玉磨き の商品レビュー
三崎ワールドに入ると当たり前に読み進める事が入りづらい時は理解不能に陥り本を放り出してしまうので、時間がある時に一気読み。今回は様々なムダと思える仕事に情熱を注ぐ人たち。自分らは何をしているのか分からないが惰性とも言えるかも知れないが真剣に仕事に取り組む姿をルポしている。哲学がど...
三崎ワールドに入ると当たり前に読み進める事が入りづらい時は理解不能に陥り本を放り出してしまうので、時間がある時に一気読み。今回は様々なムダと思える仕事に情熱を注ぐ人たち。自分らは何をしているのか分からないが惰性とも言えるかも知れないが真剣に仕事に取り組む姿をルポしている。哲学がどういうものかわからないが自分にとって三崎ワールドが人生の歩みを考える哲学書のような気がする。難解な世界観だから哲学と位置づけているのかも知れないが
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三崎ワールド全開の不思議なお仕事集。細部まで作りこまれた世界観や設定は、絶対ありえないのに本当にそんな仕事がありそうにも思えてくるところがすごい
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ただ玉を磨き続ける伝統産業、周り続ける通勤用の観覧車など、ルポ形式の短編集。どれも奇妙な話で、ねじれているような世界観。でも嫌いじゃない。つい人に言いたくなった。逆説的な深い言葉が散りばめられていて、付箋をたくさん貼った。
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玉を磨き続ける伝統産業、海に沈んだ商店街を一人守り続ける男など、この世界から消えつつあるものを記録したルポ…の体裁をした小説。一瞬だけ本物のルポかと信じてしまった。
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人々が作り出すもの守り続けるもの 目に見えなくても、たとえ消え行くと承知のうえで 生みだす必要性と意味。 全ての生活を、実体のない玉を磨き続けることで受け継がれてきた伝統産業の玉磨き。 観覧車の形をした電車に乗り込むことを通勤の一部として取り入れる人たち。 古川姓は優秀だともてはやされ結果虐げられた古川世代の悲劇。 人々の不調の範囲を頼りに捕獲するガミ追いの昔と現代の違い。 引きこもりたちの役割である部品作りの作業と、それでも社会復帰できないジレンマ。 海に飲まれ無かったことにされた街を思う人たちの葛藤。 現実離れして話なんだけど、どれも現代でも考えられる物事につながっていて あとがきや参考文献まできちんとあってリアルな錯覚を抱いてしまう。 異世界に来てしまったかのような摩訶不思議で感慨深い)^o^(
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通勤観覧車がいい。多分この先、見知らぬ街で探してしまうかもしれない。最後の参考文献という小ワザが効いて、一瞬「ホンマに?!」と思わせてくれる。
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三崎作品の、風変わりな世界による異なった価値観は面白かった。それが段々、現実の一部を社会批判じみたものの形で歪めた虚構世界になってる気がする。リポーターが取材した6つの職業となるが、理屈っぽいだけで説得力はない。むしろ読者をからかってるのかとさえ感じる。まぁ、取材の形だから感情移...
三崎作品の、風変わりな世界による異なった価値観は面白かった。それが段々、現実の一部を社会批判じみたものの形で歪めた虚構世界になってる気がする。リポーターが取材した6つの職業となるが、理屈っぽいだけで説得力はない。むしろ読者をからかってるのかとさえ感じる。まぁ、取材の形だから感情移入は少なくなるが・・暇潰しレベル。
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※このレビューにはネタバレを含みます
失われるために記録されるルポルタージュ形式の連作集。 ・玉磨き ・只見通観株式会社 ・古川世代 ・ガミ追い ・分業 ・新坂町商店街組合 の6編とプロローグとエピローグと参考文献から構成されています。 新手の作風ながら三崎ワールド全開と思います。 似て非なる寓話的な現代世界を舞台に、体制や大衆に対する批判が胸に刺さります。
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「喪失感」を文章に綴るとこんな作品になるのでしょう。 現実には そこに ありえないからこそ より その実態がまるで手に取るように 迫ってくるような気がする 書き手の言葉選びの巧みさもむろんのこと 読み手が勝手に想像させてもらえる その自由度も また 楽しい 最後の「参考文献」に...
「喪失感」を文章に綴るとこんな作品になるのでしょう。 現実には そこに ありえないからこそ より その実態がまるで手に取るように 迫ってくるような気がする 書き手の言葉選びの巧みさもむろんのこと 読み手が勝手に想像させてもらえる その自由度も また 楽しい 最後の「参考文献」に 三崎さんのお茶目さが滲み出ているのも また 楽しい
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フリーのルポライターが失われていく伝統工芸・できごとを追って綴った6編。ノンフィクションの形だが、ライター自身がフィクションであり、あくまでファンタジーである。頭に1番難解な「玉磨き」をもってきているため、物語そのものに入り込めなかった。「新坂町商店街組合」は東北震災をモチーフに...
フリーのルポライターが失われていく伝統工芸・できごとを追って綴った6編。ノンフィクションの形だが、ライター自身がフィクションであり、あくまでファンタジーである。頭に1番難解な「玉磨き」をもってきているため、物語そのものに入り込めなかった。「新坂町商店街組合」は東北震災をモチーフにしたものだろうか。光景が目に浮かびやすいこういったものを頭に持ってくると他のものもすっと入ってくる気がする。
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