カレーライスの誕生 の商品レビュー
本書は講談社学術文庫の1冊だが、学術というには新しい見解や、あるいは卓見があるわけではない。いわば入門書的なものといえるだろう。カレーについて総合的に考察してはいるのだが、残念ながら執着と深みに欠けるのだ。カレーをめぐる考察としては、なんだか頑張った卒業論文みたいなのだ。もちろん...
本書は講談社学術文庫の1冊だが、学術というには新しい見解や、あるいは卓見があるわけではない。いわば入門書的なものといえるだろう。カレーについて総合的に考察してはいるのだが、残念ながら執着と深みに欠けるのだ。カレーをめぐる考察としては、なんだか頑張った卒業論文みたいなのだ。もちろん、レベルがということではなく、あくまでもそのスタイルがということであるが。しかし、いずれにしてもカレーを語らせれば、森枝卓士に数日の長があることは確かだ。ここにも、あれくらいの執着と、カレーに対するあくなき追求が欲しいところ。
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カレーライス大好きなので、本屋の店先でこの本を見つけた時には直ぐに購入。プロローグから第二章のカレーの伝来の道までは知識としてはそうなのかと言った程度で普通な感じでしたが、第三章のカレーの日本史事始から俄然面白くなってきて、後は最後まで一気に読んでしまいました。カレーの大衆化にお...
カレーライス大好きなので、本屋の店先でこの本を見つけた時には直ぐに購入。プロローグから第二章のカレーの伝来の道までは知識としてはそうなのかと言った程度で普通な感じでしたが、第三章のカレーの日本史事始から俄然面白くなってきて、後は最後まで一気に読んでしまいました。カレーの大衆化において、阪急食堂での人気から広まっていったのは興味深かったです。恐るべし小林一三。
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開国後、諸外国から怒涛のように新しい料理が流入してきた。カレーもそんな料理の一つであった。しかしながら、今まで口にしてきた食事とは全く違う味や調理方法の料理に悩む日本人は、新しい料理を日本人の舌に合うように、アレンジを重ねることで受容してきた。その知恵と苦難の歴史がここに描かれて...
開国後、諸外国から怒涛のように新しい料理が流入してきた。カレーもそんな料理の一つであった。しかしながら、今まで口にしてきた食事とは全く違う味や調理方法の料理に悩む日本人は、新しい料理を日本人の舌に合うように、アレンジを重ねることで受容してきた。その知恵と苦難の歴史がここに描かれている。 日本人の国民食、カレーライスの誕生の経緯を、沢山の資料を元に再構築する本。
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※このレビューにはネタバレを含みます
小菅桂子『カレーライスの誕生』講談社学術文庫、読了。本場のインド人が日本のカレーを食べて「うまい、これ何?」と問うカレーライス。本書は、インドを出発し英国経由で日本にやってきた経緯と「日本食」に変容していく歩みをたどる。文明開化からレトルトまで。スパイスの秘密もさぐる食の文化史。 国産初のカレー粉の発売は明治36(1903)年のこと。大阪道修町の薬種問屋今村弥(現ハチ食品)。「洋風どんぶりうちでも作れまっせ!」がキャッチコピー。ちなみカレー丼とカレーうどんも大阪生まれとのこと。関東では高級食化するが、関西では生卵のせやソースかけなど多様化という対比も面白い。
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タイトルの通り、日本におけるカレーライスの誕生や発展といった歴史について論じている。 カレーに生卵を乗せる食べ方は関西の流儀だと初めて知った。そういえば勤務先のそばにあるカレー店(大阪が発祥)も生卵トッピングがあるので納得。 明治時代や昭和戦前のレシピも紹介されているが、固形のカ...
タイトルの通り、日本におけるカレーライスの誕生や発展といった歴史について論じている。 カレーに生卵を乗せる食べ方は関西の流儀だと初めて知った。そういえば勤務先のそばにあるカレー店(大阪が発祥)も生卵トッピングがあるので納得。 明治時代や昭和戦前のレシピも紹介されているが、固形のカレールーが登場する前の作り方は何だか面倒くさそう。。ルーのありがたさを改めて認識した。
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国民食ともなった「カレーライス」の歴史をたどる名著。 カレーライスとは何か? というところから、明治期にはじめてカレーライスと出会った人たちの感想、そして手軽で美味しい洋食として広まり、レトルトカレーの登場で一気に国民食になった流れが良く分かる。カレーライスの歴史は結構明らかに...
国民食ともなった「カレーライス」の歴史をたどる名著。 カレーライスとは何か? というところから、明治期にはじめてカレーライスと出会った人たちの感想、そして手軽で美味しい洋食として広まり、レトルトカレーの登場で一気に国民食になった流れが良く分かる。カレーライスの歴史は結構明らかになっている部分が多くて、目新しいと感じた部分は少ないけれども、概説として良くまとまっていて、一家に一冊欲しいなぁと思わせるものがあった。 今や宇宙食にもなっているカレーを通じて、日本人の創意工夫を刺激してやまない美味しさの魅力に迫る。カレーライスって大好きなので、この本を読んだら「今日はカレーを食べよう」という気になるのも良い。あと、本の表紙が食欲をそそるものになっていて、選書メチエ版よりも良いと思う。
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一匙のスプーンに乗ったカレーの表紙が妙に美味そうに見えて、思わず手に取った本作。インドで生まれたカレーがいかにして日本に根付いたかをコト細かく説明してくれます。 おかげさまで本作を手にしてからはしばらくカレー三昧。夕飯はカレーライス。パンを買うときはカレーパン。お昼ご飯でそば屋...
一匙のスプーンに乗ったカレーの表紙が妙に美味そうに見えて、思わず手に取った本作。インドで生まれたカレーがいかにして日本に根付いたかをコト細かく説明してくれます。 おかげさまで本作を手にしてからはしばらくカレー三昧。夕飯はカレーライス。パンを買うときはカレーパン。お昼ご飯でそば屋によったらカレー南蛮と、カレー漬けの日が続いてしまいました。 と言う感じでとにかくカレーが食べたくなってしまう本。ただ、日本のカレーに特化している本なので、より広くカレーに関するお話が知りたかったら、やっぱり漫画「華麗なる食卓」がベストかなー、と思いました。
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