Gene Mapper の商品レビュー

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70件のお客様レビュー

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2024/11/27

「マン・カインド」を読んで、続いて年代を遡って自費出版の初期作品(恐らく)の改稿版となるこちらを。基本的に拡張現実が当たり前になった近未来であることや、遺伝子工学といった基本設定は「マン・カインド」と似ているなと感じ、なるほど初版が10年以上前と考えると、その間拡張現実の表現など...

「マン・カインド」を読んで、続いて年代を遡って自費出版の初期作品(恐らく)の改稿版となるこちらを。基本的に拡張現実が当たり前になった近未来であることや、遺伝子工学といった基本設定は「マン・カインド」と似ているなと感じ、なるほど初版が10年以上前と考えると、その間拡張現実の表現などを磨かれてきた結果の「マン・カインド」の表現だったのかと納得。 展開的にはかなりの部分が謎が謎呼ぶで風呂敷広げすぎてる感がありつつも、ラストの怒涛の爽快感でスッキリできました。他の作品もまた読んでみようと思います。

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2024/02/06

2010年代に行われた“遺伝子組み換え作物”は既に時代遅れとなり、作物の性質や色・形までも完全に遺伝子設計された“蒸留作物”が食卓の主役となった近未来の世界。 遺伝子デザイナーの林田は、自分が設計した稲が遺伝子崩壊した可能性を告げられ、原因究明のために発注元のエージェント・黒川と...

2010年代に行われた“遺伝子組み換え作物”は既に時代遅れとなり、作物の性質や色・形までも完全に遺伝子設計された“蒸留作物”が食卓の主役となった近未来の世界。 遺伝子デザイナーの林田は、自分が設計した稲が遺伝子崩壊した可能性を告げられ、原因究明のために発注元のエージェント・黒川と共にベトナムへ向かう。 藤井太洋さん、初読。 うわわわ、カッコいい! めちゃくちゃ面白かった! 仮想現実やアバター同士のやり取りなどが日常としてありながら、ベトナムの蒸し暑さや甘すぎるコーヒー、データが直接送り込まれる感覚の気持ち悪さなどがリアルで、この世界にあっという間に没入して、酔える。 黒川さんの本当の肉体が超絶美少女とか、しょうもないサービスもなく、どこまでもクールでストイック。 何より、作中の人物がそれぞれに魅力的…人間的と言い換えても良いのか?拡張現実を通して、外見も感情表現も補正してアバター同士で接していても、気持ちのいい相手だと感じたり、お互いを信じ合える、その感性が瑞々しいことに驚く。 いま、パソコン通信時代から、まだ崩壊していない〈インターネット〉で、一応顔を合わせてオンライン会議がやれる時代まできた。 それでもまだ、文字を通して感じていた印象とリアルな人物とのギャップが酷かったり、対応スピードの要求に消耗したり、AIに書かせた文章はどうなんだとか、口コミが信用できるのかとか、そんなところにいるんだけれど… もう少し未来の、すぐそこには、こんな未来があるのかも。 ラストで、革新的な技術を封じ込めてコントロールしようとせず、オープンにして未来を目指そうという林田の決断も、SFの魅せてくれる希望だろう。 まだ未読の作品があるのが嬉しい。楽しみ!

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2022/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

近未来を描いた物語。 単語や背景の理解に最初時間がかかったものの、本当にありそうな話しで一気に読むことができた。 よくある?遺伝子を組み替えるのではなく、遺伝子すべてを人工的に作りそれが生命として誕生する、なんてできるのか?と読み終わった後考えてしまいました。すごくおもしろかったです。

Posted byブクログ

2022/03/17

私にとっては、おもしろいんだけども、めっちゃくちゃおもしろいわけでもない、くらいでした。 あと表紙のイメージほどSFっぽくないというか、いや、しっかりSFなんだけど題材が地味というか……。 たとえば攻殻機動隊であれば光学迷彩で体を透明に見せたりするけども、そういうもんじゃなく、...

私にとっては、おもしろいんだけども、めっちゃくちゃおもしろいわけでもない、くらいでした。 あと表紙のイメージほどSFっぽくないというか、いや、しっかりSFなんだけど題材が地味というか……。 たとえば攻殻機動隊であれば光学迷彩で体を透明に見せたりするけども、そういうもんじゃなく、いまのzoomとかが進化してバーチャル空間がめちゃくちゃ進化してるでぇくらいの。 お話のメインは作物なので、地味と感じる理由はそこにもある。遺伝子組み換えがめっちゃ進化したから、最強のお米作れるで!イネ自体に色つけて最強の田んぼアートもできるで!光ったりするで!みたいな話。

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2021/12/14

ソフトウェア×遺伝子工学の近未来を描いた作品。ミステリー仕立てで最後まで飽きずにハラハラ読めた。ツールのインターフェースや、コードの書き方でauthorの技術力がわかるなどエンジニアあるあるみたいなネタも散りばめられていた。メッセージとしては、テクノロジーの急速な発達に対する人々...

ソフトウェア×遺伝子工学の近未来を描いた作品。ミステリー仕立てで最後まで飽きずにハラハラ読めた。ツールのインターフェースや、コードの書き方でauthorの技術力がわかるなどエンジニアあるあるみたいなネタも散りばめられていた。メッセージとしては、テクノロジーの急速な発達に対する人々の見方の正しい姿を描いている。MR技術を身体改造によって受け入れられている社会の実現性に関しては疑問を抱いた。

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2021/12/11

遺伝子をマークアップし、スタイルシートでデザインして遺伝子組換作物をフルスクラッチで作ると言う発想がまず面白い。それを取り巻く環境や背景の設定もかなり綿密で「いつか本当にこうなるかも」と思わせるリアリティすらある。 科学的な知識がなくてもスムーズに読ませる明快さ、ギブスンやディッ...

遺伝子をマークアップし、スタイルシートでデザインして遺伝子組換作物をフルスクラッチで作ると言う発想がまず面白い。それを取り巻く環境や背景の設定もかなり綿密で「いつか本当にこうなるかも」と思わせるリアリティすらある。 科学的な知識がなくてもスムーズに読ませる明快さ、ギブスンやディックを思わせる拡張現実の描写も見事でこれがデビュー作とは思えないほど。面白かった。

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2021/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

将来は、この本のように完全人工な動物や植物ができると思います。 人間は一つの遺伝子が欠落、もしくは異常を持っているだけで、完治が難しい病を患ってしまう、か弱い生き物です。 だからこそ、希望を持ち技術と向き合う必要があります。 私の頭が悪いせいですが、設定に入り込むのに少し時間がかかってしまいました・・・

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2021/01/27

藤井太洋「GENE MAPPER」読了。組換え作物に関する賛否はあるが、食糧問題が今後気候変動の影響で喫緊の課題になる可能性があるのならば、本作の題材はとても示唆に富むものだと思った。遺伝子を操作する事は多くの問題を引き起す可能性があるが、一方でその恩恵がある事も冷静に評価するべ...

藤井太洋「GENE MAPPER」読了。組換え作物に関する賛否はあるが、食糧問題が今後気候変動の影響で喫緊の課題になる可能性があるのならば、本作の題材はとても示唆に富むものだと思った。遺伝子を操作する事は多くの問題を引き起す可能性があるが、一方でその恩恵がある事も冷静に評価するべきである。

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2020/04/15

SFとしての近未来感がいかにもありそうで、引き込まれる。ちょっと話がうまく出来過ぎてる感じがあるが、主人公の葛藤とか何らかの妨害や圧力なんかがもっと描かれてもよかったのではとは思う。 シンプルなストーリーな分、非常にきれいにまとまっているし、技術的な説明もちょうどいいくらいにまと...

SFとしての近未来感がいかにもありそうで、引き込まれる。ちょっと話がうまく出来過ぎてる感じがあるが、主人公の葛藤とか何らかの妨害や圧力なんかがもっと描かれてもよかったのではとは思う。 シンプルなストーリーな分、非常にきれいにまとまっているし、技術的な説明もちょうどいいくらいにまとまっていて、クライマックスにいくほど引き込まれる 終わり方も心地よい

Posted byブクログ

2020/02/15

近未来のテクノロジーについてのきめ細やかな設定もSF好きにはたまらない内容でしたが、それに負けないくらい登場人物がとても魅力的に描かれていました。

Posted byブクログ