税理士のための賃貸不動産をめぐる税務と承継 の商品レビュー
賃貸不動産の取得・保有・承継等の各段階における税務を横断的に解説した意欲作。筆者は上西左大信税理士と竹内春美税理士なだけに信頼感・安心感のある書籍だ。ただ平成25年3月発刊なので内容的にかなり陳腐化してきている。改訂版が望まれるところだ。 P172 2相続税の取扱い (1)駐車場...
賃貸不動産の取得・保有・承継等の各段階における税務を横断的に解説した意欲作。筆者は上西左大信税理士と竹内春美税理士なだけに信頼感・安心感のある書籍だ。ただ平成25年3月発刊なので内容的にかなり陳腐化してきている。改訂版が望まれるところだ。 P172 2相続税の取扱い (1)駐車場の評価 貸駐車場としての契約は、一定の時間(期間)内、自動車を駐車させるという役務の提供に対する対価を得る行為であって、駐車場の利用者に排他的な占有権を移転させるものではなく、その駐車場の利用権はその土地自体に権利が及ぶものではありません。したがって、駐車場用地の相続税評価額は、自用地評価となり小規模宅地等の特例の適用はありません。青空駐車場や機械式駐車場も同様に自由地評価となります。しかし、売却しやすいことから、相続税の納税資金を確保したり、譲渡代金を相続人間で分割したりしやすい利点があります。また、物納する場合は、自用地の評価額で納税することができます。駐車場の用に供されている土地が、賃貸建物(ビル、マンション、アパートなど)に隣接しており、かつ、その賃貸建物の入居者のみに貸し付けている場合は、その敷地全体を貸家建付地として評価することができます。これは、駐車場が賃貸建物の土地と一体として建物の敷地の用に供されていると考えられるからです。この場合、賃貸建物と駐車場について別々に契約されていても問題ありませんが、入居者と入居者以外の者が混在してその駐車場を利用している場合には、貸家建付地としての評価はできず自用地評価となります通常は入居者のみに駐車場を賃貸した方が評価額は低くなりますが、駐車場と一体評価することによって、側方、角地、裏面加算など土地の接道状況が変わることにより、評価額がかえって高くなることもあります。 また、土地所有者の賃貸建物である大型ショッピングセンターやファミリーレストランの敷地に隣接する駐車場については、その敷地割合がかなり広くても、利用者の専用駐車場であれば、その駐車場を単独で評価するのではなく、敷地全体を貸家建付地として評価します。
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