法の世界からみた「会計監査」 の商品レビュー
ブログ「ビジネス法務の部屋」で有名な山口弁護士の著書。ブログもとっても面白いのでぜひ。(吉) http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/
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遅くなりましたが通読しました。会計士の先生方の考え方と、弁護士のそれとの間のミゾを検討しようというものです。示唆に富むものでした。
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企業不祥事の第三者委員会も数多く経験され、コンプライアンスに造詣の深い弁護士である著者が、会計監査をめぐって弁護士、会計士、監査役の間に横たわる大きなミゾを章ごとのテーマにまとめて考察しています。元がブログ記事なので、文体が気軽で読みやすく、この3者ともに交流ある身として、また法...
企業不祥事の第三者委員会も数多く経験され、コンプライアンスに造詣の深い弁護士である著者が、会計監査をめぐって弁護士、会計士、監査役の間に横たわる大きなミゾを章ごとのテーマにまとめて考察しています。元がブログ記事なので、文体が気軽で読みやすく、この3者ともに交流ある身として、また法学部出身の経理屋としては非常に楽しめました。 また、最後の方で触れられている、事前規制から事後規制という話の流れで、現行会社法での自由度の高い機関設計で企業の自律性が求められている点とIFRSで細則主義でなく原則主義が求められて点の類似性を見ると、みずから考えリスクを負うにはルールは大陸系より英米系の方が相性いいし、この流れは加速していくのかなと確信を深めました。2014年4月2日読了。
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何故粉飾に手を染めるのか 最初から確信犯はいない。ボタンの掛け違いで粉飾に手を染める。原則1 不祥事の芽 業績が思わしくないとできるだけ事業成績を良く見せたい→粉飾の芽 原則2 一次不祥事 どこかで正当化 原則3 2時不祥事
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弁護士と会計士はなぜ分かり合えないのかを冷静に分析されている。確かにリスクアプローチだとか重要性の概念は一般人には理解不能だと思う。ほぼ自己完結したもので監査を受ける側に立った理論構成ではない。筆者は会計士のマインドについて次のように述べている。 会計書類の数値やその変化から、可...
弁護士と会計士はなぜ分かり合えないのかを冷静に分析されている。確かにリスクアプローチだとか重要性の概念は一般人には理解不能だと思う。ほぼ自己完結したもので監査を受ける側に立った理論構成ではない。筆者は会計士のマインドについて次のように述べている。 会計書類の数値やその変化から、可能な限りのあり得る事実を想定する作業から始まり、もしAという事実の可能性があれば、Bという証拠があるはずだが、それは存在しない、というロジックをいくつかのサンプル数を抽出し検証し、そのような事実はなかったということを消極的に証明しているに過ぎないと。監査の仕事は何もないことが第一であり、オリンパスや大王製紙のような問題が起きると平穏な村に嵐が来たような騒ぎになる。サンプルをいくつか抽出はするものの、抽出したサンプルの中に問題点がありませんようにと祈る自分がいる。この点が、事件が起きないと商売にならない弁護士と異なるところだ。前者は農耕民族、後者は狩猟民族だと揶揄されるゆえんがここにある。気概のある会計士は、本書に反論があれば、どんどん反論してもらいたいものだ。つもらは反論の余地なしだ。 P240 オリンパスや大王製紙の事件でも象徴的にみられるように、会計不正事件が発覚した企業は、不正が発覚したことをきっかけに過去の内部統制報告書の評価結果を訂正する傾向があります。有効と評価したことは誤りで、実は内部統制は有効とは言えませんでした、という評価結果の訂正は、一年かけて会社が内部統制システムの有効性を評価してきた過程をすべて否定することになります。そのような評価過程が簡単にひっくり返るということは、もし他の上場会社でも同様の会計不正事件が発覚した場合には、いま有効と評価されている内部統制は有効とは言えない企業が存在する、ということです。つまり、日本中に潜在的に内部統制は有効とは言えない企業が存在する、ということを示しています。こう考えますと、何のために内部統制を評価して開示するのか理解困難となり、内部統制報告制度は形骸化しているのではないか、との疑いが生じます。
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・著者のブログ「ビジネス法務の部屋」 ・会計監査は決算書類が適正に作成されているかをチェックするもので、不正発見が目的ではない ★大発見だった。 ・よってNHKドラマ「監査法人」は、現役公認会計士の方々には違和感があったのでは。 ・内部統制は原則主義だが、日本人はすぐにマニュアル...
・著者のブログ「ビジネス法務の部屋」 ・会計監査は決算書類が適正に作成されているかをチェックするもので、不正発見が目的ではない ★大発見だった。 ・よってNHKドラマ「監査法人」は、現役公認会計士の方々には違和感があったのでは。 ・内部統制は原則主義だが、日本人はすぐにマニュアルやルールをほしがるので、この原則主義が浸透していかない。 ・第三者委員会がよく設置されるが、弁護士主体なので、公認会計士に対して否定的な意見(粉飾決算だ)とかがでると、ちょっと抵抗されがちかも。
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