いよう! の商品レビュー
タイトルが軽快。 そしてタイトルそのままのセリフを吐きながらおでこにピースがトレードマークの上原清治郎っていう男のノリも軽快。 神出鬼没で やることなすことぶっ飛んでいるからサックサク読めてしまう。 でもその「軽さ」の裏にはものすごい寂寥感が漂っているなっていうのが私の印象。 ど...
タイトルが軽快。 そしてタイトルそのままのセリフを吐きながらおでこにピースがトレードマークの上原清治郎っていう男のノリも軽快。 神出鬼没で やることなすことぶっ飛んでいるからサックサク読めてしまう。 でもその「軽さ」の裏にはものすごい寂寥感が漂っているなっていうのが私の印象。 どの登場人物たちも世間では巧く生きにくい自分をひしひしと感じていて 戸惑っている。 共感出来る部分もあったけどなんだかこのまま終わってしまったら寂しいなと思いながら読み進めた。 ラストは少し救いがあったので良かった。
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主人公・哲彦の前に「いよう!」といつもの挨拶で登場する叔父は、時にはヒーローのように、時には人生の落伍者のように、何度となく、哲彦の人生に深く関わってくる。 最初は文章に子供騙し感も覚えたが、徐々に気にならなくなり、それよりラストはどうなるのかとぐいぐい読み進んだ。 結果的に文章...
主人公・哲彦の前に「いよう!」といつもの挨拶で登場する叔父は、時にはヒーローのように、時には人生の落伍者のように、何度となく、哲彦の人生に深く関わってくる。 最初は文章に子供騙し感も覚えたが、徐々に気にならなくなり、それよりラストはどうなるのかとぐいぐい読み進んだ。 結果的に文章にも内容にも深みは無く、新鮮な驚きは得られなかったが、中学生位の子には読みやすいかも。
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どこからともなく「いよう!」と現れて、気が付けばふらりといなくなってしまう。いい加減でのらりくらりと生きている、ちゃらんぽらんな叔父・清治郎。 そんな叔父との関係を、甥である哲彦の目を通して語られる。 成長と共に哲彦の一人称が「僕」から「俺」そして「私」へと変わっていく中でまた...
どこからともなく「いよう!」と現れて、気が付けばふらりといなくなってしまう。いい加減でのらりくらりと生きている、ちゃらんぽらんな叔父・清治郎。 そんな叔父との関係を、甥である哲彦の目を通して語られる。 成長と共に哲彦の一人称が「僕」から「俺」そして「私」へと変わっていく中でまた、叔父への想いも憧れから疎ましさなどの複雑な感情を経て変化していく。 子供の頃は自由に生きる叔父の姿が、ただ無邪気に格好良いと思えていたけれど、色々な事を知り大人になった彼の目にはただの「しょうもない男」にしか映らない。 かつては叔父のようになりたいと願った男の子は、いつの間にか叔父のようにはなるもんかと思うどこか冷めた大人になっていく。 哲彦の心の成長と共に変化していく叔父との関係性が面白い。 こういう駄目人間だけど、最後には何だか許せてしまう。そういう清治郎みたいな男っているよなぁ。
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