チューリングの大聖堂 の商品レビュー
フォン・ノイマンの伝記みたいなもの。初期コンピュータがどんなものであったかを知るのに良いかも。 科学史に興味のある方にお勧めしておきます。
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コンピュータの創成期に活躍したフォン・ノイマンやアラン・チューリング、そしてその周りの人々を取り上げ。アメリカのプリンストン高等研究所の成り立ちと在籍した人々の話題を述べる。表題にチューリングとあるが、フォン・ノイマンの記述の方が多そうだった。
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チューリングがケンブリッジの学生だった当時、数学はまだお金にならない学問だとみなされていたという歴史が印象的だった。 今日では数学的な思考ができるプログラマは破格の待遇をもってトップ企業に求められる事を考えると、わずか100年足らずで凄まじい変革が起こったと思う。
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「チューリングの大聖堂」 非常に面白かった。600ページ近くの大著で登場人物が多く、第二次世界大戦前後のコンピューター開発の歴史を描いている。 チューリングをスタートとするコンピューター開発の群像を描いているが、その主人公はやはりノイマンである。 現在のプログラム内蔵型コンピュー...
「チューリングの大聖堂」 非常に面白かった。600ページ近くの大著で登場人物が多く、第二次世界大戦前後のコンピューター開発の歴史を描いている。 チューリングをスタートとするコンピューター開発の群像を描いているが、その主人公はやはりノイマンである。 現在のプログラム内蔵型コンピューターをノイマン型コンピューターというように、開発に大きく貢献した天才であることは間違いないと思うが、決して彼一人でコンピューター開発がなされたわけでは無い。開発の中で技術者の果たした役割は大きく、中でもピゲローに関してはノイマン自身が文章に表せていないすべてのことを知っている特別な人物として評価している。しかしながら、それにふさわしい評価がされているかと言えばはなはだ疑問だ。ピゲローに限らず、多くの技術者が開発に対して多大な貢献をしていることはもっと知られてもいいように思う。 ノイマンは戦前にドイツからアメリカに移り、ヨーロッパを救うため米軍に協力したが、その過程でコンピューターを開発し、原爆、水爆の開発設計に計算という側面から大いに貢献していると言える。しかし、ファインマンに「自分が存在している世界に対して、責任を負う必要はない」とアドバイスしたと言われており、この言葉をいったいどう考えたらいいのだろうか。大きな力を持つものは大きな責任を持つとは考えなかったのだろうか。 第2次大戦の後の冷戦において予備的戦争(核を含む戦争あるいは攻撃)が最終的な死傷者を少なくできるといった考えも、少々常軌を逸しているようにも思える。 時代の雰囲気はその時代を経験しなければわからないことが多いので、簡単に批判することはできないが、それでも、天才と言われる人はどこか異様な部分を感じさせる。
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長いので読むのにとても時間がかかった。(kindleで買うと、本の厚さが分からない。)そして、色々な登場人物が出てくるので、正直、誰が何をしたのか殆ど理解できなかった。ただ、やはりコンピューターは軍事、特に原爆と深く結びついており、その開発に大きく貢献したことだけは間違いのないよ...
長いので読むのにとても時間がかかった。(kindleで買うと、本の厚さが分からない。)そして、色々な登場人物が出てくるので、正直、誰が何をしたのか殆ど理解できなかった。ただ、やはりコンピューターは軍事、特に原爆と深く結びついており、その開発に大きく貢献したことだけは間違いのないようだ。最後の方で、急速に現代のデジタル技術と結びつけるような件があるが、むしろアナログコンピューターとデジタルコンピューターの違いや、これからの方向性等を熱く語って欲しかった。
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天才数学者フォン・ノイマンを中心とした、最初期のデジタルコンピュータ製作プロジェクトの壮大な物語。コンピュータの製作は、武器開発の過程と密接に絡み合う。科学的な話と歴史的な話が交錯するし、登場人物は多いし、時系列があちこちに飛ぶし、若干読みづらい。 が、ストレージ5kbyte(!...
天才数学者フォン・ノイマンを中心とした、最初期のデジタルコンピュータ製作プロジェクトの壮大な物語。コンピュータの製作は、武器開発の過程と密接に絡み合う。科学的な話と歴史的な話が交錯するし、登場人物は多いし、時系列があちこちに飛ぶし、若干読みづらい。 が、ストレージ5kbyte(!)のコピュータ製作から「フェイスブックがわれわらが誰なのかを定義し、アマゾンがわれわれが欲しいものを定義し、そしてグーグルがわれわれが何を考えるかを定義する。」世界を築きあげるまで進化•増殖したデジタル生命体の歴史は下手なSFより、よっぽど面白い。 ー 一文一文が異様に長いので英語で読むのはさすがに無理かもしれない。関係代名詞だらけに違いない。。。
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フォンノイマン、チューリング、ヴァネバーブッシュ、すげえ人たちが集まってボイラー室でコンピューターを作り出す。新型爆弾や暗号を解いて戦争に勝つのだ。ナチスによって追い出されたユダヤ人たちが東海岸に集う。雑多なエピソードの連結により、新しいものを作り出す行為自体は現代と特に変わりのないことが明らかになる。場所が足りないとか、誰かがコーヒー飲みすぎるとか、飲み会が大事だとか、部品が入らないだとか、部品の性能が悪いだとか、暑いとか、寒いとか、オフィスが狭いだとか。
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フォンノイマン型のコンピューター誕生の技術史。 原爆・水爆の開発を裏部隊として、暗号解読は当然のこと、高射砲や気象予報など軍事関連の研究を基にそこにかかわる研究者たちの関わりを描いていく。 個人的にはチューリングのことを読みたくて読み出したんだけど、ほとんどがフォン・ノイマンに関...
フォンノイマン型のコンピューター誕生の技術史。 原爆・水爆の開発を裏部隊として、暗号解読は当然のこと、高射砲や気象予報など軍事関連の研究を基にそこにかかわる研究者たちの関わりを描いていく。 個人的にはチューリングのことを読みたくて読み出したんだけど、ほとんどがフォン・ノイマンに関することで予想と外れました。それと話しが冗長で読んでて後半は疲れてしまいました。 面白い人には面白いと思いますが、私はダメでした。あんまりコンピューターのハードウェアには興味がないのかもしれん。
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プリンストンの高等研究所で取り組まれた最初期のデジタル・コンピュータを製作するプロジェクトと、それを取り巻く中心人物達の物語。 どのように技術発展しコンピュータが進化して来たかという題材よりも、どのような人物が登場し、その人物がどのように関わって行ったのかにスポットを当てている。 まるでコンピュータ史の人物伝記の様相で、もっと難解な内容で占められているかと思っていたので想像以上に読みやすく入り込みやすい。 ただ、あまりの登場人物の多さに少々混乱してしまったが、中でも特に重要であったのは数学者「ジョン・フォン・ノイマン」で、ほとんどの登場人物と関わりを持って描かれており、彼が様々な科学者・数学者と影響し合い、コンピュータの発展に貢献してきたかがよくわかる。 またコンピュータの大いなる発展は核爆弾開発と大きく結びついていたわけだが、インターネットの誕生もそうだったが、科学技術の発展は軍事技術と密接に結びついていることを改めて実感させられる。 重厚な内容とボリュームから読み切るのは大変だが、読んで損なし。
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