風のローラースケート の商品レビュー
収録されている『花びらづくし』 小学生の頃に読んでから、心の隅にずっと残っていたお話でした。 タイトルも著者も思い出せないまま、 なんとなくの記憶で探し続けて。 やっと、再び出会うことができました。 ふんわりと心が優しくなれて、子供のように心躍る、 20年ぶりに読んでもやはり素...
収録されている『花びらづくし』 小学生の頃に読んでから、心の隅にずっと残っていたお話でした。 タイトルも著者も思い出せないまま、 なんとなくの記憶で探し続けて。 やっと、再び出会うことができました。 ふんわりと心が優しくなれて、子供のように心躍る、 20年ぶりに読んでもやはり素敵なお話でした。 ほかのお話も可愛くて楽しくて、一度に読み切ってしまいました。
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- ネタバレ
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声に出して読んで1番心地よいのが安房直子さんの作品。もっと読んでとせがまれるまでもなく、いつまでも読んでいたいと思ってしまう。とにかく豊か。ごく自然な言葉づかいなのにどうしてこんなに引き込まれ魅了されるのか不思議。町から山にやってきて茶店を開いた茂平夫妻の周りで起きる出来事を描いたバラエティーに富む連作短編。スピード感とユーモア溢れる表題作から背筋の凍るような話まで。巻末には安房さんの「ファンとして」やなせたかしさんの言葉が。
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あいかわらず安房さんの世界は、ふんわりとやわらかく 居心地がよい。 寝る前に一編ずつ読むのにぴったり。 しあわせな数日をすごさせてもらいました。 山の童話、とあるように、山の動物だちとの交流(?)ものがたり。 ただ、交流といっても、心温まる心の交流、というよりは、 隣人としての...
あいかわらず安房さんの世界は、ふんわりとやわらかく 居心地がよい。 寝る前に一編ずつ読むのにぴったり。 しあわせな数日をすごさせてもらいました。 山の童話、とあるように、山の動物だちとの交流(?)ものがたり。 ただ、交流といっても、心温まる心の交流、というよりは、 隣人としての、という感じ。 同じ土俵にのってはいるんだが、違う存在であることは確か、というような・・・。うーんうまくいえないんだが・・・。 でも、それでもほんわかいい気持ち。 まあ、谷間の宿、はちょっとコワかったけれども・・・。 花びらづくし、はちょっと恒川さんの夜市を思い出させた。 一番好きなのは、月夜のテーブルかけ、だな。 是非とひと晩泊めて頂きたいものです。
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安房直子って人間と動物のファンタジックな交流を描く作品が多くて、あんまりたくさん読むと、どれもおんなじ感じがしてしまうのだが、たまに思い出して読むと、なかなかいいのよね。 表題作のローラースケートのシーンは風を切る音が聞こえてきそうだし、猿が作った小さいつづらやキツネのめんこは欲...
安房直子って人間と動物のファンタジックな交流を描く作品が多くて、あんまりたくさん読むと、どれもおんなじ感じがしてしまうのだが、たまに思い出して読むと、なかなかいいのよね。 表題作のローラースケートのシーンは風を切る音が聞こえてきそうだし、猿が作った小さいつづらやキツネのめんこは欲しくなる。「ふろふき大根の夕べ」「花びらづくし」なんかアニメにしてもよさそうだ。(ジブリの短編かなんかで。CGじゃなく、手描きアニメ) 個人的にはちょっとホラーっぽい「谷間の宿」が好き。 小沢良吉の絵はいいんだけど、天狗が、文では普通の天狗なのに、挿絵はカラス天狗になっていたのが残念。よく読まずに描いたんだろうか・・・。
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小沢良吉の絵が好きなので表紙買いした1冊。 茂平茶屋を取り巻く山の動物たちや、山に暮らす人たちとの関わり合いが楽しい。 短編ばかりなので読みやすい。 和み系の物語だけでなく、ゾッとするような話もあって表情豊かな本だと思った。
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峠の茶屋を中心に、人と動物とが出会う連作短編童話集。 出てくる人は様々。動物も様々。ほのぼの心温まるものもあれば怪談風の話もある。 だけど全体には統一感がある。 峠の主人は茂平さん。名前からして昔話のおじいさんかと思いきや、ローラースケートが出てきたりベーコンを作ったりするよう...
峠の茶屋を中心に、人と動物とが出会う連作短編童話集。 出てくる人は様々。動物も様々。ほのぼの心温まるものもあれば怪談風の話もある。 だけど全体には統一感がある。 峠の主人は茂平さん。名前からして昔話のおじいさんかと思いきや、ローラースケートが出てきたりベーコンを作ったりするような若主人。 こんな風に優良なお話が詠み人知らずで広まると「昔話」になるんだろうなと思いながら読んだ。 ファンタジーだけど地に足がついた印象なのは、きっとキャラクターがまっとうだからだ。 ルールを破って危ない目に合う王道もあるけれど、約束を破らなくてもちゃんと話になってる。 登場人物たちは、手仕事をしたり、友達と会ったり、特別なお出かけにはおめかししたり、当たり前の日常を丁寧に生きている。 そういうところも好感が持てる。 たとえば「小さなつづら」の老夫婦とさるは、べっとりと慣れ合うことはせず心配はする。 赤い蝋燭と人魚とは正反対の健全な距離を保っている。 「てんぐのくれたメンコ」では、人の子がけた外れにつよいメンコでキツネの子のメンコをどんどんとっていく。 そんなのかわいそうだとキツネの親が抗議にくるけれど、大人の力で取り上げるのではなく、子供に力を与えて、あくまで勝負で取り戻させようとする。 「ふろふき大根のゆうべ」の、たまたまゆき合ったいのししにやるために一番いい大根を選ぶとか、奥さんを亡くしたときに友人が温かい食事で元気づけてくれたんですよって話もしかり。 他者とのかかわりかたが成熟している。 話自体もさることながら、文章が美しい。情景が鮮やかに目に浮かぶ。 言葉のリズムが気持ちいいから読むのが楽しい。音読にもいいかも。 ビニール傘をさして家を訪ねてくるたぬき(はみだしたしっぽは濡れている)だの、 ほっかむりをして「まっ暗闇の中を、まっ黒いからだで、まっしぐらに走る」いのししだの、 ちょっとした動作までかわいい。 楽しい読書だった。 読みたくなった本 「赤い蝋燭と人魚」 「車の色は空の色」「つくろいもの屋はじめます」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4035166103ひらひらと笑う蝶 「森からの手紙」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4591090353どうぶつたちのやりとりと、ババロワさんの怖さと。あの不気味さは「注文の多い料理店」っぽくもある。 「リンゴ畑」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4001150840と「ヒナギク野」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4001150859のマーティン・ピピン。野原の風景
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