第二音楽室 の商品レビュー
鼓笛隊のようなグループにおいてクラスメイトのほとんどが前年とは違う個性的な楽器を手にする中、前年と同様リコーダーを手にすることとなった6人組が、学校果ての地・第二音楽室で秘密の時を共有する話。
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「学校」と「音楽」をキーワードにした短編集。 リコーダーアンサンブルに参加する小学生やら、 軽音楽部でベースを弾く女子高生やら、 登場人物はみな音楽を「演奏する側」の人。 みなアマチュア...と言うか子供や若者で、 決して上手・立派な演奏をしている訳ではない。 むしろ「初心者が...
「学校」と「音楽」をキーワードにした短編集。 リコーダーアンサンブルに参加する小学生やら、 軽音楽部でベースを弾く女子高生やら、 登場人物はみな音楽を「演奏する側」の人。 みなアマチュア...と言うか子供や若者で、 決して上手・立派な演奏をしている訳ではない。 むしろ「初心者が頑張ってる」シーンの連続。 だが、自分の演奏のふがいなさにもがく中で、 ふと訪れる「息が合ったときのゾクッとする心地よさ」 を丁寧に描いていて、そこにぐいぐいと引き込まれる。 演奏する側に回ったことのある人なら、 一度は経験したことがあるモーメントでは。 自分の出す音だけに集中している時期から、 だんだん「周りの音」が聞こえるようになって来て、 ふと迎える「息が合った」瞬間の快感。 巻末の解説に「言葉で音楽を伝えることはできないが 音楽に向き合う人の心を描くことはできる」 という主旨のことが書いてあったが、至言である。 現役はもちろん、かつて「演奏する側」だった人は 「あ〜、音楽やりて〜!! 打ち込みとかじゃなくて 人間同士で音出して〜!!!!!」と熱望すること必至(^ ^; つい興奮してしまいましたが(^ ^; もちろん楽器の演奏だけを描いた小説ではなく、 幼いなりの恋愛感情なり、いじめ含む人間関係なり 音楽を軸にしつつそれぞれのストーリーがちゃんとある。 でも、読後感として残るのは演奏シーンが強い。 それだけ印象的に描かれている訳でもあろうし、 また人を、大きく言えば人生を変えることもある 「音楽の力」みたいなものの強さとしなやかさが 上質の映画のラストシーンのような読後感と共に薫る。 そんな「ミューズの神に愛された」秀作たちです(^ ^
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鼓笛隊のあぶれ者。 私もそうだったからすごく共感できた。 でもこの子たちみたいにはいかなかったなあ。 こんなに心を動かされたり人と心を分かち合えるなんて。 羨ましくてしかたない。
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学校で音楽する短編集。 あの頃はその世界がほぼ全てなんだけど その中で精一杯悩んでがんばっているんだ。 音楽に上手い下手はあれど それよりも結局は人の感じ方なんだな。
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裸樹がいちばんよかった。 ああいう少しかなしい登場人物がでてる方が、 佐藤さんのお話は好きになれる気がした。
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何気ない、青春の1ページを そのまま切り取ったような、4つのお話。 音楽によって変わる気持ち、 変わる人間関係。 そんなテーマ。 まだまだ青臭い、中学生、高校生たち。 すべて一人称は、主人公の女の子。 たまに、~だよね。とかって語りかけてくるのがちょっと苦手だったんだけど...
何気ない、青春の1ページを そのまま切り取ったような、4つのお話。 音楽によって変わる気持ち、 変わる人間関係。 そんなテーマ。 まだまだ青臭い、中学生、高校生たち。 すべて一人称は、主人公の女の子。 たまに、~だよね。とかって語りかけてくるのがちょっと苦手だったんだけど、 (多分私は入り込んで、主人公になって読む派なので、話しかけられると覚める) すごく読みやすいし、一瞬で読めた。 最後の話はすごく大きな心の変化、 環境の変化があって、 クライマックスがあってのラストだったけれど、 他の話は、特になにかが大きく変わるわけではなく、 誰でも感じる、淡い恋心だったりを すこーし感じて終わる。 たしかに、 何気ないことがかけがえのない、大事件な時代が私にもあった。 ほんのり懐かしさが込み上げる、 言ってしまえば、ただそれだけの作品。
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音痴で音楽センスほぼ無しの僕でも、アンサンブルしたいなって思います。誰かと音が合ったら心地良いんだろうなと。よし、未熟なハーモニカ頑張ろうっと。
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小学校、中学校、高校と、それぞれの世界で関わる音楽、そして仲間との出会いが、丁寧に描かれています。 ラストの『裸樹(らじゅ)』が一番好きでした。 中学時代にいじめにあって以来、友達との距離感をうまくつかめずにいる望。 心に傷をおった彼女が出会った歌、『裸樹』。 ギターを覚え、自...
小学校、中学校、高校と、それぞれの世界で関わる音楽、そして仲間との出会いが、丁寧に描かれています。 ラストの『裸樹(らじゅ)』が一番好きでした。 中学時代にいじめにあって以来、友達との距離感をうまくつかめずにいる望。 心に傷をおった彼女が出会った歌、『裸樹』。 ギターを覚え、自力で弾けるようになった頃、軽音楽部に入ることになります…。 きっかけは、いろいろですが、どの作品にも音を重ね合わせていく楽しさが溢れています。 合奏やバンド、仲間との衝突は避けられませんが、一つの音楽になった時の喜びが伝わってきます。
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「聖夜」に連続して読了。 「聖夜」より好きだった。こっちの方が読みやすい感じだからかもしれないけど。 どれも雰囲気は似てるんだけど「FOUR」が一番いいかな。 やっぱり佐藤多佳子は文章がうまくてキレイだなと思う。 ★4つ気味の3つ。
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読み始めは登場人物の名前、言葉遣いから性別がなかなか判断出来なかった。多分、今時の子どもってこういう感じなんだろう。
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