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旅立つ理由 の商品レビュー

3.9

14件のお客様レビュー

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2020/06/27

いゃ〜、面白い短編小説集だった。200ページ程度の本に、21編の短編小説が収められている。更に、門内ユキエさんの素敵な挿絵もふんだんに収載されており、平均すると、1編が8ページ程度の、本当に短い小説の集まり。 どれも味のある小説ばかりだけれども、私の好みをあげれば、「キューバから...

いゃ〜、面白い短編小説集だった。200ページ程度の本に、21編の短編小説が収められている。更に、門内ユキエさんの素敵な挿絵もふんだんに収載されており、平均すると、1編が8ページ程度の、本当に短い小説の集まり。 どれも味のある小説ばかりだけれども、私の好みをあげれば、「キューバからの二通の手紙」「一番よく守られている秘密」などの少し洒落た小説と共に、「アフリカの流儀」「アミーナの買い出し」「父祖の地への旅」といった、主人公のパートナー(たぶん、作者の実際の妻がモデル)であるアミーナの祖国であるウガンダでの姿を描いたものだ。 特に、主人公が初めて、アミーナのウガンダへの里帰りについて行く「アフリカの流儀」が好きだ。私の妻はタイ人、私がタイで勤務していた時に知り合い結婚した。妻はタイでもバンコクではなく、地方、それも相当に田舎の出身だ。この小説を読んで、私が初めて妻の里帰りに付き合った時のことを思い出した。アフリカに流儀があるように、タイの田舎にはタイの田舎の流儀があり、その中で生き生きとしている妻の姿を見るのは、悪くないなと感じたことをよく覚えている。 この小説集は、ANAの機内誌「翼の王国」に連載されていたものを単行本にしたもの。そういう本に連載されていた小説なので、読むと旅行に出かけたくなる。

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2018/03/13

メインイベントではないけれど心に残る、旅の醍醐味を切り取ったような旅行記 及び アフロ・ブラジルについての短編集。最初のインパクトのせいかと思ったけど、思い返してみても1本目のイタリア旅行が別格に素敵だなぁ。全世界を満遍なく行くのかと思ったら、驚異のアフロ・ブラジル率(およびその...

メインイベントではないけれど心に残る、旅の醍醐味を切り取ったような旅行記 及び アフロ・ブラジルについての短編集。最初のインパクトのせいかと思ったけど、思い返してみても1本目のイタリア旅行が別格に素敵だなぁ。全世界を満遍なく行くのかと思ったら、驚異のアフロ・ブラジル率(およびその辺り)。ANAの一押し旅行先なのかしらん。

Posted byブクログ

2017/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

行ったことがあるのは、冒頭のシスティーナ礼拝堂だけ。でも、その描写の確からしさから、他のアフリカや中南米諸国の描写も定めしこの様なものなのだろうと推測できる。 息子がケニアとのハーフ芸人とのこと。アミーナとの話に限らず、作者の実体験が反映されているのだろう。 旅がしたくなるし、絵もいいなと思ったら、ANAの翼の王国に連載があったらしい。

Posted byブクログ

2016/05/14

旅立つ理由なんて、そもそもない。 あっても旅に出ちゃえばどうでもいいこと。 理由なんてすべて削ぎ落とされて ”今” を ”感じる” ことがすべてになる。 その場にいた気分になれる旅行記。

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2015/11/19

旅行に行きたくなる。ANAの機内誌に連載されていたのもうなづける。 それぞれの物語の続きを想像するのも一興。

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2015/07/23

表紙を見たときに、何となくどこかで見たことの有る絵だな、と感じた。それもそのはず、本作は「翼の王国」に連載されていた作品をまとめた短編集だったのだ。表紙のイラストも、連載時と同じイラストレーターの作品だそうだ。僕は最近あまり青い方には乗ってないし、乗ったからと言っていつも翼の王国...

表紙を見たときに、何となくどこかで見たことの有る絵だな、と感じた。それもそのはず、本作は「翼の王国」に連載されていた作品をまとめた短編集だったのだ。表紙のイラストも、連載時と同じイラストレーターの作品だそうだ。僕は最近あまり青い方には乗ってないし、乗ったからと言っていつも翼の王国を読むわけではないけれど、それでもいくつかの作品は読んだことがあった。 元々作者がトラベルライターをしてた頃からよく読んでいたし(それでキューバに行こうとしたことも有る)、連載していたときから、心の奥底を旅立ちへ駆り立てるような文章には好感を持っていたのだけれど、改めてこうして一冊通して読んで、連載では判らない、この物語に隠されていたテーマをはじめて理解した。これは、ラテンアメリカ文学研究者で、翻訳者でもある作者、旦敬介の、ある種の私小説なのだと思う。人種も国籍も生まれ育った環境もすべて違う男と女と、その子供。本作において3人の関係は、時系列と場所をバラバラにしてちりばめられ、感情を抑えたような時間の経過を突然読み手の前にポンと出してくる。冒頭の一作である「世界で一番うまい肉を食べた日」は、その時にはじめて別の色に輝きはじめる。そして最後まで読み切って、漸くすべてが一つの物語として編み上がるのだ。 出てくる街もまたそれぞれが郷愁をそそる。いつか、この中のどこかへ向けて旅立てるだろうか。旅立ちたい、と言う想いを強くさせる一作。都会の夜に読んでも、旅の夜汽車の薄明かりで読んでも、良い時間が過ごせる一作。出来ればラムでも片手に。あ、でも腹が減ってるときは止めた方が良い、出てくる食べ物、うまそうなんだもの。 最後に本作の舞台となった国や街に敬意を表してリストアップ。 ローマ、フィレンツェ(以上イタリア)、ザンジバル(タンザニア)、ベリーズシティ(ベリーズ)、タンジェ(モロッコ)、バイーア(ブラジル)、ベラクルス(メキシコ)、マラバ(ケニア=ウガンダ国境)、マサイマラ(ケニア)、メリダ(メキシコ)、ハバナ(キューバ)、オポルト(ポルトガル)、ナイロビ(ケニア)、オレンセ、サマランカ(以上スペイン)、チュイ(ウルグアイ=ブラジル国境)、シエゴ・デ・アビラ(キューバ)、メキシコ・シティ(メキシコ)、ムコンゴーロ(ウガンダ)(順不同)

Posted byブクログ

2015/01/03

本から熱気や埃っぽさ、街のざわつきが伝わってきた。 自分が行ったことある場所でも、こんなに深く感じることはなかった。 実際に行くより体感出来た気がした。

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2014/08/05

後半のラテンアメリカやアフリカの物語がいい。 個人的には、「アフリカの流儀」と、「一番よく守られている秘密」がおもしろかった。 「ポソレ」を食べてみたい。

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2014/04/26

ANAの機内誌に掲載されていた連続エッセイがまとめられたもの。主人公(登場人物の中で唯一の日本人)が、アフリカ、南アメリカ、西ヨーロッパを放浪し、現地に溶け込んで生活している様子が綴られている。その土地の食べ物やお祭り、人との関り方等がとても生々しく描かれているし、全編を通じてと...

ANAの機内誌に掲載されていた連続エッセイがまとめられたもの。主人公(登場人物の中で唯一の日本人)が、アフリカ、南アメリカ、西ヨーロッパを放浪し、現地に溶け込んで生活している様子が綴られている。その土地の食べ物やお祭り、人との関り方等がとても生々しく描かれているし、全編を通じてとても明るい調子で書かれており、読みやすく、実際に現地に行ってみたくなる。イラストもとても綺麗。タイトルは「旅立つ理由」だが、これを読むと理由なんて無くても旅に出たくなる。と思うのは、現実逃避したいから。

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2014/03/27

この本の素晴らしさを伝えるのはどうしたらいいのだろう。 文章から匂い立つ景色とそこでの人々の暮らし。 タンザニア、ブラジル、モロッコ、メキシコ、ウガンダ・・・。 端正な文章と魅力的なエピソードの数々、そして美しい挿絵。 読むだけですっかり異国の地に降り立ったような錯覚に陥った。 ...

この本の素晴らしさを伝えるのはどうしたらいいのだろう。 文章から匂い立つ景色とそこでの人々の暮らし。 タンザニア、ブラジル、モロッコ、メキシコ、ウガンダ・・・。 端正な文章と魅力的なエピソードの数々、そして美しい挿絵。 読むだけですっかり異国の地に降り立ったような錯覚に陥った。 それぞれの短編で舞台となる都市や村は一見して何の繋がりもない。ANAの機内紙に連載されたものでもあるし、舞台設定ありきの短編だと思っていた。 ところが読み進めるうちに一人の日本人が旅したり実際に住んでいた場所だと言う事に気づく。 読売文学賞を受賞した作者のインタビューを読むと、経験したありのままを書いたとある。なるほど。この圧倒的なまでのリアリティの理由はそう言うことだったのか。 それにしてもここまで異国の地で現地の人々にすっと溶け込んでしまうとは驚くほかない。 日本人旅行者などほとんどいないような場所である。そんな所で、あっと言う間に親密になってしまうのはやはり旦ださん自身が持つ魅力がなせる技なのか。 私が今まで旅してきた場所は、いわゆる観光地ばかり。そこで暮らす人達と話す機会もなく上っ面だけを眺めるだけだった。 正直に羨ましいと思った。 言葉がしゃべれたとしてもこうはいかないと思う。 仕方がないからこの本を読んで擬似体験できただけでも良しとしよう。 どのエピソードも甲乙つけがたいほどすばらしいけれど、心に残ったのは「キューバからの二通の手紙」と「マリオのインジェラ屋」。 いっとき心を通わせても、あっけないほどに縁が切れてしまう切なさ。それも旅の醍醐味だろうけど。 残念な事が一点。 本書を読む時と場所を完全に間違えた。 出来れば白浜の椰子の木の下で海を眺めながら読みたかった。 そんな気分にさせてくれた本だった。

Posted byブクログ