まちづくり:デッドライン の商品レビュー
場所を変えて商売をするのではなく、そこの場所で挑戦しなければならない。 そこに必要なのは、そこにしかない物や人や空間。 変わることを選ばなければ、衰退していく。 まずは柔軟な考え、新しいことへ挑戦する一歩を踏み出したい?
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『まち』の衰退に対して問題意識を持ち、今後も生活の場所として持続させるために何らかの行動が必要だと感じている全ての人に向けた一冊。 『まち』を新しい時代に対応できるカタチにつくり変えるための“教科書”。高度成長の時代と同じ発想のままでは、「まち」という大切な場所が廃墟になってしま...
『まち』の衰退に対して問題意識を持ち、今後も生活の場所として持続させるために何らかの行動が必要だと感じている全ての人に向けた一冊。 『まち』を新しい時代に対応できるカタチにつくり変えるための“教科書”。高度成長の時代と同じ発想のままでは、「まち」という大切な場所が廃墟になってしまう。これからは、昔の発想とは真逆の方法と行動が求められる。 ポンチ絵も多くて、読みやすく、成功事例もたくさん載せてあって読み応えたっぷりでした。
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「まちづくりに携わっている人々はふたつに分かれる。ひとつは戦後50年近く続いた経済成長と成熟を体感してきた世代と、もうひとつは、バブル崩壊後の20年あまりの縮小と低迷の時代しか体感していない世代である。ふたつの間には大きな意識のギャップがあって、活性化のイメージもバラバラなので、...
「まちづくりに携わっている人々はふたつに分かれる。ひとつは戦後50年近く続いた経済成長と成熟を体感してきた世代と、もうひとつは、バブル崩壊後の20年あまりの縮小と低迷の時代しか体感していない世代である。ふたつの間には大きな意識のギャップがあって、活性化のイメージもバラバラなので、意見がまったくかみ合わない。」(p36)という木下氏の意見は、ハッとし、なるほどと納得した。 私はもちろん前者の世代であるが、いまの若い世代の感覚は決定的に違うらしい。 われわれが考える繁栄とは、どうしても高度経済成長期のそれに引っ張られる。 典型的なのがバブルの時代で、あらゆることが軽躁的でバラ色だった。 インド映画のカラフルで楽しいダンスシーンみたいな時代。 みんな若くてバカでちょっとセクシーでもあった時代。 (もう一度繰り返したいかというと、それはまた別) ただし、これは、一時的な現象であって、少子高齢化の進展とともに、状況は反転する。 これから考えるべき街づくりは、 「縮小を続ける国内需要に対応し、まちをそれに合わせてどうつくり変えて維持していくのかという点に目を向けなければならい」(p47) という本書の指摘はまったくその通りだろう。 高齢化した商店主たちがそれに気づいているかというと、それはなかなか難しい。 過去の輝かしい成功体験があるし、うまくいかないとうすうす気がついていても、歳をとっては頭を切り替えが困難だ。 かれらの出番はもうないので、次の世代に期待するしかない。 だが、問題なのは、その動きを支援すべき国や自治体までもが、まだ状況の反転に自覚的ではない点で、過去の栄光を夢見みて、逆に足を引っ張っているのではないかという点だ。 第2章の戦後から現在までのまちをめぐる経済の成長と衰退を説明した章は、非常に説得的でタメになった。 言われてみればそのとおりだが、言われるまでは気づかなかったことを多々教えてくれる。
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全国各地の地方都市は、時間的な問題(人口減少と内需縮小)と空間的な問題(まちの適正な規模維持の困難さ)、二つの面でデッドラインを迎えつつある。 これに対応するためには、まちを舞台にして行われる経済活動の流れ(バリューネットワーク)の概念を理解し、さらにその仕組みが時代の変動ととも...
全国各地の地方都市は、時間的な問題(人口減少と内需縮小)と空間的な問題(まちの適正な規模維持の困難さ)、二つの面でデッドラインを迎えつつある。 これに対応するためには、まちを舞台にして行われる経済活動の流れ(バリューネットワーク)の概念を理解し、さらにその仕組みが時代の変動とともに適正な形に収まるようなスキームの構築が求められる。 そのスキームは結局は、「まちづくり」を持続可能な事業活動としてマネジメントできる仕組み、ということになる。 マネジメントに関わるプレーヤーは、資産を持つ不動産オーナーや、実際に現場で商売を行う商店経営者の他に、取り組みそのものを推進するプロジェクトマネージャー、魅力的な空間を生み出すデザイナー、地域との絆をつなぐコネクション保持者など、様々なポジションの人材が必要とされる。 こうしたメンバーによる中核チームが「まち会社」を設立するところから始まる、と説かれる。 市民活動的な「まちづくり」から一歩踏み出す「必要性」と、その一歩を踏み出すための「覚悟」の双方を自覚させてくれる書籍である。 誰もが実践できることではないだろうが、まちづくりへの「関心」が「行動」につながるための実用的なヒントが得られることは間違いない。
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ここ最近自分の中でブームな木下斉氏と、こちらは初めて出会った広瀬郁氏の著書。 嶋田洋平『ぼくらのリノベーションまちづくり』と清水義次『リノベーションまちづくり』、そして木下斉『稼ぐまちが地方を変える』を三部作としていましたが、こちらの本もそのラインナップに加えられます。笑 リノ...
ここ最近自分の中でブームな木下斉氏と、こちらは初めて出会った広瀬郁氏の著書。 嶋田洋平『ぼくらのリノベーションまちづくり』と清水義次『リノベーションまちづくり』、そして木下斉『稼ぐまちが地方を変える』を三部作としていましたが、こちらの本もそのラインナップに加えられます。笑 リノベーション事業中心であった前の2著に対して、あくまでリノベーションも選択肢の一つにすぎないとし、その他まちを守るための最低限の要素をまとめた教科書のような書籍でした。 商店街でお金が回らないという状況を、経営という切り口で捉えることで、精神論やキレイゴトに偏りのあった従来のまちづくりに警鐘を鳴らしています。 成功事例集にページ数をかなり割いていてそこも本書のメインですが、分量が大きいため冗長になってしまってるところ。 本気でまちを守りたい人のための本。
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地方都市は点から攻めて線へ、やがて面へというゲリラ的開発が真っ当。面開発なんて東京、大阪くらいしかできない。 誤植多すぎなのでマイナス1点。
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まちの振興のためにはどのように行うべきか、原因と結果をしっかり見るなどの方法論が述べられている。当たり前のことができていないのがまちづくりの分野で、気をつけなくてはいけないと思う。いくつかの事例が入っている。 地方都市は裏路地が熱い。一等地は地主のプライドで簡単に安価で貸し出さな...
まちの振興のためにはどのように行うべきか、原因と結果をしっかり見るなどの方法論が述べられている。当たり前のことができていないのがまちづくりの分野で、気をつけなくてはいけないと思う。いくつかの事例が入っている。 地方都市は裏路地が熱い。一等地は地主のプライドで簡単に安価で貸し出さないから裏に面白いのが集まる。 足を運びたくなる空間体験、空間価値がたいせつ。 市や屋台は新規出店を試す場となる。 不動産オーナー、商店経営者、消費者と金融機関、建設関係者を含めたバリューネットワーク。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第一刷とはいえ、誤植が多すぎ。 図書館で借りたで、あまりとやかく言えんけど、3ページに1箇所は誤植がある。いいことが書いてあっても信頼性が低くなる。 さらには、デザインに凝るのはいいけど、肝心の中味が伴ってない感じ。 参考になる部分もあったけど、とっても残念。
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バリューネットワーク(バリューチェーン)の基軸で従来と現在の商店街の変化を示し、ボトルネックとなる部分を照らし出す。そこからまちづくりのポイントを示して成功事例と照らし合わせる。 非常に明快で勉強になる本でした。
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地方都市でのまちづくりの取り組みとか成功事例とかが載っていて、それらを分析したまちづくりのスキームとかも載っています。 まちの仕組みを「バリューネットワーク」で捉えて、価値の流れを意識しましょうと、そしてモノが売れにくくなるので、川下の消費者から出発した事業スキームを組みまし...
地方都市でのまちづくりの取り組みとか成功事例とかが載っていて、それらを分析したまちづくりのスキームとかも載っています。 まちの仕組みを「バリューネットワーク」で捉えて、価値の流れを意識しましょうと、そしてモノが売れにくくなるので、川下の消費者から出発した事業スキームを組みましょうと。そうなると、規模の経済が働きにくいので、小資本でのヒットエンドラン作戦になるんですね。 なるほどなるほど、なんですが、地方都市の「まち」の衰退原因は需要不足ではないので、その解決策として消費者から出発する考え方というのは、一般論すぎて、それがまちの回復につながるかは少し疑問です。それ以外にロードサイド店舗とか人口移動とかの問題の方が影響が大きいと感じます。 ですが、嗜好が多様化したからこそ、まちでの消費が再び可能性を帯びてきたとも考えられます。商品の機能だけでなく、その商品を買う行為、買う場所の雰囲気とかも影響するようになると思うので、いい感じの商店の集積ができれば場所の価値が高まて人が集まる気がします。サービス業は地産地消ですからね。 さらに、都市開発的に見るとリノベーションは新築の代替手段となってるけれど、(防災とか考えると断然新築という風潮がある)リノベーション施設のほうが魅力があるという感覚はそう少なくないと思います。個人的には混ざりっ気のある雰囲気が好きです。地方都市のまちおこしが、全世界から人を集めるベースになればいいなと思います。
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