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あやし うらめし あな かなし の商品レビュー

3.7

26件のお客様レビュー

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2024/10/14

戦時、戦後後時代背景をもとに男女の死別からの哀しくも切ない短編集。どの話も単にオカルト的な怖い話と言うよりも縁に寄る深い話で面白く読めた。

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2023/10/15

「赤い絆」と「お狐様の話」は奥多摩御岳山の御岳神社を舞台とした怪異譚の趣の小説、「虫篝」「遠別離」は戦争怪談の趣の小説、お化けが出てくる怪談話ではあるが怖くはない。 タイトルどおり、「怪しく」「うらめしく」「哀しい」短編7篇。 私の好みの作風ではないので評価は低め。

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2022/06/06

「お狐様の話」が興味深かった。40、50年前までは、親の世代が「誰それが狐に憑かれた」とか言う話をしていたのを聞いた記憶があるが、最近は全く聞かない。 人が通うのも大変な幽谷の神域で、寝物語として聞いた切なく哀しい恐ろしい物語。 この世界観がたまらなく好き。

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2022/06/06

宮部みゆきの怪異譚を読んでいる時に発見した本書。復讐劇として印象深い「骨の来歴」。ドッペルゲンガーを扱った「虫篝」と、濃霧の中に過去と現代が交差する「遠別離」は、ともに太平洋戦争の兵士を登場させる物語で、特に「遠別離」は衛兵所の二等兵と、夫の戦死を知る彼の妻との邂逅に涙ぐんだ。

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2022/01/17

2007年くらい?にハードカバー版で読んだ。 短編集。1話目から呑まれた。 1話目の狐の話が一番凄惨で、一番凄みがあると思う。すごい。

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2021/03/25

3.5浅田次郎の少し怖い話。ただの幽霊ものではなく、戦争や子どもの死にまつわるやるせなさが背景にある。テレビの変な幽霊話は見習うべし。

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2020/11/14

「神坐す山の物語」と「あやしうらめしあなかなし」は、浅田少年が経験した実話を元に書かれたと、神坐すの後期インタビューに書かれていた。 しかも神坐すには舞台となった神社あたりの行き方が記載されていて、地図検索すると出てきた。 浅田さんのはみ出しものに対する優しい視点は、少年時代から...

「神坐す山の物語」と「あやしうらめしあなかなし」は、浅田少年が経験した実話を元に書かれたと、神坐すの後期インタビューに書かれていた。 しかも神坐すには舞台となった神社あたりの行き方が記載されていて、地図検索すると出てきた。 浅田さんのはみ出しものに対する優しい視点は、少年時代から培われたものなのだなあ。 「あなかなし」の視点。

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2020/10/25

不思議な話の短編集でした。 どの話も面白かったけど個人的には青梅の伯母さんの話、赤い絆とお狐様の話が好きだった。 他の話はどうかわからないけどこれは本当にあった話を語られたものじゃないかなと思った。

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2019/09/23

作者の実家は山深い場所にある高貴な神社のようである。 そこで子供の頃に聞いた寝物語は、摩訶不思議な物語ばかり。 山の夜は深い闇。しかし、人の心の奥の闇の方がもっと暗いと思えてしまう。 おそらくはどんな灯りも届かない闇ではないだろうか。

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2017/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

浅田次郎の小説はコミカルなものしか読んだことがないので、これは驚いた。 けっこうコワい。 「赤い絆」 人間の情念みたいなものを書いた短編で、男女の心中事件を、昔語りに子どもに話してきかせる老婆の話がある。 勉学一筋、親の期待を一身に受けたおぼっちゃん大学生の恋愛事件(お相手は遊女)を扱って、大時代的な悲恋を語るのかなー、と思いきや。 そこは本当にあった話的な怪談に一気になだれ込む。 「遠別離」には感動した。 戦争中、フィリピンのレイテ島で命を絶たれた男と、東京で2浪の末に大学進学をあきらめガードマンをしている男性の人生が奇妙にシンクロするお話。 兵士の、この世に残った魂が愛妻に別れを告げるシーン、社会人として責任を感じ始めたガードマンが兵士の魂を受け継ぐシーンが涙を誘った。

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