死体！初めての仕事に殺人事件まで・・・・。
ジョージーのロンドン生活は一筋縄ではいかず！？』

という紹介文を読んで、面白そう！と読んだのですが・・・・。そしてそういう人は多かったみたい。読んでからネットの評判を見てみたら、多くの人が「思ってたのと違う」と書いてました。
私もその一人です。違うじゃん！ジョージーがやってたのはメイドとはいえないと思う。メイドもどき？だから、メイドから見た貴族の生活という部分はほとんどありませんでした。
うーん、そこはすごく不満。

軽いミステリで、元気で現状に立ち向かう女の子（といっても２１歳）というところは私の好みでしたから、メイド云々は別にすれば面白く読みました。

ジョージーがすごく貧乏なのは、父親がギャンブルなどで財産を浪費してしまったためなのです。でもそういう父親だからジョージーが生まれたともいえるのが皮肉。男の子を残して先妻が亡くなった後、女優と結婚したラノク公爵なんだから。そして生まれたのがジョージー。
今のラノク公爵はジョージーの兄で、母の違うジョージーを疎んだりはしてないけど何分お金がない。自分で何とかしてくれ！ということで成人になったジョージーにお金をくれなくなりました。
ラノク城で兄の子供の面倒を見ていれば暮らしていけるわけですが、王座から遠いとはいえ３４番目の王位継承権を持つジョージーは、ある種の人達から見れば大変望ましい結婚相手。何しろヴィクトリア女王のひ孫なのよ。今の皇太子とははとこの関係。まごまごしていればあっという間にとんでもない相手と結婚させられて終わり！となりそうなのです。

兄のビンキーが面白い。とても真面目なんですが、あまり能力があるとはいえず。
困難なことがあると、見なかったこと知らなかったことにしよう、と逃げ出してしまう。当主なんだからどうにかするのはあんたの責任だろう！と言い聞かせてあげたいわ。

この時代のイギリスについては小説や映画で馴染みがあるので、この人があれに出てた人だ！などいろいろ思い出しながら読みました。

題名や紹介とはだいぶ違う内容でしたが、面白かったのでまあ良しとします。
しかし原題とまるで違うし、何もこういう題名にしなくても・・・とは思いました。

2013/08/24

一気読みをおすすめします。登場人物がそれぞれ魅力的。ジョージーが跡継ぎなら立派に公爵領を切り盛りしていけたでしょうに。ジョージーの母は素行はともかく実は結構頭が切れる？。シンプソン夫人との対決がもっと見たかった。

"Her Royal Spyness" by Rhys Bowen

2013/07/28

YAもの？
ロマンスはこれからという感じでミステリメイン。
無難に面白いけど
テンションが若すぎてちょっと合わなかった

2013/06/21

うん、面白かった！
公爵令嬢なのにビンボーなヒロインが、窮状を打破すべくメイドになってまで行動するのがいい。
ミステリとしても良いのでは？（あくまでもコージーの範囲内だけど）
「公爵」という言葉に引っぱられてしまったので、もっと古い時代の話かと思っていたら、電話もあるし、タクシーもあって少し意外だったけど、考えてみれば２０世紀の話。日本でいえば昭和初期くらいなんだから、当然かあ。
次作も読みたいと思うけれど、同じ著者の「押しかけ探偵」が積ん読になっていたので、こちらも読んでみようと思う。

2013/06/09

英国王の遠縁、三十四番目の王位継承者のジョージアナ。実家の家計は火の車だし他国の王家に嫁がされそうになるし、スコットランドの城を逃げ出してロンドンへ。暖炉に火を起こしたこともなかった彼女が、自活を目指して掃除代行業とメアリ王妃のスパイを始めます。
モリーのシリーズ同様、ミステリ以外の部分が面白い。独立心は旺盛でも一人で服を着る習慣すらないジョージアナのお嬢様っぷり。彼女が仕事にまつわるやっかいごとを少しずつ学んでいく様子。親友ベリンダとの会話、元女優で男性遍歴を重ねるジョージアナの母親と、実在したシンプソン夫人が愛想よく交わす嫌味の応酬。当時の王室が抱えていた問題や、外国人の捉え方などなど。そっちが印象的すぎて、モリーのシリーズ同様殺人事件は霞んでます。恋愛も別になくていいんじゃないかと。ついでに「自分は嘘はつかない」と胸を張っているジョージアナの言葉は笑いどころ。冒頭で裏切られてますから。
映画「英国王のスピーチ」の少し前の時代になるのでしょうか。これからジョージ6世やエリザベス王妃が出てくるのか楽しみではありますが、その頃にはジョージアナがオールドミスになっているような…。数年って歴史上では一瞬でも、人間の寿命で考えると結構長い。