赤毛のアン スクラップブック の商品レビュー
スクラップブックを何冊も残したというモンゴメリ。そのうちの2冊について、詳細な説明や翻訳を付けて解説した本。 雑誌の切り抜きや詩やなんかを貼るスクラップがこの時代にちょっとした流行だったらしい。アンやエミリーの世界に通じる素材もたくさん集められているのが分かる。押し花や、はやりの...
スクラップブックを何冊も残したというモンゴメリ。そのうちの2冊について、詳細な説明や翻訳を付けて解説した本。 雑誌の切り抜きや詩やなんかを貼るスクラップがこの時代にちょっとした流行だったらしい。アンやエミリーの世界に通じる素材もたくさん集められているのが分かる。押し花や、はやりのファッションに身を包んだ女性の写真、オチのあるいわゆる小話など。 ほかにも、新聞の記事や手紙など、見れば当時のことが思い出せるような豊かな作り。写真のアルバムと一緒で、自分であとから眺めるの、楽しかっただろうなぁ。 モンゴメリという人がより立体的に想像できて、とてもいい。
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ヴィクトリア朝の綺麗なポストカードブックなどがお好きな方、そしてもちろん「赤毛のアン」をはじめとするアン・ブックスやモンゴメリの作品がお好きな方は必見の美しい本です。 ブログを通してお友達になった方が、ご自身のブログで紹介なさっていたことから、この本を読みました。私自身は、アン...
ヴィクトリア朝の綺麗なポストカードブックなどがお好きな方、そしてもちろん「赤毛のアン」をはじめとするアン・ブックスやモンゴメリの作品がお好きな方は必見の美しい本です。 ブログを通してお友達になった方が、ご自身のブログで紹介なさっていたことから、この本を読みました。私自身は、アン・ブックスのファンでありながら、このスクラップブックのことは全く知らず、その美しさ、センスの良さに目を見張りました。 雑誌から切り取った気に入りの詩・イラストや写真・取り交わしたカード・新聞の社交記事・可愛らしい布地。捨てたくない、自分にだけは分かる思い出のものや気に入った細々したことを留めるのが、このスクラップの目的だったそうで、色鮮やかな絵やロマンティックな雰囲気の写真など、どれも素敵でため息が出ます。 ルーシー・モード・モンゴメリという一人のうら若い女性が、カナダの地でいったいどんな人生を歩いたのかを、伝記的な考証と、作品からの引用で示しています。 プリンスエドワード島での彼女の生活が、実際どんなふうだったのか。交友関係や社交生活がどんなふうに作品に生きているのか。当時流行のモードは?詩の暗誦をするところがよく出てくるけれど、それはどんな詩?などなど、彼女の執筆した作品が、にわかにリアルな感触を持って立ち上がってくるのが、この本の大きな魅力だと思います。 そして、今からでも遅くないから、こんなスクラップブックを自分でも作ってみたくなる、そんな本でした。どんな高名な小説よりも、自分の人生こそが素晴らしいドラマかもしれず、思い出を振り返ることも、長い年月の後には、心慰められる楽しいことかもしれません。今現在の楽しみとしては、だんだん出来上がってくる好きなものや思い出でいっぱいのスクラップを眺めるだけでも心楽しい気がするではありませんか。たぶん女性だったらどなたでも、その細々とした蒐集や愛玩の時間の楽しみは、ご理解いただけると思います。 自分好みの可愛らしい箱に、お気に入りのあれこれをいれて時折眺めると同じような、そんな楽しみ。どなたも思い当たられるのではないでしょうか。本自体は、大型の美しいものなので、その内容を心ゆくまで楽しんでご覧になれると思います。迫力がありますよ。
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