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昭和の洋食 平成のカフェ飯 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2013/05/07

TBSラジオ【文化系トークラジオLife】で取り上げられて読んでみたが、かなりの良書。 "レシピの裏にある女性の意識と社会の変化" を読み解いていく。 ライフスタイルの変遷とともに移り変わる「食」を通して、とりわけ「きょうの料理」「オレンジページ」「マート...

TBSラジオ【文化系トークラジオLife】で取り上げられて読んでみたが、かなりの良書。 "レシピの裏にある女性の意識と社会の変化" を読み解いていく。 ライフスタイルの変遷とともに移り変わる「食」を通して、とりわけ「きょうの料理」「オレンジページ」「マート」など昭和から平成へと至る料理メディアから見る社会における女性、母親の役割といったジェンダー論でもある。 サラリーマンの夫が専業主婦の妻に家事育児を任せきりにしてきた高度経済成長期。 結婚して子供を産み、家事育児をやることが当たり前だった時代から、働く妻が増えて外食・中食文化が成熟してきたHanako世代、そして今や都会においては家庭を持たなくても女性ひとりで楽しめるカフェやバルなどが充実した平成。 これを男性が論じたならば、恐らく家庭回帰云々となるところ、著者は、現代は「家族イコール幸せ」というお仕着せの理想はなくなり、家族単位でない様々な生活基盤がありえることを指摘する。 『当たり前のこと』が当たり前に手に入らない昨今、当たり前でいなくてはならないと世間が強要する同調圧力に対していかがかものかと提言する姿勢が潔い。 食べることとは生きること。 食がこれだけ変わってきたのなら生活もまた変わっていてもおかしくはないのだ。 こうして見てみると、女性の人生において選択肢のない時代から、結婚するしないも子供を産む産まないも選択の出来る世の中になったのだ。「女という役割」からの解放が進みつつあるのかも知れない。

Posted byブクログ

2013/04/13

昭和初期から現代までの家庭料理の変遷をメディア(テレビの料理番組、ドラマ、映画、雑誌、レシピ本、漫画など)を通して分析している。 「バランスのとれた食事は昔からの和食がよい」といわれて久しいが、実際一汁三菜という食事をとるようになったのは昭和になってから、それまでの庶民は経済的に...

昭和初期から現代までの家庭料理の変遷をメディア(テレビの料理番組、ドラマ、映画、雑誌、レシピ本、漫画など)を通して分析している。 「バランスのとれた食事は昔からの和食がよい」といわれて久しいが、実際一汁三菜という食事をとるようになったのは昭和になってから、それまでの庶民は経済的にもまた食材調達を考えても日常に食事は「今あるもの」で作り、食さなければならなかったという。またそのようになり始めた矢先に戦争があり、戦争中戦後は生きるために食べるのがやっとという時期が到来。それが高度成長期になり経済的余裕が出始めるといろいろな洋食、そしてバブルを経ると日本にいて食べられない国の料理はないのでは、というくらい日本は食生活が豊かになった。しかし一方、個食、インスタント食品等による偏食等の問題も注目される。 メディアに取り上げられる食事も時代によって様々、ドラマや映画でも添え物であった食事や料理が近年、大きく取り上げられるようになってきたり、それによってカメラアングルが変わってきているということが面白い。また近年食生活、料理がテーマのドラマや映画、小説、漫画があふれていることもなるほどと思わせる。 メディアは時代に寄り添い、一方で時代を先取りして取り上げていく。レシピ本の変遷を論じたところも興味深かった。この本は今までにない視点で食生活を取り上げており、食、料理等に関心のある人にお勧め。

Posted byブクログ

2013/03/25

食べ物から社会を検証しているが、その材料が、ドラマ、料理番組、マンガ、小説、雑誌と多岐。ネタバレはなはだしいが、フラットな視線で冷静に分析。最近は料理コンテンツがあふれているから、こういった本はとても貴重。「マート」はままごとといいきる。かっこよい。

Posted byブクログ