トラウマ後 成長と回復 の商品レビュー
学術面からトラウマ後の回復・成長を研究し、素人にも理解できるようまとめてある。また、セラピストや薬剤の利用も含めて、個人で実践可能な成長の軌跡なの作り方、試し方を提示している。 再度読んで、是非等方針をまとめ、実践レベルに落とし込もうと思う。
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立命館大学gacco講座「法心理・司法臨床:法学と心理学の学融」Week2第10回「被害者支援と支援者支援」参考文献 https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga100+2018_03/about
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どんな人でもなにかしらのトラウマやつらいことを抱えている。私はやっぱり乗り越えられなくて、際限なく隣の芝生は青々と見えるし、他の人はどんな風に乗り越えていってるのだろうか、と思って借りた。 たぶんこの本はトラウマの直後だと読むのがつらいのだろう思った。 ”フランクルが私たちに気づ...
どんな人でもなにかしらのトラウマやつらいことを抱えている。私はやっぱり乗り越えられなくて、際限なく隣の芝生は青々と見えるし、他の人はどんな風に乗り越えていってるのだろうか、と思って借りた。 たぶんこの本はトラウマの直後だと読むのがつらいのだろう思った。 ”フランクルが私たちに気づかせようとしているのは、私たちの反応を決めるのはその身に起きたことではなく、むしろそれに対する意味づけだということである。 ー 182ページ” 確定した未来なんてないとは思うけど、かなう確率が高かったことがだめだったり、どうしてそうなったのだろうとおもうことや、どうしてこの人なんだろうということが起こったりする。(まだどうして自分なんだろうということは起こっていない。) それを折り合いつけていくのが自分で、どうにかしていかなければならないのだけど、心理的療法だったらどのようにアプローチするのだろうとおもいながら読んでいた。 定番の夜と霧のフランクルが出てきたり、PDSDの症状を抱えた個々人の体験談が交えたあったが、人生の不確定性を楽しみながら、自分なりの意味合いを見つけながら生きていくしかないのかなとおもった。
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まず、そもそもトラウマとは何かついての歴史的変遷と基礎知識について、押さえられる。 その上で、トラウマは「治療」して終わるだけのものではなく、またとない成長の機会にすることができることを定量的、定性的(エピソード的)に示している。 さらに、セラピストについて注意を与え、社会と...
まず、そもそもトラウマとは何かついての歴史的変遷と基礎知識について、押さえられる。 その上で、トラウマは「治療」して終わるだけのものではなく、またとない成長の機会にすることができることを定量的、定性的(エピソード的)に示している。 さらに、セラピストについて注意を与え、社会としてもトラウマの両面を見るよう主張する。トラウマを薬物で治療する危うさも正鵠を得ている。 最後に、トラウマで苦しんでいる人への実践的処方を説く。 一貫して、人間の主体性を尊重した、好ましい論調であった。当然のこととして、なにがなんでも前向きに生きようということは一切書かれていない。 参考文献が省かれたのは残念。 ・セラピストを医者の立場に置くことで、患者は自分自身の回復に責任を持たなくなってしまう。 ・PTSDの診断は、必要とする人が心理療法を受けやすくなるという点では役立ってきたものの、本人から手綱を奪ってしまい、乗り越えられないと思わせてしまい、トラウマ体験後に生じることの多い個人の成長を無視してしまう。 ・研究によれば、豊かさと幸福感との相関関係は極めて小さいだけではなく、物質的な目標の達成を重視しすぎることが、心身の病や孤立、対人関係の悪化などの様々な問題と関連している。 ・快楽主義と幸福主義。喜びや楽しみvs自律性、コントロール感、自己成長、他者とのポジティブな関係、自己受容、目的意識 ・トラウマ体験後の成長の中核には、三つの実存的なテーマがある。第一は、人生は不確かなものであり、すべては変化するという認識をもつこと。第二はマインドフルネス、今、この瞬間に注意を集中すること。第三は、自らが人生の担い手であると認めること。 ・トラウマ体験に見舞われるのは全体の8~12%にすぎないし、PTSDの診断対象となるのは深刻なトラウマ体験に見舞われた人の1/5~1/4である。 ・トラウマ体験後の成長に、説くに共通して見られるのは、人格的変化、哲学的変化、関係性の変化である。 ・オルダス・ハクスリー:経験とは、あなたに起きたことではなく、起きたことに対してどう行動するかである。 ・トラウマから一歩踏み出す過程では、宗教が催すものを始め儀式がきわめて重要である。 ・トラウマは私たちの物語を陳腐にしてしまう力を持つ。世界についての前提の理解を再構築できるのは、唯一、新しい物語を語ることを通してなのだ。 ・EMDRは完全には解明されていない。 ・自分への思いやりは、幸福感に計り知れないプラスの影響をもたらす。 ・私たちの物語の中心には、メタファーがある。 ・感情表現を書いて表す療法。 ・用いる言葉の割合が、ポジティブ対ネガティブで3対1の場合に、実際に精神面の改善に効果が見られる。 ・希望の障害になりがちなのは、希望を持つことが、過去の記憶や大切な誰かの思い出を消してしまうことだという思い込みである。 ・犠牲者→サバイバー→スライバー
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トラウマ後のマイナス部分を焦点づけた文献が多い中、人生に対する価値観が変わる体験をしたことに対しての意味づけは勇気づけられる。 チェックテストも参考になった。
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著者はトラウマについて外側からしか理解していないと思われる。 トラウマの世界観からあまりにもかけ離れていて、当事者には役に立たず、支援者のズレた理解を強化する本。
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コーピングやいいこと日記など取り組みやすい方法が書いてあり良かった。図書館で借りたけど、お家に欲しい一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
烏兎の庭 第五部 書評 2.9.16 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/diary/d1602.html#0209 烏兎の庭 第六部 3.30.18 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/PTG6.html 1. あなたは1人じゃない 2. トラウマは自然で正常なプロセス 3. 成長は旅 1. 棚卸し 2. 希望を育む 3. 物語を書き直す 4. 変化を特定する 5. 変化を尊重する 6. 変化を行動で示す
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2014年57冊目。 −5を0にする「トラウマからの回復」ではなく、−5を+5にする「トラウマによる成長(Posttraumatic growth)」に着目した本。 トラウマ体験・PTSD(心的外傷後ストレス障害)を乗り越えた人たちには、人生に対するポジティブな思考が増したとい...
2014年57冊目。 −5を0にする「トラウマからの回復」ではなく、−5を+5にする「トラウマによる成長(Posttraumatic growth)」に着目した本。 トラウマ体験・PTSD(心的外傷後ストレス障害)を乗り越えた人たちには、人生に対するポジティブな思考が増したという数々のデータがある。 文体も平易で、初心者にも簡単に読めると思う。 大事なことは、 ■回復・成長の責任・能力は、結局は自分が手にしている ■回復・成長は苦痛の解消を意味せず、両者は共存する ■回避は根本的な解決にならず、準備を進めながら正面から受け止めていく必要がある ■壊れた花瓶は接着剤で継ぎ接ぎするのではなく、コラージュにして新たなものを作る 自身がかかった場合でも、周囲の誰かがかかった場合でも、役に立つことが分かりやすく書かれている良書。
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トラウマを抱えた人々に希望をもたらす可能性を秘めた一冊。この本に出会えてよかったと思う。 (心の知能) 様々なことに感謝している人ほど、適応性の高いコーピングを行っている場合が多い。ポジティブなものを探すことで、自らが置かれた状況に対するコントロール感が得られ、自己肯定感を回復し...
トラウマを抱えた人々に希望をもたらす可能性を秘めた一冊。この本に出会えてよかったと思う。 (心の知能) 様々なことに感謝している人ほど、適応性の高いコーピングを行っている場合が多い。ポジティブなものを探すことで、自らが置かれた状況に対するコントロール感が得られ、自己肯定感を回復し、明るい展望を持てるようになる。
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