糸車 の商品レビュー
宇江佐真理は松前の移封と柿崎将監について、繰り返し語りたいのだな。 いや、もちろん今作もお見事なお点前でした。
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もうちょっと息子のエピソード掘り下げてもいいかなと。 あと、主人公が報われないわりには幸せそうで、読後はさわやか。
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「小説すばる」に掲載された6章の単行本化。 松前藩主道広が不行跡のために幕府から謹慎処分を受けたことにかかわって、藩邸内で家老が暗殺され、その息子が行方不明になった。 家老の妻の絹は江戸へ出て来て、長屋を借り小間物の行商をしながら息子の行方を探すうち、深川に暮らす様々な人々と...
「小説すばる」に掲載された6章の単行本化。 松前藩主道広が不行跡のために幕府から謹慎処分を受けたことにかかわって、藩邸内で家老が暗殺され、その息子が行方不明になった。 家老の妻の絹は江戸へ出て来て、長屋を借り小間物の行商をしながら息子の行方を探すうち、深川に暮らす様々な人々と出会い、支えられる。 息子勇馬は松前藩の探索を逃れ、蔭間(男娼)に身を落として潜んでいたが、絹に思いを寄せる町奉行所の同心持田によって救われ、かくまわれる。 松前藩の奥州梁川移封で勇馬が召し抱えられることになり、持田からの養子の誘いと求婚を断り、母子は梁川へ赴く。「糸車」は絹が養蚕の内職をして、生糸を繰るところから取っているのだろうが、人生の「糸車」が巡ることの象徴なのだろう。 ところどころ突拍子もない展開になっている感じもするが、封建道徳に縛られない強い女性の生き方を描いていていて、すがすがしい。
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