ナマケモノに意義がある の商品レビュー
ナマケモノの生体について書かれていると思ったが、前書きで触れただけでそれ以降は全く出てこない。実際は現代の様々な社会的問題に対して、著者の考えを延々と述べている本だった。その著者の考えにエッジの利いた深さと面白さを覚え、もう一度読みたくなる内容でだった。
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2006年の著書「環境問題のウソ」(ちくまプリマー新書)で論議を呼んだ生物学者の池田清彦氏による「怠けのすすめ」。労働や格差・富や権力そして戦争など、地球上から決して無くなる事のない人類固有の問題を、生物学者の目線から考察する。人生が楽しいと思える究極の理由は「未来が分からないか...
2006年の著書「環境問題のウソ」(ちくまプリマー新書)で論議を呼んだ生物学者の池田清彦氏による「怠けのすすめ」。労働や格差・富や権力そして戦争など、地球上から決して無くなる事のない人類固有の問題を、生物学者の目線から考察する。人生が楽しいと思える究極の理由は「未来が分からないから」であり、「人は必ず死ぬから」であると論じ、自由に生きる事の大切さを謳(うた)う。自らを「日本で最も過激なリバタリアン(完全な自由主義者)」と称する筆者は、正しい生き方とは「人に迷惑を掛けないという条件で自由に生きること」と断言し、最後は「人生は計算通りに行かないからこそ面白い」と締めくくる。ちなみに表題の「ナマケモノ」に対する生物学的な分析に関しては全文の中でわずか2ページほどしか書かれておらす、本書は人間が幸せに生きるために「ナマケモノ」になる事を推奨した一冊である。
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テレビでおなじみの池田清彦のエッセイ。 特筆すべき内容はないものの、肩に力を抜いて読むには最適の一冊かと。
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努力は報われるという信仰は捨てた方が良い いい人にわざわざなる必要はない 「成功」の本当の意味 日本人の不安はどこから来ているのか
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生物学者でありリバタリアンである著者が、親しみやすいことばで人生について語っている本です。 タイトルの「ナマケモノに意義がある」というのは、人類の発生以来というひろいタイム・スパンのなかで、はたらくことにとりつかれている現代人の生きかたを批判的に考えなおそうとする著者の主張にも...
生物学者でありリバタリアンである著者が、親しみやすいことばで人生について語っている本です。 タイトルの「ナマケモノに意義がある」というのは、人類の発生以来というひろいタイム・スパンのなかで、はたらくことにとりつかれている現代人の生きかたを批判的に考えなおそうとする著者の主張にもとづいています。そのほかにも、「自分らしさ」や「死」、あるいは「自由」などのテーマについて、比較的自由なスタイルで著者の考えがつづられています。 ほとんど放言に終始しているような内容の本ですが、著者独特のユーモアがふんだんに見られるので、著者のエッセイが好きな読者にはたのしんで読めるのではないかと思います。
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生物学に絡めて働きすぎを戒めるエッセイ。 自己啓発や自己愛や承認欲求などについても切り込む 裏のキャッチコピーが気に入ればいいと思う 太古の人類は1日3時間しか働かなかった 働くことが嫌いな人は社会の潤滑油になっている 死と引き替えに生の楽しみはある 「努力は報われる」という...
生物学に絡めて働きすぎを戒めるエッセイ。 自己啓発や自己愛や承認欲求などについても切り込む 裏のキャッチコピーが気に入ればいいと思う 太古の人類は1日3時間しか働かなかった 働くことが嫌いな人は社会の潤滑油になっている 死と引き替えに生の楽しみはある 「努力は報われる」という信仰は捨てよ あなたは「かけがえのない存在」ではない 「あきらめる力」があると可能性が広がる
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人生の箴言を色々な角度から分かりやすく面白く伝えてくれる良書です。 生物学的な話はあまりないのですが、その研究から見えてきたものを人生にフィードバックして人生観を伝えているのですが、『いい加減』=『良い加減』だらしないわけではないけれど真面目でもない、程良い脱力が安心できます。 ...
人生の箴言を色々な角度から分かりやすく面白く伝えてくれる良書です。 生物学的な話はあまりないのですが、その研究から見えてきたものを人生にフィードバックして人生観を伝えているのですが、『いい加減』=『良い加減』だらしないわけではないけれど真面目でもない、程良い脱力が安心できます。 僕自身が元々は貴重品で真面目な性格だったのですが、窮屈で脅迫的で自縄自縛で生き苦しいというか、余裕がなくて、一言で言えば『疲れた』ので(笑)、20歳を過ぎた頃から適当を志向するようになり、『大体成功してれば良いんじゃね?』くらいに力を抜き始めてからは随分と楽になりましたね。血液型はA型ですが、最近はO型に見られるようになりました(笑) 自分を『かけがえのある存在』と認めるのはなかなか出来ないですが、これはある種の諦めで、自分を受け入れることから始まっています。それはちょうどペルソナシリーズの『自己と向き合う』『自己を受け入れる』や、為末大『諦める力』に通じるものがあります。 歳を取ってから、今までになかった能力を伸ばすのは非常に難しいものがあります。敢えてそこにチャレンジしていくというのも一つの手だとは思うのですが、『自分の能力はここまでだ』と悟り、普通とは違う形で能力を伸ばしていくのも一つの手だと思います。 自分を受け入れていない大人、つまり能力を伸ばそうとチャレンジしたり、あるいは反対に割り切ってありのままに振る舞う人は良いのですが、『このままじゃダメだ』と思っていながら『何も努力していない』中途半端な大人はどこか近寄り難い雰囲気があります。要は個性(=強み)が出ていないとダメなんですよね。 例えが適当ではないんですが、自分が戦場に行く時に、何の武器を装備するか。剣でも銃でも弓でも何でもいいんですが、得意な武器を持つのが一般的だし、逆に不得手なものは装備しませんよね。そして、何でも武器を使いこなせる人はマルチに活躍しそうだけれど、下手すれば中途半端になってしまい、武器の性能を悪くすることだってあります。 大人も同じで、個性(良い意味での)が無いと力は発揮されないし、またそれによって付き合う人間も変わってきます。まぁ著者の言うように独り善がりになってはダメですが(笑) 僕の評価はA-にします。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
チェック項目5箇所。ナマケモノは毎日20時間も寝ているが、現代人は7,8時間しか寝ていない、中には4時間ぐらいしか寝ないで働いている人もいる、そんなにあくせくしないで、少しはナマケモノを見習ったほうがいいんじゃないだろうか、というのが本書の主旨である。人類が働くようになったのは7000年前頃に農耕を発明してからだ、穀物は貯蔵可能なので、余分に収穫できればできるほど有り難く、そのために農耕民は長時間労働を余儀なくされたのであろう、そこから「働かざるもの食うべからず」とか「労働は美徳である」といったイデオロギーが始まったのだ。狩猟採集民であったとき、人間は互いの部族に壊滅的な打撃を与えるような戦争はしなかっただろう、農耕をはじめたことで人間は長期間労働を行うようになり、さまざまな剰余すなわち富を生み出したのだ、その副産物が権力であり、奴隷であり、戦争なのである、農耕、労働、富、権力、奴隷、戦争、これらはみな同じ起源をもってつながっているのだ。東南アジアなどに行くと、いい歳をした男衆が真昼間から賭け事をしたり、雑談に興じたり、あるいはまったく何もしないでぐうたらしたりしている光景をよく目にする、勤勉な人からすれば、「こいつら何やってんだ?」とあきれることもあるだろうが、生物としては彼らのほうが健全な生き方をしているのかもしれない。コミュニケーションの能力は劣るけど、家をつくらせたら天下一品だとか、そういう人はたくさんいた、受験勉強やコミュニケーションスキルとは無縁のところで能力を発揮できる人場がかつてはあった、その意味で受験勉強とコミュニケーションの才能ばかりが評価される社会というのは相当いびつな社会である、多様性が大事だと言いながら、社会へ適応できる能力の範囲は狭まっている。成長して子どもを産み、老いて死ぬ、生物というのはすべてただそれだけの存在であり、人間も例外ではないのだが、脳が大きくなった人間は、どうしても人生に意味を見いだせなくなってしまうものらしい。
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気持ちがほーんといっぱいいっぱいなときに、この本はゆったりした気持ちにさせてくれるな、って思った。頑張りすぎだろ現代の日本人。省エネルギーで生きたっていいじゃないか。笑
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基本的にナマケモノ的生き方をしてるつもりだけど、それでもやっぱり、無駄に片意地張ってたりとかする自分に気づくときもある。それも大切なこととは思うけど、やっぱり本書みたいな考え方に触れるとホッとする。他人の領域を侵犯しない限りにおいて、ってのがポイントですよね。
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