犬の伊勢参り の商品レビュー
我が家の愛犬空、ミニダックス、の頭を撫でながらこの本を読み進めた。 伊勢参りをする犬の話はどこかで聞いたことがあったが、詳しい内容についてはよくわかっていなかった。 本書には人々の善意が溢れている。被害者もいなければ被害者もいない犬と人間の関係は、現在と江戸時代では大きく違うのだ...
我が家の愛犬空、ミニダックス、の頭を撫でながらこの本を読み進めた。 伊勢参りをする犬の話はどこかで聞いたことがあったが、詳しい内容についてはよくわかっていなかった。 本書には人々の善意が溢れている。被害者もいなければ被害者もいない犬と人間の関係は、現在と江戸時代では大きく違うのだろうか、犬が人間と深い関わりを持っていたと言うのは、長い時代を通して続いているのだということがよくわかった。 20年に1度の遷宮と、60年に1度の御鍬祭りがこの犬のお伊勢参りにも大きく関連しているのだろうなと改めて感じた。
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現在と江戸時代とでの 動物(主に犬)の扱い方 人(町・村)との関わり方 全てを素晴らしいと受け取るのは 違うと思うが 動物(犬)にとってはどちらが 幸せだっただろうと思った 白い犬は人懐っこい性質がある(気がする) 市のリユース文庫にて取得
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2022/04/10 学校のレポートのために読みました。 物語というか論文を読んでるみたいで、歴的な資料も多く出てきて感じが大変
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楽しく読めました。私も江戸時代の犬になって、お伊勢さんんと金毘羅さんに行きたくなりました。もう、ワクチン2回接種したし、旅行に行ってもいいかしら?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
過日、「一生に一度はお伊勢参り」と思い行ってきた。 犬のお参りについては知識として知っていたし 実際土産物でそうした関連の名前やデザインのものも見かけた。 犬は大好きだし賢い生き物だとは思っているが 犬がたったひとりで往復できるとは流石に思えない。 実際のところどんな感じだったのだろう、と思いこの本を手にとった。 最初の犬のお伊勢参りがは、明和8年4月16日だという。 本来犬は穢れがあるから入れないのだが、手水で水を飲んで体を清め、お宮の前で平伏したのだとか。 実際犬がどういうつもりだったかはさておき、なかなかかわいらしい光景ではある。 「抜け参り」や「御蔭参り」の後を追いかけた結果、伊勢神宮まで辿り着くというのはありそうな話だ。 犬の伊勢参りの話が広まって、首に書付などをぶら下げて歩いていれば 現代日本人よりも”お節介”だったと思われる日本人たちが、 声をかけてこっちだと呼んだり船に乗せたりして面倒を見てやり 神宮まで辿り着くこともあろう。 お伊勢参りだろうと誤解して木札を書いてやった犬が三年かけてお伊勢参りなど 昔の日本っぽい話でちょっと笑ってしまう。 犬ほんにんはどう思っていたことか。 お伊勢参りをするのは白犬というのも面白い。 白い犬=霊力が高い だからお伊勢参りをしにいくのだと 人間が勝手に勘違いして話が大きくなることもありそうだ。 豚や牛の伊勢参りについても書かれており、これも興味深い。 人と動物との距離感が代わり、町犬がいなくなり 綱をつけて繋いで飼うのが普通になれば、お伊勢参りのお犬がいなくなるのも当たり前だ。 明治になって途絶えてしまうというのもさもありなん。 眉唾の御伽話ではなく、調査に基づいて書かれており 大変面白かった。
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江戸時代になってお伊勢参りは庶民の中で爆発的ブームとなる.加えて,犬が単独で伊勢参りをし,かつ,元の場所に帰ってくるという事象が散発するようになる.果たしてそれが真実なのかを,本書は資料をあたることによって解き明かし,かつ,現代常識では信じられないようなことを当時可能とした社会的...
江戸時代になってお伊勢参りは庶民の中で爆発的ブームとなる.加えて,犬が単独で伊勢参りをし,かつ,元の場所に帰ってくるという事象が散発するようになる.果たしてそれが真実なのかを,本書は資料をあたることによって解き明かし,かつ,現代常識では信じられないようなことを当時可能とした社会的背景も解説したものである. そもそも犬は神宮境内には立ち入り禁止とされており,最初の犬によるお伊勢参りは偶然が重なって成功してしまったものであるが,その話に尾ひれが付いて拡散し,幕末には「飼い主が自分の代わりに犬にお伊勢参りをさせる」ようになる.豚に代わりをさせた例もあったようだ. 残念ながら飼い主制度が確立され,車社会となった現代では,犬の伊勢参りはもう不可能だなあ.
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最近では伊勢土産にもなっているおかげ犬。おかげ犬は伝説ではなく、江戸時代に普通に見られたものです。ところが明治時代になると途絶えます。 作者は犬が禁忌とされた伊勢神宮になぜ犬が参拝できたのか?どうやって長い旅路を行くことができたのか?なぜ江戸時代におかげ犬が発生できたのか?なぜ明...
最近では伊勢土産にもなっているおかげ犬。おかげ犬は伝説ではなく、江戸時代に普通に見られたものです。ところが明治時代になると途絶えます。 作者は犬が禁忌とされた伊勢神宮になぜ犬が参拝できたのか?どうやって長い旅路を行くことができたのか?なぜ江戸時代におかげ犬が発生できたのか?なぜ明治になると途絶えるのか?犬と人間のかかわりが垣間見えて新撰です。 それにしても、昔の人って、犬がお金を下げていても奪うわけではなく、えさをあげたり、船に乗せたり、あげくは駕籠にまで乗せてあげたり、本当に優しくて信心深い人たちだったんだねぇ。 序章 犬が拝礼した 第1章 「虚説」か「実説」か―明和八年、御蔭参り 第2章 単独で伊勢参宮 第3章 文政13年の御蔭参りと「不思議」の正体 第4章 神宮と犬、千年の葛藤 第5章 ぞくぞく犬の伊勢参り 第6章 豚と牛の伊勢参り 第7章 長旅をする犬たち 終章 犬たちの文明開化 著者:仁科邦男(1948-、ジャーナリスト)
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かつての日本であった、犬が伊勢神宮に参宮するという不思議な話の謎を追う本。 結果として犬の習性や人の勘違いや思い込みなどが、「犬の伊勢参り」を生み出すことになったのかもしれないが、伊勢参りを達成するには各々の善意が不可欠であり、当時の事を想像すると何か微笑ましく温かい風景が見え...
かつての日本であった、犬が伊勢神宮に参宮するという不思議な話の謎を追う本。 結果として犬の習性や人の勘違いや思い込みなどが、「犬の伊勢参り」を生み出すことになったのかもしれないが、伊勢参りを達成するには各々の善意が不可欠であり、当時の事を想像すると何か微笑ましく温かい風景が見える。 素晴らしい本です。
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かつては、犬は穢れをもたらすものとして禁忌だった 伊勢神宮。遠くへ追い払ったりと、犬対策に努力して きた歴史・・・それが、たった一匹の犬の参拝により、 変化する! 江戸時代、あちこちから犬が伊勢参りに訪れる不思議。 信仰とおおらかさから、人々はその犬たちを大事にし、 餌を与え、宿...
かつては、犬は穢れをもたらすものとして禁忌だった 伊勢神宮。遠くへ追い払ったりと、犬対策に努力して きた歴史・・・それが、たった一匹の犬の参拝により、 変化する! 江戸時代、あちこちから犬が伊勢参りに訪れる不思議。 信仰とおおらかさから、人々はその犬たちを大事にし、 餌を与え、宿を貸し、時には駕籠で運んだ。 飼い犬とはまた違う、里犬という存在とは? 多くの文献から浮かび上がってくる、 犬の伊勢参りの実態は興味深く、面白いものでした。 また、 豚のお伊勢参りは朝鮮通信使と密接な関係が! 御蔭参りのきっかけとなる、お札が降る仕掛けとは? 犬のみならず、お伊勢参り関連の多くの事柄がわかる、 楽しい本でした。
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この時代、飼犬も野良犬もいなかった。いたのは町犬、村犬。そんな犬だから、伊勢参りと言う信仰を核とした一大エンターテインメントに自然に巻き込まれていった。人は伊勢参りの犬、と大事に扱い、無事村まで送り届ける。のどかでおおらかでほんと面白いなあ江戸時代って! 「信仰と娯楽は矛盾しな...
この時代、飼犬も野良犬もいなかった。いたのは町犬、村犬。そんな犬だから、伊勢参りと言う信仰を核とした一大エンターテインメントに自然に巻き込まれていった。人は伊勢参りの犬、と大事に扱い、無事村まで送り届ける。のどかでおおらかでほんと面白いなあ江戸時代って! 「信仰と娯楽は矛盾しない。その二つのものを伊勢参りは同時に実現してくれる。厳粛さと猥雑さが同居するから、犬やら豚やら牛やらニワトリやらもお参りできる。------江戸時代、世俗世界の代表的存在である犬は超俗の世界に足を踏み入れることが認められ、100年にわたって伊勢参りを続けていく。」
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