ひとりも殺させない の商品レビュー
10年前に出版された本だが、この時より今の状況は酷くなっているのは間違いない。 あの人は生活保護を受けていい、この人はいけない、そんな事を選んでいたら社会はとんでもない事になる。 この国が、あるいはこの国で溺れず、生きていくためには進み続ける事、なのだと思う。その為にはこれでいい...
10年前に出版された本だが、この時より今の状況は酷くなっているのは間違いない。 あの人は生活保護を受けていい、この人はいけない、そんな事を選んでいたら社会はとんでもない事になる。 この国が、あるいはこの国で溺れず、生きていくためには進み続ける事、なのだと思う。その為にはこれでいいのか、と問い続ける事が最も大切なのだと思う。
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とても良いソーシャルワークの入門書。具体例を用いてわかりやすく実態を伝えているし、全体をソーシャルワークの価値が貫いている。新米社会福祉士としても大切なことを再確認できたなあと。
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「早めに生活保護制度に入ってもらって、早めに支援したほうが自立支援は有効に機能します。生活保護受給者を排除するよりも、丁寧で重厚な支援を導入した方が、生活保護からの脱却にも有効です。これまではそういった納税者に転換するべき人たちが、機会を与えてもらえなかったといえます。」(157...
「早めに生活保護制度に入ってもらって、早めに支援したほうが自立支援は有効に機能します。生活保護受給者を排除するよりも、丁寧で重厚な支援を導入した方が、生活保護からの脱却にも有効です。これまではそういった納税者に転換するべき人たちが、機会を与えてもらえなかったといえます。」(157) 支援の前に財源のことを考えろ、云々というとても真っ当なように見えて凡庸な論理ではねられてしまうのは、社会福祉も教育行政も似通っている。お金周りをよくするセクターや企業への投資も大事だけれども、身体の自由が効かなくなった時にそれでも回復し就労出来るだけの「生活上の弾力」を、全ての人間に与えることこそが、そう遠くない将来の日本の基礎体力を少しでもまともなものにするはず。 そうした事態の認識が広がっていかないようでは、「将来世代によい日本を」という先行世代の言葉は勿論、「何とか生きて行ける国を」という私たちの世代の言葉すらも、恐ろしいほどに空しい。
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著者の活動報告本 そうさ、もちろんそうさ、弱い者を守ってやれるのが良い社会さ。 だけど、その財源はどうするんだい? どこを削る?税率あげる? 法人税率を下げろ。増やしたら日本から出て行くぞ企業はいう 消費税あげるなと市民はいう 老人のための費用をもっとよこせと老人はいう 保育所...
著者の活動報告本 そうさ、もちろんそうさ、弱い者を守ってやれるのが良い社会さ。 だけど、その財源はどうするんだい? どこを削る?税率あげる? 法人税率を下げろ。増やしたら日本から出て行くぞ企業はいう 消費税あげるなと市民はいう 老人のための費用をもっとよこせと老人はいう 保育所をなんとかしてくれと若者はいう 自衛隊の費用も減らせない さぁ、どこからお金を持ってこようかね やっと手にした給与から税率が上がりしぼりとられ、手取りが減り、 こんなことなら、あの人達のように、病気にでもなって、仕事ができなくなれば、何もしないでお金がもらえる、そのほうがいじゃないか。そう思う人たちの気持ちもわかるんだよな・・
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タイトルにあらわれている本気に惹かれて購入。 一般に流布している、生活保護についての誤った認識をただすのにうってつけの本。広く読まれるべきだと思うし、著者のような活動は応援していきたい。 個人的には、ロールズが言う「無知のヴェール」みたいなものとは別の仕方での公共性、倫理を模索し...
タイトルにあらわれている本気に惹かれて購入。 一般に流布している、生活保護についての誤った認識をただすのにうってつけの本。広く読まれるべきだと思うし、著者のような活動は応援していきたい。 個人的には、ロールズが言う「無知のヴェール」みたいなものとは別の仕方での公共性、倫理を模索したい。というのも、ロールズの議論は結局、「まわりまわってあなた自身のためなんですよ」という、自己保身のための想像力への訴えかけに過ぎず、真に他者のための倫理とは異なっていると思うから。 以下メモ。 生活保護受給者の自殺率は通常の二倍超。金やモノを渡すだけではダメ。対人的な援助が不可欠。 生活保護はあくまで、最低生活費に対する不足分のみ。 諸外国と比較すると、日本における、最低生活費に満たない収入で生活している人たちの受給率は極めて低い。「漏給」率80パーセント。 日本の生活保護の対GDP比は0.6パーセント。アメリカの半分。イギリスの8分の1以下。 「不正受給」としてカウントされるうちのほとんどは行政側の説明不足・怠慢によるもの。 医療の「不正受給」は医療機関側に問題。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人の先入観やイメージはほんとうに怖いと思う。 生活保護の不正受給は全体の0.4%だが、まるでほとんどが不正なんじゃないかとばかりにメディアがバッシングを始め、政治家や影響力のある有識者の保護費削減への訴えが増え、社会の空気をある種洗脳していく。 社会がつくる物事への先入観が人を死に追いやっていく構図が見える。 すばらしい本でした。 すばらしすぎる本でした。 「生活保護=不正受給、がんばらない人たちになぜお金をかけるのか」 という先入観と社会のイメージは、 「ニート=怠け者」のそれとよく似ている。 筆者の藤田さんは、あるホームレスのおっちゃんとの出会いから日本の貧困問題に取り組むようになる。対象の実態はさまざまで多種にわたる。今から自殺したいという人、ホームレス状態にある人、売春を強要される女性、DVを受けている人など。 孤立し餓死、凍死、自殺していく人を何人も見てきた中で沸き起こる、お金を与えれば終わる支援への疑問、専門性のないソーシャルワーカーの限界、捕捉率が極めて低い(生活保護を受けられる生活水準にある人の70%が生活保護制度を受けれていない)生活保護制度変革の必要性。 ホームレスになった、行政のお金をもらわなくてはいけなくなった人の自己責任に走る政治の在り方に警鐘を鳴らし、社会構造・社会福祉の変革の必要性がとても力強く発信されている1冊。今の支援現場への疑問を恐れずに発信している。冒頭のひとつの命の孤立死の描写は、この豊かなはずの日本でなぜこんなことが起こりえるのかと涙が出るほど痛ましかった。 生活保護を受けているんだから余裕があるはずでしょ なんで家族がいるのに扶養を求めないの まだ若いんだから働けるでしょ ニート問題と同じく、生活保護の分野でも、社会のイメージと先入観が強烈な足枷になっている。 生活保護は、どのような状態の人も排除しないで支援していくという社会包摂の理念の上に制度化されている。「最後のセーフティーネット」と呼ばれるくらい、「最終的には誰も排除しない制度」。かわいそうな人のために社会保障があり、その中のひとつとして生活保護などの貧困政策があるのではなく、普遍的に誰でも受けることができる社会保障の中に、生活保護制度を位置づける必要がある。いつ体を壊し働けなくなるかもわからない、いつ鬱になってひきこもってしまうかもわからない、いつリストラにあうかわからない、再就職できないかもしれない、新卒だって無職になる時代。今の社会に生きる誰もが貧困と隣合わせに生きているのだから。 あまりに心に響く本だったので、長々と語ってしまいましたが 興味が湧いたら絶対に読んでほしい。この本に「関係のない人」は、ひとりとしていないと思いました。日本人の課題図書です。
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