歌舞伎のぐるりノート の商品レビュー
歌舞伎座の七月大歌舞伎が大人気でどうしても夜の部のチケットしか取れず、昼の部を諦めきれなくて一幕見席を狙って早朝に行っても秒殺で売り切れ(涙)……夜の部までの長ーい時間つぶしのために冷やかしのつもりで入った土産物屋でこの本を発見して購入。おかげで首尾よく時間をつぶせて帰りの電車...
歌舞伎座の七月大歌舞伎が大人気でどうしても夜の部のチケットしか取れず、昼の部を諦めきれなくて一幕見席を狙って早朝に行っても秒殺で売り切れ(涙)……夜の部までの長ーい時間つぶしのために冷やかしのつもりで入った土産物屋でこの本を発見して購入。おかげで首尾よく時間をつぶせて帰りの電車の中で読了。 中野翠女史のイラスト入り映画評が大好きで、一時期かなり耽溺していたものだが、洋画をあまり観なくなってから自然と中野女史の文章からも遠ざかってしまっていたことに今さら気づいた。女史が歌舞伎や落語にも造詣が深いことは知っていたが、1冊にまとまるほど歌舞伎評を書いていたとは。 久しぶりに読んでみると、やっぱり面白い。そしてあまりにも共感ポイントが同じことにも驚嘆した。洋画(というか、西洋人)に対するスタンスは女史と私とではかなり違う点も多いのだが、歌舞伎に対するスタンスはむしろ気味が悪いほど共通している。菊之助が主演した映画『怪談』や今日観た演目の『熊谷陣屋』については私の感想とほとんど全く同じ感想が書いてあってびっくり。昨今の若い女の子の浴衣に対する感想なんかも(笑)。中野さんも八犬伝が大好きなんだって~~?! 私も私も私も!! だから昼の部の第一幕だけでも観たかったんだ~~~!! 最も共感した一文を引用しておいた。私が歌舞伎や源氏物語やシェイクスピアを愛する気持ちが、まさにそれなのだ。
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こんな風に歌舞伎を語れることが羨ましい。 私も歌舞伎に惹かれているのは、それぞれの役者さん(特に女形)の所作の美しさ、オーラ、そして着物、舞台の美しさである。 反面、ストーリーは同調できない、時には反感を覚えるもののほうが多い(今月の文楽がまさしく)ので、その辺はどんどん読めた。...
こんな風に歌舞伎を語れることが羨ましい。 私も歌舞伎に惹かれているのは、それぞれの役者さん(特に女形)の所作の美しさ、オーラ、そして着物、舞台の美しさである。 反面、ストーリーは同調できない、時には反感を覚えるもののほうが多い(今月の文楽がまさしく)ので、その辺はどんどん読めた。 結論としては、なんだかんだ言ってないで、どんどん観るしかないのね。 そして自分の感性を信じられるようにならないと何も語れないのね。
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歌舞伎とその周辺に関するコラム集。10年以上歌舞伎を見ているが、中級者にもなれない読者として、何十年見てきても通になれないという著者に共感した。巻末の十年以上前の中村勘九郎(当時)、丸谷才一と著者の座談も面白い。
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タイミング的に、新歌舞伎座こけら落としに合わせて出版されたと思われる、『演劇界』に著者が連載していたここ数年のコラムをベースにまとめられた本。雑誌コラムなので1セクションが1~2ページの短さで読みやすい。 著者の中野翠さん、文化芸術全般にとても造詣が深くていらっしゃるが、それでも...
タイミング的に、新歌舞伎座こけら落としに合わせて出版されたと思われる、『演劇界』に著者が連載していたここ数年のコラムをベースにまとめられた本。雑誌コラムなので1セクションが1~2ページの短さで読みやすい。 著者の中野翠さん、文化芸術全般にとても造詣が深くていらっしゃるが、それでも本書のスタンスは「歌舞伎通の私が歌舞伎のことを教えてやろう」というのではなく、一歌舞伎ファンとして「例えば私はこんなふうに歌舞伎を楽しんでいるよ」という感じに一緒に観客席にいるようなものである。とは言ってもその博学さ、ご自分の趣味趣向をはっきり把握しておられるところ、その明白な立場からスパッと率直にものを言うところ…に大人の女の貫禄があり、三浦しをんの、友だちみたいに連れ立って劇場に行けそうな気安い文楽エッセイとはまた違って、常に斜め数十歩前を着物で歩いている憧れの姉さん(でも私みたいなつまらない女がそうやって付き纏っても嫌がられるかも、みたいな近寄りがたさもありつつ)的な雰囲気。 中野翠さんという方は、私は恥ずかしながら存じ上げなかったが、ちょっとばかしぐぐってみると、文化芸術社会みたいなテーマに関して「ザ・文筆業」といったお仕事をされているんですね。和洋問わずファッションにも一家言ありそうで、また本書の挿絵もご本人が書いてそうなんだがこれがまた上手くて、文系四大卒以上の女なら少なからず憧れを持たずにはいられない存在と言えよう。趣味や主義の合う合わないは当然あるにしてもね。他の著作も読んでみたい。 本書では歌舞伎を出発点に、関連する(あるいは著者が連想した)古今東西の映画や落語や書籍などがたくさん紹介されているので、歌舞伎自体にあまり触れたことがなくても、波長さえ合えばきっと楽しめると思います。
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