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第二音楽室 の商品レビュー

3.6

22件のお客様レビュー

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2022/05/10

この人の青春小説は好きなことが多いけどこれはそこまでではなかった 短編の中でも裸樹はちょっと良かったかな

Posted byブクログ

2022/10/03

4編から成る短編集。小学校・中学校・高校の子どもたちと、それぞれの音楽との関わりが、瑞々しく爽やかに描かれている。 自分も小学生時代から、管弦楽や吹奏楽の部活動に精を出したり、学年合奏にウキウキしたりしていたので、心情や空間などの描写にかなり共感できた。学校生活の思い出は常に音楽...

4編から成る短編集。小学校・中学校・高校の子どもたちと、それぞれの音楽との関わりが、瑞々しく爽やかに描かれている。 自分も小学生時代から、管弦楽や吹奏楽の部活動に精を出したり、学年合奏にウキウキしたりしていたので、心情や空間などの描写にかなり共感できた。学校生活の思い出は常に音楽とともにあるので、この本を読んでも「あぁ、あの時、楽しかったな〜」としみじみ思う。輝く思い出を懐かしく思い出させてくれたことに感謝。 特に良かったのは中学生のリコーダーカルテットを描いた「FOUR」。音を合わせる喜びと、中学生の笑えるような個性と、悩める自意識と、甘酸っぱさに溢れている。 鈴花がメロディーの表現に悩んでいる様子は、自分も高校くらいまでずっと楽器での感情表現で苦戦していたことが思い出された。 「このメロディーの美の中に、自分を投げ出してみて。気持ちを解放して。喜びを音に乗せてみて」という間柴先生の言葉は、身に沁みるよう。表現することを恥ずかしがっている段階では、音に感情を乗せるなんてことは到底出来ないんだよね。 「うまく吹こうという力みがとれた時、長く伸ばしたゆったりした音の中に静かな感情がみなぎった。(中略)情緒豊かに吹くことと、正しい技術で吹くことは、違う作業じゃないんだと思う。」という文章がとても好き。鈴花が中1にしてこれに気付いたのはすごいことだと思う。

Posted byブクログ

2020/07/30

初めて読んだときは中学生だったか小学生だったかだった。 21歳になった今読んだらまた違うよさを感じる。 あの頃はこの本の中の風景や空気感は当たり前のもので、自分自身のいる空間だったからなんとも思わなかったけど その環境を抜けた今、それらはとても尊くて瑞々しくてあの時にしかないもの...

初めて読んだときは中学生だったか小学生だったかだった。 21歳になった今読んだらまた違うよさを感じる。 あの頃はこの本の中の風景や空気感は当たり前のもので、自分自身のいる空間だったからなんとも思わなかったけど その環境を抜けた今、それらはとても尊くて瑞々しくてあの時にしかないものだったんだな、って 小説の中の世界自体によさを感じるようになった。 前はFOURのわたしとケンタの関係が断然好きだったけど今読んだら第二音楽室の史江と江崎の関係がとても素敵だなぁ…と思いました。

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2020/04/24

中編集。使われていない第二音楽室に落ちこぼれが集まってちょっとだけ団結したり、むりやり組まされたリコーダーカルテット内に淡い恋とその終わりがあったり、へたっぴな軽音部のバンドではきしんだ人間関係が展開していたり。この小説の音楽は「学校の音楽」で、上手じゃないしあまり楽しそうに描か...

中編集。使われていない第二音楽室に落ちこぼれが集まってちょっとだけ団結したり、むりやり組まされたリコーダーカルテット内に淡い恋とその終わりがあったり、へたっぴな軽音部のバンドではきしんだ人間関係が展開していたり。この小説の音楽は「学校の音楽」で、上手じゃないしあまり楽しそうに描かれていない。個人のセンスによるものだという、小学校で皆が抱いた暗黙の了解を拡大して見せられたようなちょっとゆがんだ雰囲気さえ漂う。痛々しいんだけれど、あるのはあっけらかんとした諦めだったりするから、カラッとしている。

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2019/08/27

小学校、中学校、高校での、それぞれ音楽に関するお話の中短編集。 「デュエット」「FOUR」は中学生、「裸樹」は高校生が主役のお話。まだまだ、子供のような、彼、彼女らのお話しにもそれぞれ、様々な感情やドラマがありました。 「第二音楽室」 第二音楽室は屋上にたった一つだけある教室。...

小学校、中学校、高校での、それぞれ音楽に関するお話の中短編集。 「デュエット」「FOUR」は中学生、「裸樹」は高校生が主役のお話。まだまだ、子供のような、彼、彼女らのお話しにもそれぞれ、様々な感情やドラマがありました。 「第二音楽室」 第二音楽室は屋上にたった一つだけある教室。 後ろ姿だけイケてる男子、久保田。 体の大きいジャンボ山井。 クラスで一番頭がいい女子ルーちゃん。 無口で絶対音感のある江崎。 のんびりやの佳代。 そしてウチこと史江。 クラスで六人だけの5年生鼓笛隊のピアニカ組。 漫画、ゲーム、ルーちゃんが持ってきたポテチ、チョコ、キャンデイ、カフェオレの甘く香ばしいにおい。 江崎が弾く、モーツァルトのピアノソナタ第15番ハ長調。 第二音楽室の秘密基地、楽しいお茶会、独り占めした屋上の遊び。 イカれた最高のパーティ。 何か大事なものをなくした気がするのに、そう思っているのが、ウチ一人のような気がして少しさびしい。 第二音楽室からピアノの音。 江崎だ、あの曲だ。 みんなが来なくなった第二音楽室に江崎が一人だけ来て、もくもくと練習していたことを考えると胸が痛くて泣きたくなった。 「史江って、江崎が好きなの?」 「よくわかんね。でもあいつドの音がわかるんだよ。絶対音感」 五年ピアニカ組。

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2018/07/08

十代(小学五年生も辛うじて十代だ)の女の子たちを主人公にした短編小説集。 それぞれの短編の関連はない。 ただ、どれも少女たちの心を繊細に描いていく中で、音楽が重要な役割を持つという共通性がある。 鼓笛隊の「あまりもの」、ピアニカ組になった男女のグループ。 全体としてはちょっとや...

十代(小学五年生も辛うじて十代だ)の女の子たちを主人公にした短編小説集。 それぞれの短編の関連はない。 ただ、どれも少女たちの心を繊細に描いていく中で、音楽が重要な役割を持つという共通性がある。 鼓笛隊の「あまりもの」、ピアニカ組になった男女のグループ。 全体としてはちょっとやさぐれた感じが漂う彼らの秘密基地、第二音楽室。 主人公フーミンは、江崎という男子がモーツァルトの15番のソナタを、特に目的があるわけでもないのに少しずつ練習していく姿に、恋愛感情というのではなく、心惹かれる。 「デュエット」は一番短く、ここの作品の中では最ものんびりした雰囲気。 (申し訳ないけれど、あまり印象に残らなかったかも。) 「FOUR」は、もっと恋愛要素満載の短編。 卒業式での演奏のために、選抜された男女4人のリコーダーカルテットの物語だ。 中学一年のスズは、リコーダーの演奏技術に内心自身がありながら、うまく歌えないことをコンプレックスに感じている。 カルテットのメンバーである、同級生の中原に惹かれているのに、それをうまく表現できないのも、きっとそんな彼女の性格に関わっている。 中三が手の届かない大人に見えたり、うまく気持ちを伝えられなくて自分自身がもどかしかったり、という姿が、共感をそそる。 最後の作品、「裸樹」は、打って変わって痛々しい。 中学の時、些細なことからいじめを受け、高校に入った現在も、フラッシュバックに苦しむ望。 不登校に陥った彼女を支えたのが、インディーズでカリスマ的な人気を誇る裸樹の曲を歌ってくれた人。 高校ではノン太というお笑いキャラを作り、何とかやっていこうとしているが、ちょっとした発言、周りからの評価で立場が危うくなるのではというヒリヒリした気持ちは、読んでいて辛くなる。 そんな彼女が軽音部に入り、居場所を作って、少しずつ前に進んでいけるようになる。 十代の痛みって、こんなだったなあ、と思い出されてきた。

Posted byブクログ

2017/07/25

音楽を題材にした小説が好きで、もっというと音楽室が風景に出てくる小説が好き。 中高と吹奏楽部に所属をし、青春時代の大半を音楽室で過ごしただけあって自分にとって大事な場所だからなのか。 第二音楽室は吹奏楽部員の物語ではなく、音楽に触れたことのない子や音楽に救われた子等、様々な子達が...

音楽を題材にした小説が好きで、もっというと音楽室が風景に出てくる小説が好き。 中高と吹奏楽部に所属をし、青春時代の大半を音楽室で過ごしただけあって自分にとって大事な場所だからなのか。 第二音楽室は吹奏楽部員の物語ではなく、音楽に触れたことのない子や音楽に救われた子等、様々な子達が様々な楽器(声)に出会いその中で葛藤し、成長する短編小説だ。 音楽に触れ合う中で青春を謳歌する彼女達に昔の自分を重ねたり、音楽で周りが変わるこの感じがとても良かった。 個人的には最初の「第二音楽室」、「FOUR」が好きだった。 リコーダーの種類があんなにあるのも驚き。

Posted byブクログ

2016/09/04

自分には全く無縁だった甘酸っぱい青春が詰まった短編集。お気に入りは『FOUR』。いつか西澤君の思いが伝わりますように。

Posted byブクログ

2014/09/10

【音楽が少女を、優しく強くあたたかく包んでいく】学校×音楽シリーズ第一弾は、音楽室が舞台の四篇を収録。落ちこぼれ鼓笛隊、合唱と淡い恋、心を癒す歌、懐かしく切ない少女の物語。

Posted byブクログ

2014/06/29

佐藤多佳子作品の青春感とノスタルジーは何なんだろう。 「デュエット」は高校の音楽の授業を思い出しました。 *第二音楽室 *デュエット *FOUR *裸樹

Posted byブクログ