水の透視画法 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
初読。身近なものを入り口に深淵な世界を描き出し、それをコンパクトに凝縮させた文章。辺見さんのもつ怒りは常に私を脅かす。同時にその怒りは辺見さん自身にも向かっていることについて、不甲斐なさと申し訳なさと悲しさと安堵が入り混じった複雑な気持ちにさせられる。
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独特の厭世観で、日常に起こる出来事を淡々とつづる。何となくだが引き込まれる。 2回目: 再読するも、ほとんど初めて読んだような気分。ルポライターだったかと思うが、表現が文学的かついかめしい。味もあるが、「なんか面倒なじいさんだ」という感も強い。そこが面白いところでもあるが・...
独特の厭世観で、日常に起こる出来事を淡々とつづる。何となくだが引き込まれる。 2回目: 再読するも、ほとんど初めて読んだような気分。ルポライターだったかと思うが、表現が文学的かついかめしい。味もあるが、「なんか面倒なじいさんだ」という感も強い。そこが面白いところでもあるが・・ 考えない・・確かにそうかもしれん。
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筆者がその時目にしたもの、風景。耳に入れた言葉、音。そのすべてをゆっくりとかつ注意深く丁寧に語りかけてくるような感じ。最後に「精神がかつてなく自由でいられた」と書かれており、少し救われた。利き手が不自由な(そう書かれている)辺見さんが無心に綴った文章は心に染み入ります。
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私たちは、何かを見ているようで、いかに何も見ていないか。 何かを考えているようで、いかに何も考えていないか。 ことばに、生き方に、これほどの確としたものを持った人が、いま、どれくらい居るのか。 もういちど、考え直すべき。 私はすこしおかしいのかもしれないけれど、ところどころ、ちょ...
私たちは、何かを見ているようで、いかに何も見ていないか。 何かを考えているようで、いかに何も考えていないか。 ことばに、生き方に、これほどの確としたものを持った人が、いま、どれくらい居るのか。 もういちど、考え直すべき。 私はすこしおかしいのかもしれないけれど、ところどころ、ちょっと感動して、泣きそうになるくらいだった。 たぶん、ここに書かれている‘ことば’が、とても「真剣」だからだろう。 決して、堅苦しいとか、小難しいとか、クソ真面目とか、いうことではない。 読みやすいし、かまえる必要もないのだけれど、 分かるのだ、たしかに‘魂’で書かれた‘ことば’だ、ということが。
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