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跡形なく沈む の商品レビュー

3.6

14件のお客様レビュー

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2021/06/11

誰もが顔見知りの小さな街での、不正選挙と復讐に燃える女性のミステリー。 ケンの覇気の無さと、正直性格ジュディの絡みが楽しい。殺人事件そのものに導くのは無理があったかな、で気持ちは4点。

Posted byブクログ

2017/04/13

母の死後、ルースは父を探すために小都市シルブリッジへやってきた。過去を蒸し返そうとする彼女の行動は人々を不安に陥れ、とうとう殺人が起こる… ルースをはじめクセのある人物ばかりで、狭い人間関係の中でドロドロするサスペンス。安定のディヴァインである。読み返そうとは思わないけど読んでる...

母の死後、ルースは父を探すために小都市シルブリッジへやってきた。過去を蒸し返そうとする彼女の行動は人々を不安に陥れ、とうとう殺人が起こる… ルースをはじめクセのある人物ばかりで、狭い人間関係の中でドロドロするサスペンス。安定のディヴァインである。読み返そうとは思わないけど読んでるあいだは時間を忘れる。 変なタイトルの意味はラストでわかってゾッとした。

Posted byブクログ

2015/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

良質なミステリー。この作者の小説は初めて読んだが、グッと読ませる小説をかくなぁ、と上手さにうなってしまった。 登場人物の少なさ、小さな町が舞台と言う閉塞感、その中で起こる殺人事件、どこでどうつながってるか分からないドロドロした男女関係…普通なら読んでてうんざりするような舞台設定なのに、そういう閉じた世界だからこそのフーダニットがオモロい。しかもうんざり加減をあまり感じなくて済む読み心地。 犯人探しの醍醐味というより、小さな村社会に投じられた一石の波紋が広がっていく様を、主人公たちと一緒にアタフタ見守っていくような読み方が、この小説を味わうコツだと思う。 ところで、 本来だったら、ホームズ・ワトソン役にあたるはずのハリー刑事と恋人のアリス、主人公格のカップルより、俺はこの2人を絶大に肩入れするぞ!

Posted byブクログ

2015/07/29

後半になって面白かったですね ただ、殺される女性、ルースの性格描写をもう少しして欲しかった気がします、ケンとジュディスの二人は面白いですね ディヴァインの作品はいずれも傑作と言えるかもしれませんね

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2015/04/09

冗長な展開と共感できない登場人物たち。事件自体に面白味はないけれど、終盤のタイトルの意味が分かるシーンはちょっとぞくりとする。 タイトルが文字通り過ぎて怖い。

Posted byブクログ

2014/05/15

ディヴァインが生前、最後に発表した作品。 これもどちらかというと犯人の目星がつけやすいタイプ(そもそも容疑者が限られているので、「どいつもこいつも怪しく見える」的な読書体験は無い)。 登場人物が鬱屈している度合いはこれが一番高いかも……。 創元から出ているディヴァインはこれで全...

ディヴァインが生前、最後に発表した作品。 これもどちらかというと犯人の目星がつけやすいタイプ(そもそも容疑者が限られているので、「どいつもこいつも怪しく見える」的な読書体験は無い)。 登場人物が鬱屈している度合いはこれが一番高いかも……。 創元から出ているディヴァインはこれで全部読んだことになるが、誰かに勧めるならこれか『兄の殺人者』にするかなぁ。

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2013/12/30

読み終わるまで発刊年(1987年)を意識していなかったので、登場する人物像が皆豊かに肉付けされており、想像しやすかったことが意外だった。ケンとジュディスはそれぞれ現代的なイメージすらあったからだ。淡々とした描写でその人らしさを浮き彫りにするところはクリスティを思い出させる。曰くあ...

読み終わるまで発刊年(1987年)を意識していなかったので、登場する人物像が皆豊かに肉付けされており、想像しやすかったことが意外だった。ケンとジュディスはそれぞれ現代的なイメージすらあったからだ。淡々とした描写でその人らしさを浮き彫りにするところはクリスティを思い出させる。曰くありげな過去、忍び寄る不安、意外な結末と、ミステリとしてきちんとまとまった佳作だと思う。

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2013/11/11

毎回巧みな人物描写によるドラマで読者を楽しませつつも惑わせるディヴァイン。本作でもその魅力が遺憾なく発揮されていたと思います。 一人の謎の女の登場によって不穏な空気に支配されていく小都市シルブリッジ。彼女が中心となっている間は物語がどこに向かっているのか分からなくて多少混乱しま...

毎回巧みな人物描写によるドラマで読者を楽しませつつも惑わせるディヴァイン。本作でもその魅力が遺憾なく発揮されていたと思います。 一人の謎の女の登場によって不穏な空気に支配されていく小都市シルブリッジ。彼女が中心となっている間は物語がどこに向かっているのか分からなくて多少混乱しました。 ジュディの一家がメインになってきてからは分かりやすいのですが、登場人物が少ないのと、あからさまな描写が多いのでフーダニットとしては簡単になってしまっていたと思います。 しかし、事件を通して人々の裏の姿が見えていく様は良質なサスペンス。複雑な人間関係で全体的にとっても暗いお話です。 緊迫感ある終盤での追走劇は盛り上がりましたし、タイトルの意味の恐ろしさにもゾッとします。 そして、ラストは非常に切なくて良い。とてもデリケートな状況でのあのケンのセリフ、そしてそれに対するジュディの答え方が切なくも微笑ましい。 意地や見栄で素直になれないこういった人間の描写がやっぱり上手だなと思います。 アリスとハリーの2人はとてもおもしろいキャラクターでした。本当ならこの二人が探偵役とワトソン役になるんでしょうけれど、あくまでも一歩引いた場所で動いているのが終盤での盛り上がりに一役買っていたと思います。

Posted byブクログ

2013/07/30

ひねりのあるプロット、奥行きのある登場人物の造型、まったくディヴァインは面白い。時々のお楽しみに読んできて、未読はあと二作くらいだろうか。読み切るのがもったいない。 しかしまあ、特に分厚いわけでもない文庫の値段が本体1100円…。う~ん、文庫って何だったっけ?

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2013/05/31

憎き母が死んだ。何一つ秘密を漏らさないまま______。父を知らずに育ったルース・ケラウェイは、母の遺品から手掛かりを得て小都市シルブリッジへ渡った。父親を捜す傍ら、なぜか数年前の協議会議員選挙の不正も探ろうとするルース不可解な行動は、人々の不安を煽り、ついに殺人事件まで発生する...

憎き母が死んだ。何一つ秘密を漏らさないまま______。父を知らずに育ったルース・ケラウェイは、母の遺品から手掛かりを得て小都市シルブリッジへ渡った。父親を捜す傍ら、なぜか数年前の協議会議員選挙の不正も探ろうとするルース不可解な行動は、人々の不安を煽り、ついに殺人事件まで発生する。複雑な人間関係を操り、鮮やかなフーダニットを演出する円熟期の傑作。本邦初訳。

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