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とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 の商品レビュー

3.7

23件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2022/10/18

冒頭の「とうもろこしの乙女 ある愛の物語」はおもしろかった。 他は私には怖すぎる話ばかりだった。 「化石の兄弟」「タマゴテングタケ」は双子の話。愛憎入り混じる…

Posted byブクログ

2022/04/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

孤独や狂気や嫌悪、残虐さが共通する7篇収録。 全体を通して、登場人物たちの理由なき暴力性みたいなものを嫌悪しながらも、どこか分からなくもないと思えてくるのが恐ろしかった。無慈悲にただ被害を受ける弱者に悲しみを寄せながら、この世から暴力が無くならないのは、元々人間に備わっているからなのかもしれないと思った。周囲に対する怒りや嫌悪が、最終的に自分に向くジュードの行動が頭に浮かんでくる。最後まで彼女は何も分からないままだったのだと思うとやけに悲しかった。 どの話も濃密だが、最終話は主人公ルーカスの思考に飲み込まれて読後放心した。それまでの話も心の動きが繊細に、大胆に描かれていたが、人間の酷く混乱した頭の中を覗き込むとこうも疲労するのかと恐ろしくなった。 それほど深くのめり込んで体験せずにはいられない、魅力ある本だ。

Posted byブクログ

2021/08/08

愛と憎しみが類義語であるかのような短編集だった。 いろいろな関係性と憎悪のかたち。自分こそがもつべきものを他人がもっているという嫉妬。自分がもっているものを不当に奪われた、あるいは奪われそうだという危機感。そこからうまれる憎悪、羨望、愛情。惹かれるということは、とらわれるというこ...

愛と憎しみが類義語であるかのような短編集だった。 いろいろな関係性と憎悪のかたち。自分こそがもつべきものを他人がもっているという嫉妬。自分がもっているものを不当に奪われた、あるいは奪われそうだという危機感。そこからうまれる憎悪、羨望、愛情。惹かれるということは、とらわれるということでもあるのではないか? そういうことをかんがえさせられる。 この短編集に書かれているような憎悪の一片でも誰かに抱いたことがあるのなら、またはそういう暴力性を感じたことがあるのなら、ページをめくる手を止められなくなるはず。 文章の雰囲気に馴染めるかどうかでおもしろさはかなり違ってくるとおもう。一文字一文字を丁寧に追うような読み方はあまりしないで、最初にさっと流しながらドキドキする場面やあっと感じたところから読んで、ある程度なれてきたら最初にもどるのがいいかもしれない。

Posted byブクログ

2021/04/21

帯の桜庭一樹氏の「世界が残酷だということを、また思いだしたい気分の夜。ぜひこの本を読んでみてほしい。きっと満足できるから。」に惹かれて。 「化石の兄弟」と「タマゴテングタケ」の双子の2篇が特に好き。未亡人の「ヘルピング・ハンズ」も良かった。

Posted byブクログ

2019/08/25

金髪の後輩を監禁する少女の狂気を描いた中編の表題作ほか、6つの短編をおさめた作品集。 親子や兄弟姉妹の密な関係を軸に、嫉妬や孤独など負の感情を増幅させて残虐性をまとった、悪夢のような話ばかり。追い詰められ爆発に至る感情をこと細かくリアルに、しかもスピーディーな展開で描いているた...

金髪の後輩を監禁する少女の狂気を描いた中編の表題作ほか、6つの短編をおさめた作品集。 親子や兄弟姉妹の密な関係を軸に、嫉妬や孤独など負の感情を増幅させて残虐性をまとった、悪夢のような話ばかり。追い詰められ爆発に至る感情をこと細かくリアルに、しかもスピーディーな展開で描いているため、読んでいて逃げ場のない気持ちになってくる。 オープンエンディングのものだけでなく、事件が解決しても後味の悪さの残る作品が多い。

Posted byブクログ

2019/02/03

以前に輸入CD屋でライブ音源を聞いていた時のこと。大地の土埃の舞う泥臭さが押し寄せてきて、これがアメリカという国のすごさなんだと驚愕した。我らがJ.C.O.の文章も同じく、現地の大地の栄養を沢山吸い込んだ、大樹のむせかえるような匂いが漂う。既に誰からも見上げられる虚空の存在であり...

以前に輸入CD屋でライブ音源を聞いていた時のこと。大地の土埃の舞う泥臭さが押し寄せてきて、これがアメリカという国のすごさなんだと驚愕した。我らがJ.C.O.の文章も同じく、現地の大地の栄養を沢山吸い込んだ、大樹のむせかえるような匂いが漂う。既に誰からも見上げられる虚空の存在でありながらも、常に呼吸をし若々しい葉を実らせ、現代に息づいている。タイトルの「とうもろこしの」も絶滅したインディアン部族の儀式からヒントを得たもので、過去に先祖が犯してしまった民族的排除の愚行を忘れるべからずと我々に投げかけてくる。

Posted byブクログ

2018/03/02

短編集6編.中編1編 表題作は★5だけど,あとは★3かな. どの作品にも静かな狂気に侵されていて,現実が得体の知れない何者かに壊されていく.しかもかなり暴力的に.その中でこれは妄想かもしれないという主人公たちの心理描写が非常に巧みに語られている.そして表題作はその怖さの中にも犯し...

短編集6編.中編1編 表題作は★5だけど,あとは★3かな. どの作品にも静かな狂気に侵されていて,現実が得体の知れない何者かに壊されていく.しかもかなり暴力的に.その中でこれは妄想かもしれないという主人公たちの心理描写が非常に巧みに語られている.そして表題作はその怖さの中にも犯しがたい「美」があって,とても良かった.

Posted byブクログ

2017/07/09

サクサク読めるな~~、そんでもって暴力的。 描写が生々しいとかそういうのではないのだけど…どこかえげつなくて怖い…そんな感じ。 個人的には双子の兄弟の話「化石の兄弟」のラストがなんか綺麗で…好きだな…。

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2015/01/28

図書館で。 悪夢というだけあってなんというのか後味の悪い、柔らかいところをチクチクと針で刺されるような読後感。人間は社会という他人とのかかわりあいの中で生きているのでその中での摩擦は仕方ないけれどもこう露悪的な人に出会っちゃうとどうにもしょうがないというか、そんな感想です。一言で...

図書館で。 悪夢というだけあってなんというのか後味の悪い、柔らかいところをチクチクと針で刺されるような読後感。人間は社会という他人とのかかわりあいの中で生きているのでその中での摩擦は仕方ないけれどもこう露悪的な人に出会っちゃうとどうにもしょうがないというか、そんな感想です。一言でいうと非常にありそうな話。だからこそイヤだなあと思うんでしょうね。 今度は長編を読んでみたいな、と思います。上手いとは思うけれども好きになれない。そんな短編集でした。

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2014/10/05

う~ん 桜庭氏推薦で手に取ったけど、 桜庭さんそのものもアヤしいからな~ あんまあてにしちゃいけなかった なんだか不快感がのこる作風 とうもろこしの乙女はどうなるのかな~ハラハラマスコミってひどいなーとけっこう面白く読めたけど それ以外の話は特に印象に残ってるのはなかったかな...

う~ん 桜庭氏推薦で手に取ったけど、 桜庭さんそのものもアヤしいからな~ あんまあてにしちゃいけなかった なんだか不快感がのこる作風 とうもろこしの乙女はどうなるのかな~ハラハラマスコミってひどいなーとけっこう面白く読めたけど それ以外の話は特に印象に残ってるのはなかったかなー たぶんこの人の本はもう読まない

Posted byブクログ