神、さもなくば残念。 の商品レビュー
2000年代のアニメを語る上で必携の批評集。あくまで学術的に書いているため、用語が一部難解な部分もあるが、アニメという共通言語を持つ者ならすんなりと読み解くことができる。単なる感想に留まらない、とても論理的な教養になりうる一冊。アニメを嗜む人なら誰でも楽しめる一冊だろう。逆にここ...
2000年代のアニメを語る上で必携の批評集。あくまで学術的に書いているため、用語が一部難解な部分もあるが、アニメという共通言語を持つ者ならすんなりと読み解くことができる。単なる感想に留まらない、とても論理的な教養になりうる一冊。アニメを嗜む人なら誰でも楽しめる一冊だろう。逆にここから未見のアニメを探すのも面白い。潤いを与える非常に貴重な切り口の素晴らしい一冊です。
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主に『涼宮ハルヒの憂鬱』から『魔法少女まどか☆マギカ』まで、「セカイ系」と「空気系」という2つの基軸を持つゼロ年代のアニメについて、哲学や思想の道具立てを借りて考察している本です。 目次を見たとき、本書の「第壱部」が原理論、「第弐部」以降が作品論という構成になっているのかと思っ...
主に『涼宮ハルヒの憂鬱』から『魔法少女まどか☆マギカ』まで、「セカイ系」と「空気系」という2つの基軸を持つゼロ年代のアニメについて、哲学や思想の道具立てを借りて考察している本です。 目次を見たとき、本書の「第壱部」が原理論、「第弐部」以降が作品論という構成になっているのかと思ったのですが、実際には「第壱部」が宙に浮いてしまっているような印象を受けます。 「第壱部」の議論は、「萌え」を志向性として捉えなおし、フッサール現象学の用語をもじって「モエシス」と「モエマ」といった概念を持ち出すなど、単純におもしろさを狙ったものだと思えるのですが、これらの議論が後に続く作品論のための枠組みといった役割を果たしておらず、「萌えの現象学」もけっきょくのところ単なる印象批評への回帰に終わってしまうのではないかという疑問を感じました。 個々の作品論については興味深く読めました。ただ個人的には、著者の本領は印象批評よりも『探偵小説の論理学』『探偵小説の様相論理学』(ともに南雲堂)で提示されたような、作品解釈の理論的枠組みを構築するところにあると思っているので、正直に言って、本書は片手間になされた仕事といった印象を受けてしまいました。
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アニメ評論集。セカイ系やミステリ論も面白かったが、興味を引かれたのは3点。 「萌えの現象学」 俺という自己に於いては萌えという経験がないことが自覚された。他にも、筆者とは嗜好がずいぶん異なる。 「モナドロギーからみた『図書館戦争』」 実に同感。大の大人が抱く戦争観ではないと感じて...
アニメ評論集。セカイ系やミステリ論も面白かったが、興味を引かれたのは3点。 「萌えの現象学」 俺という自己に於いては萌えという経験がないことが自覚された。他にも、筆者とは嗜好がずいぶん異なる。 「モナドロギーからみた『図書館戦争』」 実に同感。大の大人が抱く戦争観ではないと感じていた。でもそれは子供向け(さらに言うと女子向け)だからだろう。 「ウスペンスキー思想に基づく《魔法少女まどか☆マギカ》の次元論の解明」 まどかが高次元の存在になった理屈がまだよくわからず、そこが自分にとってこの作品の最も不可解な部分であることが今回新たに認識できた。
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やけに長かった。表紙が表紙なだけに、電車で読めないし、読むのに日数がかかった。 書名の『神、さもなくば残念』というのは、『神アニメでなければ残念なアニメ(面白くないアニメ)』という意味だと思ったけど、どうやら涼宮ハルヒのことをあらわしているらしい。ただ、『涼宮ハルヒの憂鬱』につい...
やけに長かった。表紙が表紙なだけに、電車で読めないし、読むのに日数がかかった。 書名の『神、さもなくば残念』というのは、『神アニメでなければ残念なアニメ(面白くないアニメ)』という意味だと思ったけど、どうやら涼宮ハルヒのことをあらわしているらしい。ただ、『涼宮ハルヒの憂鬱』についての話はそんなに語られてなかったような(しかも、ハルヒについてはアニメというより原作についての評論という感じる箇所も多かった)。 哲学用語については全く分からないので、正直ちんぷんかんぷんなところも多かった。アニメ評論本読んでると哲学用語使って評論する本も多いんだけどね。そういうの、半分も分かってないかもしれない。 自分はこの本に書いてあるアニメの4分の1近くしか見てないと思うのだけれども、見たことあるアニメに関していうと、納得できる部分も納得出来ない部分もあった。 例えば、バンブーブレイドで川添環が勝負に破れる話を描いたのは失敗と書いてあったのだけれども、いやあれは、破れてよかったと思うのだけれども・・・。 後、すごいアニメをいろいろ見てるようなのだけれども、いったいいつなのはとはやてはクラスメートになったのかと。後、はやてと<闇の書>が分離しなくても、なのははたいした躊躇もなく、はやてに本気で攻撃していたんじゃないか、と思うのは自分だけだろうか。ただ、A'sについては、ラストのバトルがあまりにも一方的な集団攻撃すぎて、敵側にたいしてかわいそうと思ったのは覚えている。 まあでも、全体的にはボリュームもあってよかったと思う。最後のまどか☆マギカについてはとくになるほど、と思った(ワルプルギスの夜がどんな魔法少女だったかという想像の話はいらないと思ったけど)。
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