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レジリエンス 復活力 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2013/09/29

レジリエンスという言葉に出会ったのは、つい最近。メンタルヘルスにならない職場から、なったとしても持ち直せる職場へ、というセミナーにおいてでした。本書ではレジリエンスという考え方を個人から文化、自然、経済、社会まで拡げてサステナビリティの先の概念として語っています。概念というか、コ...

レジリエンスという言葉に出会ったのは、つい最近。メンタルヘルスにならない職場から、なったとしても持ち直せる職場へ、というセミナーにおいてでした。本書ではレジリエンスという考え方を個人から文化、自然、経済、社会まで拡げてサステナビリティの先の概念として語っています。概念というか、コンピテンシーみたいなものかも…あまりに複雑化したシステムの中に暮らし、9・11とか3・11とかそのシステムの崩壊を目にしている我々の身につけなければならない素養のように感じました。そういう意味で通訳型リーダーシップというリーダー論が印象的でした。またレジリエンスがビッグデータや社会的イノベーションと結びつく終章では、「予測とコントロール」から「測定と対応」へのシフトを訴えるダンカン・ワッツ「偶然の科学」とのシンクロを感じました。

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2013/08/29

レジリエンスとは、 「システム、企業、個人が極度の状況変化に直面したとき、  基本的な目的と健全性を維持する能力」 と(この本では)定義される。 似た概念に「サステナブル」があるが、本書によると サステナブルには次の問題があると指摘している。 ・資源の維持に注目するあまり、特定...

レジリエンスとは、 「システム、企業、個人が極度の状況変化に直面したとき、  基本的な目的と健全性を維持する能力」 と(この本では)定義される。 似た概念に「サステナブル」があるが、本書によると サステナブルには次の問題があると指摘している。 ・資源の維持に注目するあまり、特定のモノの保護という 部分最適な行動を引き起こす。 ・今の状態の持続に固執し、手遅れになった現実に対応できない。 ・社会規範、文化との対立を解消できない。 この本では、レジリエンスとそうでない事例を、 金融システム、病原菌、テロ組織、電力網、自然環境、 人の心、集団、社会という広範囲の分野で紹介している。 特に面白かったのは以下の事例。 ・サンボジャ・レスタリ(不朽の森)  複数の樹種を十数年かけて多層的に植林し、  中央に動物保護区を設置、人が生計を立てられる作物も植え、  生態系と経済の利益の両方を最大化する。 ・ミッション4636  ハイチ大地震において、緊急メッセージのマッピングシステムを  2日で構築。誰かが強力なリーダーシップを発揮したわけではなく、  ソーシャルネットワークなどの弱いつながりを元に、  入力する人、翻訳する人、現地の電話会社、ラジオなどが  ボランティアで活動した。 ・パラオの父  1970年代のパラオは、 市場経済の流入により漁業が産業化し、  乱獲により魚が絶滅するおそれがあった。  パラオの青年ノア・イデオンは、ダイビングによる観光立国を目指し、  議会、漁師たちを説得し、魚を獲るものから見せるものに変えた。  

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2013/06/25

レジリエンスは冗長性とは違う。必ずしも同じように元に戻らなくてもいい。これは、当たり前かもしれないが、結構衝撃的な宣告だった。 どこかで目標をさだめてレジリエンスにしよう、というのは、だから結構難しい、のだ。本書にも、実践はいつも暫定的でしかない、と書かれている。ある瞬間のレジリ...

レジリエンスは冗長性とは違う。必ずしも同じように元に戻らなくてもいい。これは、当たり前かもしれないが、結構衝撃的な宣告だった。 どこかで目標をさだめてレジリエンスにしよう、というのは、だから結構難しい、のだ。本書にも、実践はいつも暫定的でしかない、と書かれている。ある瞬間のレジリエントなものが、ずっとそういうわけではない、ということだ。本書は、失敗例も含めて、個人や組織、さまざまな事例がその発想の手助けをしてくれるだろう。 ただ、個人はともかくとして、社会のレジリエンスは政治そのもので、どこかにとどまり続けようとすると、冗長化は出来ても強靭化は出来ないかもしれない。なでしこジャパンはレジリエンスなチームだそうだ。それで、なんとなくつかめるのかもしれないが。 キーワードは素晴らしいけれど、単純には明るい気持ちにはなれない。

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2013/06/24

***** 最初から最後まで、わかるようで分からない、 捉えられているようでつかみ切れていない、 そういう感覚のまま走り切ってしまった。 ***** コンセプトが東洋的なものであるから、なのだろうか。 *****

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2013/05/19

タイトルのレジリエンスというのは復活力とか弾力性という意味で、大きなダメージを受けたものが修復する力という意味だそうです。 (ダメージとかショックを受けても壊れないという意味ではなくて、ダメージを受けて崩壊したり壊れたところから再生する力ということだそうです。) 対象の範囲が生...

タイトルのレジリエンスというのは復活力とか弾力性という意味で、大きなダメージを受けたものが修復する力という意味だそうです。 (ダメージとかショックを受けても壊れないという意味ではなくて、ダメージを受けて崩壊したり壊れたところから再生する力ということだそうです。) 対象の範囲が生態系、組織、個人ととても広くていろんな話を読めました。 おもしろかったです。

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2013/05/04

組織、機関、個人、レベル感はそれぞれだけど、 不測の事態に柔軟に対応するために必要なことは何か、 について書かれている。 特に個人の章は、人が苦しみや悲しみを抱えながらも、 精神的に病むことなく、人生を謳歌できるのはなぜか、 という問いに、分析的な立場から解明を試みている点が ...

組織、機関、個人、レベル感はそれぞれだけど、 不測の事態に柔軟に対応するために必要なことは何か、 について書かれている。 特に個人の章は、人が苦しみや悲しみを抱えながらも、 精神的に病むことなく、人生を謳歌できるのはなぜか、 という問いに、分析的な立場から解明を試みている点が とても興味深い。 図書館で借りたが、すべて読み切れなかった。 ただ、文体はそこまで難解ではなく読み始めれば腑に落ちることも多い。学術書であるため、研究の内容など直接役に立つ情報ばかりでもないが、購入してしっかり読み込みたいと思える書。

Posted byブクログ