整形夫婦 の商品レビュー

新堂冬樹【著】

2021/04/20

夫に自分だけを見てほしい妻。
妻より若い女の子にモテたい夫。
老いることを恐れる二人が若さを手に入れるため、それぞれ美容整形外科を訪れる。
若さを求めた二人が手に入れたものとは。

芸能人にさえ嫉妬する妻は、夫を愛するが故で、整形しようとまで思ったのは追い込んだ夫に問題があるのではと思ってしまった。
妻に「女」を感じなくなり、蔑ろにした結果かと。
夫の美容整形は若い女の子にモテるためで、妻を見ていないのだから共感できない。

整形することが悪いわけじゃなくて、何事も身の丈にあったレベルでしないと。
小学生のお子さんがいるのに、返せる宛のない借金はするべきじゃない。
二人の自分本位過ぎる言動にイライラしました。

大切なものは失ってから気付いても、もう遅い。

最後の最後まで夫の行動にいらっとしました。

2017/01/22

これはひどい・・・

なんというか、作文を読んでるみたいにうすっぺらな内容でした。
登場人物の、誰の行動の動機にもシンパシーを感じることができませんでした。

2016/08/28

愚かだが哀しくもある。誰もが老いからは逃れられない。朝海は若々しく、綺麗になったのだから新しい人生を生きれば良かったのに。

2013/07/17

新堂さんの作品は初めてでタイトルを見ただけで
興味をそそられたので手に取りました。

妻の若さ、老い、美への執着心は行き過ぎるところがありますが、
女性ならば少し共感できるところがあります。
けれど老いは誰でも来るものであってそれによって
その人の内面まで変わってしまうものではないので
仕方なく受け入れるのが普通だと思います。
ましてこの妻のように芸能人を観てまで嫉妬したり、
通りすぎの若い人を見ただけでも沸々と思いがするのは
相当な執着心だと思いました。
若返りたく、いつまでも綺麗でいたいという気持ちがあまりにも強くて
タイトルにもあるようについに整形手術まで手を出して。

その一方の夫も男性ならではの老いを感じていて、
ひょんなことに手を出しどんどんと闇に紛れ込んでいってしまって。

この夫婦を見ているとお互い知らないようにしていても
まったく同じような事をしているので可笑しかったです。
そして闇の行く末までも同じような事になっていて、
秘密で悪い事をするということはいかに怖い世界かということが
この作品の中でよく分かります。

まだ幼い子供がいるというのに、
両親がこんな事をして家族がバラバラになっているというのは
愚かだと思います。

整形手術をするにしても闇の中に紛れこまれてしまっても
まずは子供を第一に考えて欲しいと思いました。
自分のエゴだけの家族なんて子供が寂しいだけです。

ただ最後になって妻の本当の美への執着心は
一番大切な人だったのに、それがこんな遠回りをして分かるなんて
皮肉なものです。

この思いが分かった時には既に遅しで、
夫から妻への手紙からラストまではあまりにも急展開で幕を閉じるので
意外な終わり方で驚いてしまいました。

よくドラマなどでありがちなストーリーですが、
展開が早いのでそれに飲み込まれてあっという間に読み終わってしまいました。
整形手術には興味はないけれど、
若さをいつまでも保つことが良いことなのか？と問われています。
整形手術をする方は一度この本を読まれてから考え直すのも良いかと思いました。

本当は若さだけでなく、年齢相応の美しさが良いと思うのですが、
人の心は弱いもので若さと綺麗さの誘惑に勝てずに
なってしまうのが本当の心だと思います。
アンチエイジングもほどほどにしないといけないと思わされました。

2013/06/22

ラストが悲しいです。最初は夫に相手にされたくて、見返してやりたくてアンチエイジングに興味を持つ妻ですが、何故か偶然に夫も同じ施設でアンチエイジングを受けようとする。
妻の方は資金の問題で借金を増やしてしまうが、それを援助し、さらに整形まで進めてくる人物に出会う。
しかしその人物の動機を知った彼女は、愕然とし、現実を見つめなおすことになる。
夫の方もある人物との出会いがあり、それが原因でやくざに目をつけられ、ひどい目に合う。
結果的にお互いの気持ちがすれ違い、夫婦の関係は崩れていく恐ろしい話です。

2013/05/03

アンチエイジングがどうの、ということではなく自意識の問題だと思った。
張り合うべきではない対象（芸能人、若い頃の自分）と分不相応に張り合おうとするから、こんな滑稽なことになる。

2013/03/12

全くのドタバタコメディであった。まさに「金返せ」的作品。
昔のギラギラした新堂冬樹はどこにいってしまったのでしょうね。