あやし うらめし あな かなし の商品レビュー

3.7

26件のお客様レビュー

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2016/08/08

やっぱり最初と最後がいい。 毒をあおって瀕死のまま、死んだ男の傍に 同じく死んだものとして並べられた挙句 一人になって死ぬ女と、 お狐に取り憑かれて手首を喰らう少女、 他の話を忘れるくらい印象が強かった。

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2016/07/27

初浅田次郎。美しい文章であり読みやすい。 こういうゾクッとするような本は今の季節にぴったりじゃないかな。お盆の時期でも良かったかな。 お気に入りは「赤い絆」と「昔の男」。 添い遂げられなかった男女の悲恋というものがとても好きなので出だしから最高だった。心中ってこういう可能性があ...

初浅田次郎。美しい文章であり読みやすい。 こういうゾクッとするような本は今の季節にぴったりじゃないかな。お盆の時期でも良かったかな。 お気に入りは「赤い絆」と「昔の男」。 添い遂げられなかった男女の悲恋というものがとても好きなので出だしから最高だった。心中ってこういう可能性があるから怖い。布団に入り込んできた女は誰だったのか想像を掻き立てられる。 昔の男という言葉は元彼を連想させるけど読んでる途中ではあああと納得のため息。何故だか分からないけど大先生の回想とその後の浜中さんとの会話のところで泣いてしまった。 作中で一番謎なのが叔母さん。幼い頃のあの経験によって彼女にも何かが憑いてるんじゃ…?と思ってしまった。 すごく怖いということはないけど、ほど良くゾクゾクするのと切なさが混じっていてとても好みの本でした。

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2016/03/22

「骨の来歴」がとても良い 傍から見れば不幸か、悪い冗談としか思えないのに、物語の中心となる当人はこの上ない幸せを妄信している、というギャップにゾクゾクさせられた P123の"雨のしぶきが、僕の告白を目に見える形にした。胸のつかえを吐き出した勢いで、僕は泣いてしまった。&...

「骨の来歴」がとても良い 傍から見れば不幸か、悪い冗談としか思えないのに、物語の中心となる当人はこの上ない幸せを妄信している、というギャップにゾクゾクさせられた P123の"雨のしぶきが、僕の告白を目に見える形にした。胸のつかえを吐き出した勢いで、僕は泣いてしまった。"という表現が素敵だ 「赤い絆」の幻想的であり、やや官能的でもあるラストは印象深い 女の気配が誰のものなのか判然とせず、また誰のものであってもおかしくない、という曖昧模糊たる不気味な雰囲気に魅かれた

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2015/06/04

浅田次郎のあやしうらめしあなかなしを読みました。 浅田次郎が幼い頃に聞かされた怖い話、自分の体験などをもとにした怪談短編集でした。 しかし、語られる物語が古い時代のものだったためか、あまり怖く感じませんでした。

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2015/05/09

面白かったー。私にとっては初浅田次郎でした。 描写がうまいです。描写や表現の魅力でもどんどん読み進められます。短編集の構成が見事です。最初から順々に読んでいくと、しみじみ感とかぞわぞわ感とか、一篇ごとにだんだん、そしてどんどん増していきます。 日本の怪談はこのしみじみ感がとても大...

面白かったー。私にとっては初浅田次郎でした。 描写がうまいです。描写や表現の魅力でもどんどん読み進められます。短編集の構成が見事です。最初から順々に読んでいくと、しみじみ感とかぞわぞわ感とか、一篇ごとにだんだん、そしてどんどん増していきます。 日本の怪談はこのしみじみ感がとても大切だと思います。それが存分に生きてます。 浅田次郎、次は何を読もうかと、大変に興味を持ちました。 面白い!

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2015/02/21

すごーく、昔に読んだ。浅田さんの本を検索してたらひっかかって、その瞬間にうわあ、また読みたい!と思ったので登録。 現代の怪談話、短編集。薄ら怖くてでも切ない。こういう怪談好きです。 近々再読する。

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2013/11/06

いわゆる「怪奇談」の短編集。 浅田次郎は長くてもいいが短いのもいい。 今では怪談という言葉自体があまり使われないが、使われてもただのコワい話を指している。しかし、この短編は昔ながらの民話や民俗学として伝わるような、なんとも【かなし(悲し,哀し,愛し)】というのが相混じる“しっと...

いわゆる「怪奇談」の短編集。 浅田次郎は長くてもいいが短いのもいい。 今では怪談という言葉自体があまり使われないが、使われてもただのコワい話を指している。しかし、この短編は昔ながらの民話や民俗学として伝わるような、なんとも【かなし(悲し,哀し,愛し)】というのが相混じる“しっとり感”がある。

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2013/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

遠距離以外オチが曖昧で読むのやめようかと迷った。 不思議な話と怖い話の間でベクトルを調整すると変わった話ができあがるんだなと実感した。

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2013/04/24

幅広い題材で読者を楽しませてくれる、浅田次郎。 歴史のロマンを感じる長編小説が好きなのですが、この作家さんは中・短編小説を読んでも、うならせてくれますね。 今回手に取った文庫は、「人ではない何か」が登場する短編集。 いわゆる「怪談」というカテゴリーに分類されるであろう短編が、7作...

幅広い題材で読者を楽しませてくれる、浅田次郎。 歴史のロマンを感じる長編小説が好きなのですが、この作家さんは中・短編小説を読んでも、うならせてくれますね。 今回手に取った文庫は、「人ではない何か」が登場する短編集。 いわゆる「怪談」というカテゴリーに分類されるであろう短編が、7作品納められています。 その中でも、2編が戦争・軍隊を扱った作品なのは、「浅田次郎らしいな」と感じました。 そして、冒頭と最後に載せられているのが、奥多摩の霊山を題材にした作品。 「あのあたりなら、こういうこともあるかもしれないな」と思ってしまう、不思議ながらもみょうにリアルな話が、印象に残りました。 時間、空間を越えた話なのですが、”知り合いの知り合い”あたりが実際に体験したことを人づてに聞いているような、そして最後に背筋がぞくっとするような、そんな作品の数々でした。 こういう話を次々とつむぎだせる作家さんというのは、どういう人生経験をしているのだろう?などと、みょうな感心の仕方をしてしまった、作品でした。

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2013/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 怖いというより切ない、レトロを感じさせる怪談短編七編。魔物めいたお化けではなくて、妖しくも人間くさくてどこか優しい、そんな幽霊の登場が多かった気がします。個人的に好きだったのは「虫籠」&「骨の来歴」のラスト、それと「遠別離」。「遠別離」は特に、現代っこの兄ちゃんと、矢野二等兵とのギャップが大きさの分、やたらと胸が詰りました。

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