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貴婦人と一角獣 の商品レビュー

3.6

11件のお客様レビュー

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2022/09/20

多視点で貴婦人と一角獣のタペストリー制作に迫る。 それぞれ登場人物の運命の出会いが偶然を通り越して少々わざとらしくある。 小さい世界でごちゃごちゃしすぎている印象。 プロット的に絵師を泳がせながらタペストリーの貴婦人に登場人物を照らし合わせたアイデアの勝利。 登場人物が多い分、...

多視点で貴婦人と一角獣のタペストリー制作に迫る。 それぞれ登場人物の運命の出会いが偶然を通り越して少々わざとらしくある。 小さい世界でごちゃごちゃしすぎている印象。 プロット的に絵師を泳がせながらタペストリーの貴婦人に登場人物を照らし合わせたアイデアの勝利。 登場人物が多い分、書き込みが足りずに読みごたえは薄め。 検証は十分にされているのだろうが、その時代の匂いを感じることもできない。 エンタメを重視したのかもしれないし、壮大な作品をこの分量にまとめるのに限界があったのかもしれない。 このタペストリーは過去に美術館に見に行きました。 あまり物語との関連性は高くないのですが、改めてガンダムUCでの絵の再現度は高いな。と思いました。

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2020/01/25

ちょうど貴婦人と一角獣の展覧会のことを聞いた頃に読んだ。このモチーフのタピスはフランスでいくつか見たこともあり、親近感を持って読むことができた。

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2017/09/12

久しぶりのトレイシー・シュヴァリエ。彼女の本はどれも文体が繊細で、美しくて、なおかつミステリアスで、とっても魅力的。日本語訳されている物が少ないのがちょっと悲しい。 今作は、いつもより少し官能的。タピスリーが来日した時に実物を見たので、より引き込まれました。海外小説にありがちな、...

久しぶりのトレイシー・シュヴァリエ。彼女の本はどれも文体が繊細で、美しくて、なおかつミステリアスで、とっても魅力的。日本語訳されている物が少ないのがちょっと悲しい。 今作は、いつもより少し官能的。タピスリーが来日した時に実物を見たので、より引き込まれました。海外小説にありがちな、オーバーではない、シュヴァリエの文体に忠実な翻訳も素晴らしい。

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2015/08/03

時代背景も必要な点を折々に描かれ、登場人物の造形も確かにこんな人もいるだろうと頷けるもの。 一角獣は時には乙女と一体で時には乙女を狙う男性の表れで、この作品ではなくはっきりと後者のモチーフなのだけれど、「一角獣は時に乙女に騙される」とあるとおりの話運びであった。 意図して騙そうと...

時代背景も必要な点を折々に描かれ、登場人物の造形も確かにこんな人もいるだろうと頷けるもの。 一角獣は時には乙女と一体で時には乙女を狙う男性の表れで、この作品ではなくはっきりと後者のモチーフなのだけれど、「一角獣は時に乙女に騙される」とあるとおりの話運びであった。 意図して騙そうとしなくても、見え見えの袋小路でも、突き進んでいってしまうものなのだろう。

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2013/12/27

タペストリーのように、物語が少しずつ織られていく。最初扉に掲載されているタペストリー絵をみても、小さすぎて、何とも思わなかったのに、底に描かれている貴婦人の顔、表情、意味が分かってくる。 色男ニコラと目の見えない織物職人の娘の話が特にいい。こういう女性の救い方は、日本の男にはでき...

タペストリーのように、物語が少しずつ織られていく。最初扉に掲載されているタペストリー絵をみても、小さすぎて、何とも思わなかったのに、底に描かれている貴婦人の顔、表情、意味が分かってくる。 色男ニコラと目の見えない織物職人の娘の話が特にいい。こういう女性の救い方は、日本の男にはできないよねぇ、と妙に感心した。

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2013/08/26

À mon seul désir ガンダムUCから日本で展示されるという流れで読んだ、 ということはミもフタも無い話だが、 ひとつの(6つの)タピスリー(タペストリー)をめぐる物語は 二コラという人物を中心とした4人?の女と 彼女たちに深く関係する男たちの視点で織り成される絵巻の...

À mon seul désir ガンダムUCから日本で展示されるという流れで読んだ、 ということはミもフタも無い話だが、 ひとつの(6つの)タピスリー(タペストリー)をめぐる物語は 二コラという人物を中心とした4人?の女と 彼女たちに深く関係する男たちの視点で織り成される絵巻のよう。 単に依頼で作ったのではなく、 ユニコーンを中心に物語と五感を表したのではなく このような人間模様を残したのだと思えれば 創作だとしても、このタペストリーが 語りかけてくることをより感じることが出来るのではないか。

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2013/08/19

大阪展を前に読了。 参考程度にとの感覚で購入したが、物語としても面白く、かなり楽しめた。 中世の貴族社会。タピスリー制作秘話とともに繰り広げられる、そこにまつわる人たちの人間模様。家督、結婚、階級など様々な障壁がありつつも、惹かれ合う若者たち。嫁入り、世継ぎの問題に苦悩する母たち...

大阪展を前に読了。 参考程度にとの感覚で購入したが、物語としても面白く、かなり楽しめた。 中世の貴族社会。タピスリー制作秘話とともに繰り広げられる、そこにまつわる人たちの人間模様。家督、結婚、階級など様々な障壁がありつつも、惹かれ合う若者たち。嫁入り、世継ぎの問題に苦悩する母たち。そして、制作現場。どれも人間味があって興味深い。なかでも、アリエノールはとても魅力的。 製作過程で出会った美女に、作品の貴婦人が似すぎてしまう。そんな数奇な現象も有りか。 「あの方がお目当てね。それには早すぎたかしら」

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2013/06/30

今ならこの物語の題材となっている貴婦人と一角獣のタピスリーを日本で鑑賞できる(2013年10月まで)ので、現物を肌で感じてから読むのが一番ではないでしょうか。肝心の内容ですが、一角獣から連想してしまう幻想的なロマンスを期待すると、間違いなく肩透かしを食います。出てくる人物はみな、...

今ならこの物語の題材となっている貴婦人と一角獣のタピスリーを日本で鑑賞できる(2013年10月まで)ので、現物を肌で感じてから読むのが一番ではないでしょうか。肝心の内容ですが、一角獣から連想してしまう幻想的なロマンスを期待すると、間違いなく肩透かしを食います。出てくる人物はみな、ユニコーンがいたら蹴飛ばされるか角を刺されるような人たちばかり。しかし貴婦人と一角獣の製作に携わった人々の視点で物語が綴られていく様はまさにタピスリー。架空のお話ですが、実際にこんな感じだったのかな。と思わせる説得力があります。

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2013/06/30

『貴婦人と一角獣』というタピストリーがあります。 6枚一組の作品で、画面全体を彩る花や動物の模様(ミル・フルール)が特徴、1500年頃にフランスで作られたと考えられています。 タピストリーの中に描かれている家紋からル・ヴィスト家という貴族が注文したことがわかっていますが、どの当主...

『貴婦人と一角獣』というタピストリーがあります。 6枚一組の作品で、画面全体を彩る花や動物の模様(ミル・フルール)が特徴、1500年頃にフランスで作られたと考えられています。 タピストリーの中に描かれている家紋からル・ヴィスト家という貴族が注文したことがわかっていますが、どの当主が実際に注文したのかははっきりとわかっていません。 このタペストリーはなんのために作られたのかも定かではありません。 謎の多い作品で、けれど魅力的な作品です。 この小説ではその作品の魅力が書かれています。 物語はル・ヴィスト家の当主がニコラ・デジノサンという絵師にタピストリーの図案を注文するところから始まります。 下絵が仕上がり、工房に運ばれ、完成するまでの間をニコラだけでなくこのタペストリーに関わったル・ヴィスト家の人々、工房の人々の視点から描いていきます。 封建制度の時代に生きている人々は、いろんな決まり事があってそれでもその中で幸せになろうとしているというか、なんとか自分の思うように生きていこうとしていたんだなぁと感じました。 その姿と、身分違いの恋のゆくえが印象的です。 日本ではタペストリーがあまり身近な存在ではないし、織りのことをどれくらいの人が知っているのかと考えてみると、この小説は分かりづらい部分が多いだろうと思います。 工房の場面では織りの手順や、道具の名前などが書かれていますが、知らない人が読むと想像しづらいと思います。 どうして経糸をしっかり、しかもどれも均一な力加減で張らなきゃいけないのか (織っているうちに緩いところだけがだんだん歪んできて織りにくくなります!!)とか、どうして織ったものを巻き取っていくのか(機械の大きさの制約と、手元からの距離が遠くなってしまうから!!)とか、そういうのがわかるとより楽しく読めると思います。

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2013/06/25

中世に作られた6点のタピスリーから繰り広げられる、空想の世界。 登場人物別の視点、身分、立場から織り成される、愛憎の物語。

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