風雲児たち 幕末編(22) の商品レビュー
井伊直弼暗殺(桜田門外の変)後の水戸藩と彦根藩の暗闘とその緊張感は教科書には載っていないことなのでとても新鮮で驚いた。 幕府がとった暗殺=病死政策は後世にも穏やかにことが経過したと思わせるという結果から見て効果はあったのだろう。 水戸浪士と薩摩藩とのかかわりもよくわかり変革を...
井伊直弼暗殺(桜田門外の変)後の水戸藩と彦根藩の暗闘とその緊張感は教科書には載っていないことなのでとても新鮮で驚いた。 幕府がとった暗殺=病死政策は後世にも穏やかにことが経過したと思わせるという結果から見て効果はあったのだろう。 水戸浪士と薩摩藩とのかかわりもよくわかり変革を求めるときは時宜を得ないといけないことが時系列でよくわかる。 薩摩は関ヶ原以来の恨みがあり、水戸藩は朝廷第一という精神を持ち、各国との政治の世界を現実で感じている幕府がいる。 ギャグ漫画ではあるけれどやっぱり内容が来いとつくづく感じいった。
Posted by
桜田門外の変の事後譚に続き、咸臨丸がハワイを経てサンフランシスコに到着するまでを描く。咸臨丸は日本人の力で航海したと習ったし、福沢諭吉も『福翁自伝』に誇らしげにそう書いている。しかし実際には、少なくとも往路については日本人は技量不足と船酔いでほとんど役に立たず、同乗していたブルッ...
桜田門外の変の事後譚に続き、咸臨丸がハワイを経てサンフランシスコに到着するまでを描く。咸臨丸は日本人の力で航海したと習ったし、福沢諭吉も『福翁自伝』に誇らしげにそう書いている。しかし実際には、少なくとも往路については日本人は技量不足と船酔いでほとんど役に立たず、同乗していたブルック大尉以下米人乗組員が主体となって操艦したという。それでもブルック大尉は、攘夷論沸騰する日本から派遣された使節団の立場を慮り、マスコミには日本人だけの手で航海したと発表しその能力と技量を称賛した。しかも、他の米人乗組員には箝口令を布き、航海日誌も自分の死後50年間の公開を禁止すると遺言したため、事実が明らかになったのは1960年代になってからだった。あの困難な時期に、機知に富み義侠心に溢れた米国人に出会えたことは、日本にとって限りなく幸運だったと言えよう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
はじめて「サムライ」たちが海を越えてアメリカに上陸した、咸臨丸とポーハタン号のエピソード。 嵐続きの航海で日本人の操舵技術が全然使い物にならなかったことを、日米の未来を考えてあえて黙し、航海日誌を死後50年公開しないようにと遺言したというブルック船長の男気に感動。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幕末大河ギャグ漫画の22巻目(通算52巻目、ワイド版42巻目) 本巻は桜田門外の変のその後の顛末、遣米使節団の米国着までをメインエピソードとして描かれている。 当時でも義挙と思われていた桜田門外の変の当事者たちが次々切腹していくのは哀切感がありますが、自分としてはテロ犯ではあるために仕方ないと思います。 咸臨丸についてはその乗船メンバー(勝、福沢、ジョン万など)のためもあり様々な小説、文献で取り上げられていますが、正使一行については自分は「剣と薔薇の夏(戸松淳矩)」くらいでしか知らなかったので、またまた目からうろこ状態でした。
Posted by
桜田門外の変、その後日譚と、咸臨丸のエピソード。 どのエピソードも、掘り下げが凄く、安定して面白い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
桜田門外の変の後、彦根藩と水戸藩は江戸で一触即発の状態だったんですね……ということを、世田谷代官の日記で知った後だけに、千人の藩士が彦根から江戸の藩邸に入って、藩邸内の敷地に急遽プレハブ住宅が建てられる(その建築に世田谷の彦根藩領内の農民が狩り出される)のがリアルに感じられる。 咸臨丸の太平洋横断、ものすごい嵐で沈没寸前という船内……うー、乗り物酔い体質の自分、当時の船旅は無理だろう(汗)。その点で、勝海舟はお気の毒。ただ、江戸無血開場の立役者ながら、あまり好きじゃない……空威張りしたり豪語したりするところが好きになれないんだよなぁ。それが江戸っ子といわれれば、すいませんと云うしかないけど(^_^;)。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
後始末、とばかりにまだ人は死に。 岩倉具視サイドをはよみたい。 ブルック船長のエピソードはとても良い話ですね。 勝海舟の小物感というか、人間味のある感じは、是々非々な印象で。
Posted by
- 1