新美南吉童話選集(1) の商品レビュー
いくつか摘み読みしてたけど、命日とのことでしっかり読んでみた。 「かたつむりの歌」「ぬすびととこひつじ」あたりが好きでした。 「たけのこ」はホラー味もある…。 小1娘は「こどものすきな神さま」が好きとのこと。 ぶつ切りで終わった感じの話もあるのだけど、かえって「いたたまれない、...
いくつか摘み読みしてたけど、命日とのことでしっかり読んでみた。 「かたつむりの歌」「ぬすびととこひつじ」あたりが好きでした。 「たけのこ」はホラー味もある…。 小1娘は「こどものすきな神さま」が好きとのこと。 ぶつ切りで終わった感じの話もあるのだけど、かえって「いたたまれない、どうすることもできない切ない感じ」が出ている気がした。削ぎ落とすことの良さ。
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2ページから5ページ程度の小学低学年向け童話集。 美しいお話し、優しいお話し、哀しいお話し…いくつか紹介。 ひとりぼっちの木は白くて美しい花を咲かせました。お祭りがしたいなあ。そこでちょうちょやホタルがあつまります。幻想的で優しいお話です。/『木の祭り』 からだがむずむず...
2ページから5ページ程度の小学低学年向け童話集。 美しいお話し、優しいお話し、哀しいお話し…いくつか紹介。 ひとりぼっちの木は白くて美しい花を咲かせました。お祭りがしたいなあ。そこでちょうちょやホタルがあつまります。幻想的で優しいお話です。/『木の祭り』 からだがむずむずする子牛は、おとうさんとおかあさんに「体の中からなにかが生えてくるのだから花畑に行きなさい」といわれます。ちいちゃい角が生えてきた子牛は、りっぱな牛に近づきます。/『子牛』 いっぴきのでんでんむしは、わたしの背中の中には哀しみがいっぱいつまっていることに気が付きます。ほかのでんでんむしに聞いてもみんな同じことを言います。だからでんでんむしは気が付いたのです。「かなしみはだれでももっている。わたしはわたしのかなしみをのりこえなければいけないのだ」なんかとても優しくていい話。胸に響きました。『でんでん虫のかなしみ』 子だぬきが下駄にばけたらお侍に履かれちゃっていたいいたいって泣きました。お侍は新しい下駄を買って、お小遣いを上げて子だぬきを帰してくれました。/『げたにばける』 渡し船で一緒になった怖いお侍と子供を二人連れたお母さん。子供たちは一つの飴玉を争ってけんかけんか。するとお侍が刀を抜いて飴玉を二つに切ってくれました。/『飴だま』 カラスは自分の影と競争しました。急いで急いで急いで。命を削るくらいに競って競って競って。/『かげ』 子どものすきな小さい神様がおりました。子供と一緒に遊んで、ついついお返事をしてしまいました。/『子どものすきな神様』 靴屋の小僧さんが初めて作った靴が売れました。嬉しくてしょうがない小僧はお客さんをいつまでもいつまでも見送っていました。/『売られていった靴』
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「母ちゃん、朝つゆがにげてっちゃった。」「おっこったのよ。」「また葉っぱのとこへかえってくるの。」親子のやさしい会話のあふれる「でんでん虫」や、ユーモラスな動物たちの「赤いろうそく」など、南吉のあたたかな幼年童話二十九編を収録。
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南吉生誕100年で、今まで全集以外で読みにくかった作品も読めるようになった。これは幼年童話がたくさん入っていて、有名な「でんでん虫のかなしみ」や「飴だま」なんかはもちろんのこと、あまり収録されない作品も多い。 他社の南吉の選集(幼年童話数編、「てぶくろを買いに」「ごん狐」、「おじ...
南吉生誕100年で、今まで全集以外で読みにくかった作品も読めるようになった。これは幼年童話がたくさん入っていて、有名な「でんでん虫のかなしみ」や「飴だま」なんかはもちろんのこと、あまり収録されない作品も多い。 他社の南吉の選集(幼年童話数編、「てぶくろを買いに」「ごん狐」、「おじいさんのランプ」久助ものなど高学年以上向け数作というラインナップ)の方が、南吉の全体像がつかみやすいし、読み応えもある。 これはどれも短く、これだけ読むとなんだか物足りない気がするので、有名作品を読んでしまった人向けかな、と思う。 大人になって読むと、20代で亡くなって、しかも独身だった南吉が、親の心をよく分かっていることに驚く。例えば「お母さんたち」や「子牛」のような作短い作品にも親心がよく表されている。 ユーモラスだったり、切なかったり、温かかったり。いろんな南吉がちょっとずつ見えてくる。
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