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ツリーハウス の商品レビュー

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138件のお客様レビュー

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    36

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/07/30

人が集まり互いに干渉し合わない翡翠飯店。 祖父が亡くなり、祖母と中国へ旅行を提案した孫の良嗣。 現在と祖母と祖父がどのようにして、飯店をきづいたか過去を織り交ぜながら、あまり語られなかった過去が明らかになる。 祖父母の教えは、逃げていいということ、他人に干渉することなく、各...

人が集まり互いに干渉し合わない翡翠飯店。 祖父が亡くなり、祖母と中国へ旅行を提案した孫の良嗣。 現在と祖母と祖父がどのようにして、飯店をきづいたか過去を織り交ぜながら、あまり語られなかった過去が明らかになる。 祖父母の教えは、逃げていいということ、他人に干渉することなく、各人が根無草のように流されて生きる。 そんな暮らしも悪くない。大きな展開はないけど何か温かくなるような作品。 自分も流されて日々を過ごしていると振り返る。

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2024/07/24

新宿の翡翠飯店という一軒の定食屋の家族を描いたファミリーヒストリー。 祖母と祖父が出会った満州から、叔父、叔母、父、母、そして主人公である良嗣の時代まで、根無し草のように来るもの拒まず、漂うように生きてきた家族達。 確固たる脈々とした系譜などないけど、それでも引き継がれてきた家族...

新宿の翡翠飯店という一軒の定食屋の家族を描いたファミリーヒストリー。 祖母と祖父が出会った満州から、叔父、叔母、父、母、そして主人公である良嗣の時代まで、根無し草のように来るもの拒まず、漂うように生きてきた家族達。 確固たる脈々とした系譜などないけど、それでも引き継がれてきた家族の歴史に、何か特別な意味をもたなくても、必死で生きてきたその積み重ねに、重みのような、年輪のような、深みを感じた。 そういえば、自分の祖父や祖母がどんな風に生きてきたか、よく知らないなぁ。 聞いておけば良かったな。

Posted byブクログ

2024/08/14

私は自分のルーツを知らない。 「結婚失敗した」と喚き続ける不幸せそうな母を長年見続けたいせいか嫌でも知りたくないのだ。 なので、一族のルーツを知りたいと思った良嗣は、なんだかんだ言って健全に育ったんだなと思う。笑 異国の地で敗戦を知らされ、苦労し続けた祖父母。 今日の一日を生...

私は自分のルーツを知らない。 「結婚失敗した」と喚き続ける不幸せそうな母を長年見続けたいせいか嫌でも知りたくないのだ。 なので、一族のルーツを知りたいと思った良嗣は、なんだかんだ言って健全に育ったんだなと思う。笑 異国の地で敗戦を知らされ、苦労し続けた祖父母。 今日の一日を生き延びることに必死なあまり子どもを飢えで死なせてしまうところや、お世話になった食堂の家族との別れはとても悲しかった。 そんな親の苦労を知らず平和ボケした子供たち。 必死に働き続けてる両親を見て育ったのに、みんな親不孝だ。 そしてさらに平和ボケした孫達。 特に基樹と早苗、お前らなんなん? 命を産んで繫げていくってそういうものなのかもしれない。上手くいかないのが当たり前なんだろうな。

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2024/04/14

家族でもどんなルーツがあってここまで来たのなんてやっぱり知らないから、私自身も聞いてこなかったって気づく事もあった。 きっと色んな過去があって今ある思考が形成されたり、自分にも受け継いできた事もあるんだなぁ

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2024/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

477ページの長編を久しぶりに読んだ。読む前は、途中で放置してしまうんじゃないかと思ってけど、物語に引き込まれて、みんなの人生が知りたくて、どんどん読み進めてしまった。 私には物心ついたころにおじいちゃんおばあちゃんは亡くなってたから、貴重な祖父母の人生を聞くことはできひんかった。ヤエたちは現代では普通の老人に見えるけど、壮大な人生を送ってきて、今では考えられへん人生の教訓を持っていた。逃げることはここ最近、よしとされているけど、現代の逃げるとヤエたちの逃げるは違う。命懸けで生きるために逃げ続けてきた。 それぐらいの危うさ、熱意は現代にはない気がする。 もっともっと昔の話が知りたかった。 なんの変哲もない家庭にみえるけど、ここまで深掘りできること、それぞれの気持ちが表せること、すごいの一言です。

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2023/12/31

中華料理店を営む家族の話だが、4代に渡り様々な人が登場するなかで、強かに生き抜いた泥臭いながら共感の持てる読後感を得た.藤代良嗣が祖父泰造、祖父ヤエの過去を調べる過程を中心に話が展開するが、戦前の満州、敗戦に伴う引き揚げの苦労、生きる糧を得るための出店、高度成長期のどさくさ、学生...

中華料理店を営む家族の話だが、4代に渡り様々な人が登場するなかで、強かに生き抜いた泥臭いながら共感の持てる読後感を得た.藤代良嗣が祖父泰造、祖父ヤエの過去を調べる過程を中心に話が展開するが、戦前の満州、敗戦に伴う引き揚げの苦労、生きる糧を得るための出店、高度成長期のどさくさ、学生運動など昭和の世相を織り込みながら、家族が成長していく過程が楽しめた.得体の知れない人が住み着くルーズな家風も、物語を面白くしている.弟太二郎と母文江の存在が家族の中で中心的な役割を果たしてと感じた.野崎さんの解説が物語の全体像を的確に表現していると思う.

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2023/11/09

一家のルーツを辿る行為を通して、“逃げる”ことをテーマにした小説。同じ“逃げる”でも、生きるための“逃げる”と受け入れるための“逃げる”は違う。戦うばっかりが偉いんじゃない。でも、“逃げる”この平和な時代に飲み込まれてしまってはいけない。そういうメッセージを受け取りました。

Posted byブクログ

2023/10/05

紙の月を何度も読み返すほど好きなので、角田さんの別の作品を初めて呼んだ。期待しすぎたかもしれません。

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2023/08/16

 祖父母の代から三世代の壮大なお話だった。 生きるために逃げることも必要だと、私も思うけれども、泰造とヤエはそのことを恥じていた。  それでも、生きるために逃げて逃げて、そして生き延びるために作った翡翠飯店は、家族みんなの居場所であり逃げ込む場所であったと思う。誰もがいても良い場...

 祖父母の代から三世代の壮大なお話だった。 生きるために逃げることも必要だと、私も思うけれども、泰造とヤエはそのことを恥じていた。  それでも、生きるために逃げて逃げて、そして生き延びるために作った翡翠飯店は、家族みんなの居場所であり逃げ込む場所であったと思う。誰もがいても良い場所。バラバラのような家族だけど、この翡翠飯店を起点につながっていると感じた。そして、その翡翠飯店を作った泰造とヤエは、それを誇りに思って良いのだと思った。

Posted byブクログ

2023/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 満州から、戦争から逃げてきた泰造の 「そこにいるのがしんどいと思ったら逃げろ。逃げるのは悪いことじゃない。逃げたことを自分でわかっていれば、そう悪いことじゃない。闘うばっかりがえらいんじゃない。」 という言葉が印象的だった。重かった。 同じく逃げて生き延びたヤエの、 抗うために逃げた、生きるために逃げた、 そんなだったから、子どもたちに逃げること以外教えられなかった。 というような言葉。 逃げてきたことを恥じて、苦しんだ二人の言葉。 翡翠飯店の人たちは、だらしなく逃げてばかりのように見えるけど、何も考えていないわけではないし、むしろ色々考えていて、でもうまくいかなくて、そんなところが憎めない。図太さや強さも感じられる。 家族はバラバラのように見えるけど、誰かのことを話し合ったり涙したり後悔したり、強い絆があるように思える。 賑やかで羨ましいと思う場面もたくさんあった。

Posted byブクログ