日本近代短篇小説選 明治篇(2) の商品レビュー
明治後半(明治38年~44年)の短篇小説16篇収録。 小川未明の「薔薇と巫女」が良かった。まだ社会主義活動や童話の類いを書き始める前の印象主義的な作風で、描かれている世界が、日本なのだけれどどこか異国的で(後の有名な童話「野ばら」のように、どことも知れぬ国の物語のようで…)とても...
明治後半(明治38年~44年)の短篇小説16篇収録。 小川未明の「薔薇と巫女」が良かった。まだ社会主義活動や童話の類いを書き始める前の印象主義的な作風で、描かれている世界が、日本なのだけれどどこか異国的で(後の有名な童話「野ばら」のように、どことも知れぬ国の物語のようで…)とても浪漫的で感覚的な短篇。後にああいう童話を書く片鱗みたいなものが感じ取られます。 正宗白鳥「塵埃」、徳田秋声「二老婆」なども面白い作品。その他、中村星湖、長田幹彦、水上瀧太郎、小栗風葉、大塚楠緒子など、普段あまりお目にかかれない作家の作品に触れられるのも良い短篇集ですね。
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日本近代短篇小説選6冊の中で一番楽しめた。1905年(明治38年)から1912年(明治45年)までの20世紀の明治の短篇小説が100年後の今も楽しめるのは、言文一致運動の成果であろう。大塚楠緒子、小栗風葉、長田幹彦等を初めて読めたのも収穫であった。
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